脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

読書

壮大なスケールで描かれる暴力と死と再生の物語 『テスカトリポカ』読後感

テスカトリポカ (角川書店単行本) 作者:佐藤 究 KADOKAWA Amazon 第165回の直木賞を受賞した、ダークサスペンス。 題名ともなっている「テスカトリポカ」とはアステカの神話の中で最も主要な立場にある神。後にこの地に侵攻してきたキリスト教徒たちによって…

「ずっとやりたかったこと」に一歩踏み出した今だからこそ読んで良かった一冊 『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』読後感

ずっとやりたかったことを、やりなさい。 作者:ジュリア・キャメロン サンマーク出版 Amazon 繰り返し書いているが、私は郷里への転居を機に、本格的に文筆業の方に舵を切った。とはいえ、会社には籍を置いたままでそっちの方の日々に追われているし、まだ小…

やりがいは与えられるものではなく自分で作り出すもの 『「やりがいのある仕事」という幻想』読後感

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) 作者:森 博嗣 朝日新聞出版 Amazon 最近にしては珍しく紙の本として買い求めた一冊。確か、メンタルクリニックの受診後に帰りの電車で読む本がないと気づいて本屋で衝動買いした。 メンタルクリニックで現在の…

知ってそうで知らなかった話が満載 『ロック ベストアルバムセレクション』読後感

ロック―ベスト・アルバム・セレクション (新潮文庫) 作者:渋谷 陽一 新潮社 Amazon 最近になって、大瀧詠一師匠の楽曲の「元ネタ」を集めたアルバムやら書籍やらが続々と発売されて、私の中で海外の古いポピュラーミュージックへの関心が高まっていた。そん…

剛腕歴史小説家が描く戦国末期の「脇役」たちの物語 『家康謀殺』読後感

家康謀殺 (角川文庫) 作者:伊東 潤 KADOKAWA Amazon いわゆる戦国大名たちの争いを生々しい筆致で描くことの多い伊東潤氏による、織田信長の台頭から豊臣家が滅びた大坂冬の陣までの期間の、さまざまな立場の人物の姿を描いた短編集。いずれの物語の主人公も…

自分を気分良く動かすためのテクニック解説書 『しんどい心がラクになる ココロちゃんの取り扱い説明書(トリセツ)』読後感

しんどい心がラクになる ココロちゃんの取扱説明書(トリセツ) 作者:古山有則 あさ出版 Amazon 昨日金曜日に、ようやく、ここ数ヶ月の懸案事項であった資料の作成と送付が終了した。ローデータは年初には揃っていたので、速さが尊ばれる「会社のお仕事」とし…

好きなことを仕事にしたい人への絶好の「ガイド本」 『0点主義 新しい知的生産の技術57』読後感

0点主義 新しい知的生産の技術57 作者:荒俣 宏 講談社 Amazon 博覧強記の博物学者にして、出す本出す本すべてが私にとっては実に興味深いものばかりという、私の理想像の一人荒俣宏氏が、自らの知的生産の技術を紹介した一冊。 「知的生産の技術」と書いたば…

死に様は生き様 『アウトロー臨終図鑑』

アウトロー臨終図鑑 (幻冬舎アウトロー文庫) 作者:山平重樹 幻冬舎 Amazon Kindle君がご親切に「お客様へのおすすめ」としてラインアップしてくれていたのが標題の書。ころりと引っかかって、衝動DLしてそのまま一気読み。お江戸への通勤往復でほぼ読み切っ…

「ダイエット」は減量ではなく生活そのものを改善すること 『プロ格闘家流「できる人」の身体のつくり方』読後感

プロ格闘家流「できる人」の身体のつくり方 (イースト新書Q) 作者:戸井田カツヤ イースト・プレス Amazon おそらくは先日紹介した↓の文庫Xと一緒に買い求めた一冊。 www.yenotaboo.work 格闘家としてトップクラスの選手だった戸井田カツヤ氏によるダイエット…

