脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

偉大なるマンネリではあるものの、最後の逆転劇は見どころあり 『たつまき奉行』鑑賞記

たつまき奉行 片岡千恵蔵 Amazon USB-HDD録り溜め腐りかけ作品鑑賞キャンペーンの一環としての視聴作。 片岡千恵蔵氏が遠山金四郎を演じる『いれずみ判官』シリーズの第14作目。様々な姿で市井の人々の中に溶け込んで、悪事を暴く金さんの勇姿が最大の見せ場…

未曾有のパンデミックを経験した今観ると何やら意味深 『アウトブレイク』鑑賞

アウトブレイク [Blu-ray] ダスティン・ホフマン Amazon USB-HDD録り溜め腐りかけ作品鑑賞の一環として観た一作はパンデミックを題材としたサスペンス作品。やさ男役が多い(※あくまで個人の感想です)ダスティン・ホフマンが珍しくタフな男を演じている。 …

支離鬱々日記Vol.170(休職日記7)

もうかれこれ休職に入って5ヶ月だが、どうもスッキリしない。 実家の整理という「業務」になんだかんだで引っ張り回されているし、母と会話したり、行動をともにすることが非常なストレスになるということもある。まだ、祖母の相続問題という大きな病根もあ…

理解の上で人格を尊重すべき、という主張はわかるが… 『マンガでわかる!認知症の人が見ている世界』読後感

マンガでわかる!認知症の人が見ている世界 作者:川畑智,遠藤英俊,浅田アーサー 文響社 Amazon 私の母は認知症で要介護1と診断された。歩く足取りはおぼつかないし、日常の動作の一つ一つが鈍い。つい数年前まで、水泳や舞踊を嗜み、旅行にもガンガン出掛け…

映画の本筋とは別のところで考えさせられてしまった一作 『エネミー・ライン』鑑賞

エネミー・ライン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray] オーウェン・ウィルソン Amazon 2001年公開の米映画。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争終了間際の同地における空軍大尉の脱出劇を描く。 主役のクリス・バーネット大尉を演じるのはオーウェン・ウィルソン…

ちょっとした違和感は実は何より深い 『豆の上で眠る』読後感

豆の上で眠る(新潮文庫) 作者:湊かなえ 新潮社 Amazon 久々に読んだ湊かなえ氏の著作は、湊氏らしからぬ一作。 「らしからぬ」の第一の理由は、私が湊氏の特徴だと認識していたクリフハンガー形式ではないこと。今作は徹頭徹尾主人公結衣子の視点から描か…

ストーリーよりキャストに目が奪われた一作 『日本侠客伝』鑑賞記

日本侠客伝 [DVD] 高倉健 Amazon HDD録り溜め腐りかけライブラリーからの鑑賞作。東映京都撮影所制作のドル箱。のちにシリーズ化され、当作品を含め11作が制作されている。故高倉健氏の人気を決定的にし、『網走番外地シリーズ』や『昭和残侠伝』シリーズの…

「他人の噂も七十五日」になりつつある今だからこそ読んでおきたい 『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』読後感

自民党の統一教会汚染 追跡3000日 作者:鈴木エイト 小学館 Amazon 昨年7月の安倍元総理狙撃事件以降、世の中の注目を集め続けてきたのが世界平和統一家庭連合(以下、家庭連合。旧略称統一教会)と自民党議員との癒着問題。狙撃犯はいわゆる宗教二世で、…

最後は凶刃に倒れた悲劇の皇妃シシー 『ハプスブルグの涙 皇妃エリザベート』読後感

ハプスブルクの涙 皇妃エリザベート (集英社文庫) 作者:M・V・インゲンハイム 集英社 Amazon ドイツやオーストリアあたりを旅すると彼の地の歴史の中に必ず登場するのがハプスブルグ家。神聖ローマ帝国皇帝を代々輩出し、ローマ帝国解体後は後継国家であるオ…

支離鬱々日記Vol.169(お題に沿って休職日記6)

私がとらわれていた「しなきゃ」 まだまだ心休まる日が来ない。 先月末はライティングの請負の締め切りに追われてかなりしんどかった。これは私自身の怠惰のツケだ。月初から3日に1本ペースで書いておけばなんの支障もなかったのに、まだいいや、まだいいや…

