脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

武田家滅亡までの歩みを周辺部から描いた力作 『戦国鬼譚 惨』読後感

戦国鬼譚 惨<文庫版> (コルク) 作者:伊東潤 コルク Amazon 人呼んで剛腕歴史小説家の伊東潤氏が、武田家滅亡までの日々を描いた連作小説集。 「始祖」武田信玄の死後を襲った武田家盟主の四郎勝頼は、最後は親族にまで裏切られて、取り巻き数十人という惨…

とりあえずトム・クルーズのアクションとキャメロン・ディアスのファンは満足できたであろう一作 『ナイト&デイ』鑑賞記

ナイト&デイ(エキサイティング・バージョン) [Blu-ray] トム・クルーズ Amazon 2010年の米映画。 2001年の『バニラ・スカイ』ではややサイコがかった女を演じ、劇中で主人公トム・クルーズの顔面に深刻な傷を残したキャメロン・ディアス。今作では謎の男を演…

まだまだ世界の壁は厚い 女子ラグビーワールドカップ ジャパンvsカナダTV観戦記

遅ればせながら、録画したものを昨日になってようやく観た一戦。 残念ながら一部のラグビーファンの興味しか引いていないが、今年はニュージーランドで女子ラグビーW杯が行われている。本来は2021年に行われるはずだったものがコロナ禍の影響で一年延期され…

町田康版の『ロックンロール退屈男』 『パンク侍、斬られて候』読後感

今週のお題「最近おもしろかった本」 パンク侍、斬られて候 (角川文庫) 作者:町田 康 KADOKAWA Amazon なんだなんだ今週の「お題」は。米を炊くのに最良の器具を設え、かつ和食の最高の料理人の手配まで整えたような、シンプルなのに最高に贅沢なお題ではな…

人生はピークを迎えた後の方が長い 『人生はそれでも続く』読後感

人生はそれでも続く(新潮新書) 作者:読売新聞社会部「あれから」取材班 新潮社 Amazon 私は、結構「あの人は今?」的な企画は好きだ。それも、どちらかといえば、華々しいデビューを飾ったものの、その後はヒット曲に全く恵まれないいわゆる「一発屋」とか…

ラグビーを取り巻く「空気感」までが伝わってくるエッセイ集 『ラグビーって、いいもんだね。2015−2019ラグビーW杯日本大会』読後感

ラグビーって、いいもんだね。 2015-2019ラグビーW杯日本大会 (鉄筆文庫) 作者:藤島 大 鉄筆 Amazon 瀬戸内寂聴氏は、文学上の師匠である宇野浩二氏から「出来事を書くのではなく人間を描け」と指導を受けたそうだ。瀬戸内氏の場合は小説に関しての心構えだ…

自分の人生は会社のモノじゃない! 『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由』読後感

過労死という言葉が世界中で"kaorosi"として通用するようになってずいぶん経ちますが、この言葉が指し示すような残念な亡くなり方をする方は後を絶ちません。因果関係が特定できないものの、仕事が原因である可能性が高い自死などを含めれば、恐らく日本人の…

来年のW杯の賜杯の行方はどこに? 『オールブラックスが強い理由 ラグビー世界最強組織の常勝スピリット』読後感

オールブラックスが強い理由 ラグビー世界最強組織の常勝スピリット 作者:大友信彦 東邦出版 Amazon この本を読んだ時点では、オールブラックスは「常勝」のチームではない。 7〜8月にかけて行われた、テストマッチや国際大会では、24年ぶりの連敗を含む5勝4…