著者の執念に恐怖感すら感じた渾身のルポルタージュ 『殺人犯はそこにいる』読後感

殺人犯はそこにいる (新潮文庫) 作者:潔, 清水 新潮社 Amazon 2016年頃全国の書店の店頭を席巻した「文庫X」。当時私の定番立ち寄り場所だった三省堂の池袋店でもある日山積みになっており、その場で衝動買いしたのだが、結局カバーも取らず書棚の片隅に眠る…

LGBTQ問題はあらゆる意味で現代社会の問題の縮図 『LGBTの不都合な真実 活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か』読後感

LGBTの不都合な真実 活動家の言葉を100%妄信するマスコミ報道は公共的か 作者:松浦大悟 秀和システム Amazon ゲイであることを公表し、参議院議員時代からLGBTQの方々を取り巻く様々な事象に対して、日本社会へ問題を提起し続けている松浦大悟氏が、日本の…

34個の悪あがき方法 でも本当のやる気の出し方は自分で編み出すしかない 『やる気のスイッチ!』読後感

やる気のスイッチ! 作者:山崎拓巳 サンクチュアリ出版 Amazon 二時間半にも及ぶ通勤時間(片道)。一日の仕事を終えて、「普通の本」もコミックも、ゲームすらやる気になれない時に、Kindleの溜め読リストの片隅で見つけたのが標題の書。 最近は、本当につ…

清濁併せ呑む度量を持ち、聖と俗の間での経験も積んできた二人による「文章」をめぐる対談集 『文章修業』読後感

文章修業 作者:勉, 水上,寂聴, 瀬戸内 岩波書店 Amazon 私はつい最近会社がつくづくと嫌になったことを直接のきっかけとして、文筆業に本格的にシフトしていくことを決意した。以前から考えていたことでもあり、また実際にちゃんとギャラの出る(ものすごく…

忙しなき日常から逃れてしばしカオスの世界に遊ぶための短編 『令和の雑駁なマルスの歌』読後感

令和の雑駁なマルスの歌 作者:町田 康 U-NEXT Amazon この本の読後感を書くにあたり、はたと考え込んでしまった。 『令和の雑駁なマルスの歌』というからには『○○時代の統一性のあるマルスの歌』とでもいうべき存在があるはずであり、試みに「マルス」という…

手帳はアタマのUSBメモリー 『手帳フル活用術-仕事の達人、27人の「手のうち」!』読後感

手帳フル活用術―仕事の達人、27人の「手のうち」! (知的生きかた文庫) 作者:中島 孝志 三笠書房 Amazon 何度か書いているが、私は現在A5サイズのシステムて手帳を使用している。買い求めてからそろそろ20年近くになるため、外見は堂々たる風格を持っているが…

どんな分野で活躍する人の足元にも広がっている深くて暗い落とし穴 『イップス 病魔を乗り越えたアスリートたち』読後感

イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち (角川新書) 作者:澤宮 優 KADOKAWA Amazon 私は、プロないしはその道のトップレベルで活躍できるほどのアスリートになった経験はない。したがって、この本に書いているような、極度の緊張を強いられる場面なんぞに…

自分の常識は他人の非常識 『HSPサラリーマン 人に疲れやすい僕が、楽しく働けるようになったワケ』読後感

HSPサラリーマン――人に疲れやすい僕が、 楽しく働けるようになったワケ 作者:春明 力 Clover出版 Amazon 標題の書の中の「HSP」とはHighly Sensitive Personの略。詳しくは↓のサイトを参照いただきたいが kenko.sawai.co.jp 要するに過度に繊細で「普通の人…

考えれば考えるほどわからなくなるけど、一つだけヒントをもらえた一冊 『天皇とは何か』読後感

天皇とは何か (宝島社新書) 作者:井沢 元彦,島田 裕巳 宝島社 Amazon 独特の「井沢史観」で知られる小説家、井沢元彦氏と伝統的な宗教から新興宗教まで幅広く研究し、さまざまな形で言及している宗教学者島田裕巳氏との対談をまとめた一冊。題名の通り、「天…