継続する緊迫感と意外すぎる結末で見事に楽しませてくれた一作 『誰でもよかった』読後感

誰でもよかった 作者:五十嵐貴久 幻冬舎 Amazon 久々に手にした五十嵐貴久氏の作品。通り魔殺人鬼と警察の交渉人との「戦い」を描いたサスペンス。 冒頭は無差別殺人犯高橋のモノローグから始まる。このモノローグと犯行の描写が実在の秋葉原無差別殺人事件…

支離鬱々日記Vol.168(休職日記5)

私の母は先月末から介護施設に入居した。軽度ではあるが認知症の症状が出ていること、昨今の連続強盗事件などを鑑みて、老人の一人暮らしは危険だという判断を下したためだ。実際に特殊詐欺に引っかかってしまったということもある。 そんなわけで、当面必要…

秩序と平安を取り戻した後に街を去る保安官は正統派のトリックスター 『ワーロック』鑑賞

ワーロック [DVD] リチャード・ウィドマーク Amazon リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クインという当時の三大スター競演という謳い文句が躍る西部劇。1959年の作品だ。 題名の『ワーロック』とは舞台となる街の名前である。この…

生きていれば日本を変えたかもしれない人物の評伝 『夢顔さんによろしく 最後の貴公子・近衛文隆の生涯』読後感

夢顔さんによろしく(上) 最後の貴公子・近衛文隆の生涯 (集英社文庫) 作者:西木正明 集英社 Amazon 夢顔さんによろしく(下) 最後の貴公子・近衛文隆の生涯 (集英社文庫) 作者:西木正明 集英社 Amazon だいぶ前に買って積ん読、それも上下巻別々に本棚に…

イギリス、一度行ってみたくなったなぁ 『夫婦で行く意外とおいしいイギリス』読後感

【カラー版】夫婦で行く意外とおいしいイギリス 夫婦で行く旅シリーズ (集英社文庫) 作者:清水義範 集英社 Amazon 清水義範氏が奥様と共に海外旅行に赴き、その土地土地の、主に食事を紹介する「夫婦で行く旅」シリーズの中の一冊。 今回の旅行先はイギリス…

日本人の文章の「均一性」は没個性の象徴か?それとも基礎教育力の高さか? 『嘘みたいな本当の話』読後感

嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト 作者:内田樹,高橋源一郎,ほしよりこ イースト・プレス Amazon 仏文学者にして武道家でもある内田樹氏と作家高橋源一郎氏のセレクトによる題名通りに「嘘みたいな本当の話」を集めた一冊。…

支離鬱々日記Vol.167(休職日記4とちょっとお題にひっかけ)

今週のお題「マメ」 今週頭、二つの懸案事項に片がついた。 一つは義父の四十九日法要。まあ、これは婿の身としては何もやることがなく、幼い姪っ子ちゃんの面倒を見るという名目で体良く遊びに行っているようなものではあったが。一応、寺の住職が読経して…

支離鬱々日記Vol.166(休職日記3)

休職してから1ヶ月強が過ぎたが、まだ全然休んでいるという気分にはならない。母親の介護問題やら、伯父の相続の問題やらが全然片付いていないし、その他の雑用も一つ片付けるそばから新しいものが二つ湧き出てくるような状態で、常に何かしらに追われてい…

ナルな著者の意外な日常を垣間見た 『ひなびたごちそう』読後感

ひなびたごちそう (ポプラ文庫) 作者:島田雅彦 ポプラ社 Amazon 作家島田雅彦氏の職に関するエッセイ集。朝日新聞の日曜版に掲載されたものを集めた一冊。 島田氏の作品との出会いは私の高校時代。処女作でもあり、芥川賞の候補ともなった「優しいサヨクのた…

現在の音楽シーンの大元を作り上げた人物たちのエピソード集 『「ヒットソング」の作りかた 大滝詠一と日本ポップスの開拓者たち』読後感

「ヒットソング」の作りかた 大滝詠一と日本ポップスの開拓者たち (NHK出版新書) 作者:牧村 憲一 NHK出版 Amazon この駄ブログの読者の皆様には耳タコのお話だが、私は現在終の住処と考えている場所に住んでいる。終の住処と思い定めたことで、少々集めてみ…

超一流フレンチシェフの原点は「ど根性」 『三流シェフ』読後感

三流シェフ (幻冬舎単行本) 作者:三國清三 幻冬舎 Amazon 問題発言で、コメンテーターから現場リポーターに配置転換させられた玉川徹氏が、三國清三シェフ本人にインタビューを行い、その模様をモーニングショー内で放映していたことで、知ったのが標題の一…

町田康氏へのオマージュ 『つるつるの壺』読後感(ついでにチョイとお題にも乗っかってみる)

今週のお題「あったかくなったら」 つるつるの壺 (講談社文庫) 作者:町田康 講談社 Amazon 標題の書は町田康氏が小説家として名が売れ出した頃のエッセイ集であり、いろんな作家の文庫本の巻末に付いている「解説」もいくつか収められてもいる。 この作品集…

ふた昔前くらいのジャパンと外国チームの試合を見ているかのような錯覚を覚えた一戦 全国大学ラグビー選手権決勝(帝京大学vs早稲田大学)観戦記

www.sanspo.com 2022-23シーズンの大学No.1を決める一戦は関東大学ラグビー対抗戦優勝の帝京大学と同3位の早稲田大学との対戦となった。 この両チームは春、夏合宿、そして対抗戦での試合と今シーズン3回対戦して、3回とも帝京が勝利している。春はダブルス…

まだまだ活躍して欲しかった人物 改めてご冥福をお祈りいたします 『強い組織をつくる 上田昭夫のプライド』 読後感

強い組織をつくる 上田昭夫のプライド 作者:大元 よしき 株式会社ウェッジ Amazon 故上田昭夫氏の早すぎる晩年を記したルポルタージュ。 上田氏といえば、低迷していた母校慶應義塾大学を二度に渡って大学日本一(うち一回は社会人チームを破っての日本一も…

これはバックスの視点 『脱・筋トレ思考』読後感

脱・筋トレ思考 作者:平尾剛 ミシマ社 Amazon ラグビー元日本代表にして、現役引退後は合気道などを深く学び、カラダの有効な使い方を研究し続けている平尾剛氏の、トレーニングに関する「哲学」を記した一冊。 平尾氏の解くところは明快だ。筋トレをガンガ…

物語の終わりを予感させる一作 『座頭市御用旅』鑑賞記

座頭市御用旅 <東宝DVD名作セレクション> 勝新太郎 Amazon 26作ある「座頭市シリーズ」の23作目。 言わずと知れた、ダークヒーロー座頭市の居合い抜きの妙技をいかに鮮やかに魅せて、観客にカタルシスを与えるかが生命線のこのシリーズ、いい加減ネタ切れに…

支離鬱々日記Vol.165(年末恒例私的十大ニュース+漢字一文字)

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと」 毎年恒例のネタ行ってみたいと思います。ついでにちょっとお題にも引っかかってますな。 第10位 サッカー日本代表W杯予選で強豪撃破 のっけからのパブリックネタ、ご容赦の程を。私は偏向したラグビーファ…

ひたすらジェイソン・ステイサムの素手ゴロシーンを鑑賞すべき作品 『バトルフロント』鑑賞記

バトルフロント スペシャル・プライス [Blu-ray] ジェイソン・ステイサム Amazon 録り溜め死蔵寸前作品の中から引っ張り出した一作は、シルベスター・スタローン脚本、ジェイソン・ステイサム主演のバイオレンスアクション。 まあ、なんつうか、アメリカ版の…

ひたすら阿部サダヲを鑑賞すべき作品ではあるが… 『死刑にいたる病』鑑賞記

死刑にいたる病 [Blu-Ray] 阿部サダヲ,岡田健史(水上恒司),岩田剛典,中山美穂,宮﨑優 Amazon 女房殿のセレクションで借りた一作。 櫛木理宇原作の小説の映画だったようだが、原作については読んだことがなく、純粋に映画作品として鑑賞した。連続殺人犯榛…

支離鬱々日記Vol.164(休職日記2)

先週頭から休職に入ったが、まあ、実に激動の日々で実際問題として、会社の仕事をしている時よりよほど忙しかった。 月曜の昼に一息ついたと思ったら、夕刻義父が逝去。元々基礎疾患持ちだったが、直前に家人がコロナ感染し、救急車を要請しても搬送先が見つ…