逃げるは恥でもないし役に立つ 『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』読後感

メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術 作者:わび ダイヤモンド社 Amazon 先日、昨年の成績を通知された。評価は最低。 ちゃんとやるべきことをやって、しかも当初の目標値には届いていないものの、ちゃんと結果…

お勉強の一科目にしてしまうのはもったいないほど歴史って面白い 『戦国武将の選択』読後感

戦国武将の選択 (産経セレクト) 作者:本郷和人 産経新聞出版 Amazon 各種のメディアに登場することも多い、著名な歴史学者本郷和人氏が、自身の研究のど真ん中である中世を取り上げた一冊。 学校でのお勉強の中の一科目として、知識の暗記ばかりを求められが…

反省だけなら猿でもできる。全く反省しないという「選択」は人間にもできる 『失敗は忘れていい 反省はしなくてもいい:イヤなことばかり思い出してしまうあなた』読後感

失敗は忘れていい 反省はしなくていい: イヤなことばかり思い出してしまうあなたに 作者:福島章信 Amazon ここのところ、主にココロの状態があまり良くない。昨年から拝命した仕事がトラブル続きで、その処理に疲弊したのと、ついに以前からの仕事にまで影響…

怒りのエネルギーは有効活用しよう 『キミは「怒る」以外の方法を知らないだけなんだ』読後感

キミは、「怒る」以外の方法を知らないだけなんだ 作者:森瀬 繁智(モゲ) すばる舎 Amazon 最近特に怒りを感じることが多い。それもウクライナへのロシアの侵攻という暴挙に対してなどの「高尚」な怒りではなく日常の瑣末的な事への怒りだ。 取引先は勝手にサ…

嫌な気分になることのなかった短編集 『サファイア』読後感

サファイア (ハルキ文庫) 作者:湊かなえ 角川春樹事務所 Amazon 「イヤミス」の第一人者湊かなえ氏の短編集。 松たか子主演(ついでに言うと「子役」芦田愛菜の出世作)で映画化されたことで大々的に宣伝されていた『告白』を試しに読んで、そのエンディング…

『枕草子』は教材ではなく堂々たるエンターテインメント作品 『ちょっと毒のあるほうが、人生うまくいく!』読後感

ちょっと毒のあるほうが、人生うまくいく! (知的生きかた文庫) 作者:清水 義範 三笠書房 Amazon 先週末から花粉症が本格的に始まり、鼻水はずるずるだわ、目は痛いわ、熱っぽいわで体調は最悪。おまけに仕事は面倒臭いことばかり。過去の担当者がずるずると…

満を持してのウクライナ侵攻だったのか…  『イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 EU離脱の深層を読む』読後感

イギリス解体、EU崩落、ロシア台頭 EU離脱の深層を読む PHP新書 作者:岡部 伸 PHP研究所 Amazon ここのところ連日に渡り、各メディアが大きく取り上げ続けているのが、ロシアのウクライナ侵攻。 各国の首脳や国連の場でもロシアを非難する声明が発表され、在…

関西のラグビーはいつでもめっちゃ熱い 『ラグビーが好きやねん』読後感

ラグビーが好きやねん 作者:鎮 勝也 ベースボール・マガジン社 Amazon 自身もラグビー経験者であるスポーツライター鎮勝也氏による、ラグビー愛に満ち満ちた一冊。 ベースボールマガジン社が誇るラグビー専門誌『ラグビーマガジン』が運営するラグビーリパブ…

珍記録の前に珍妙な文章をなんとかしてほしい 『超一流 プロ野球選手の珍記録:これぞ伝説‼︎名プレーヤー達の勲章‼︎』読後

超一流 プロ野球選手の珍記録: これぞ伝説‼ 名プレーヤー達の勲章‼ (Kotobuki出版) 作者:峰岸 琢磨 Kotobuki出版 Amazon ある日のKindle unlimitedにリストアップされていたので、ヒョイっと衝動DLした一冊。 内容はまあ、やたらと長い題名の通り。1回に2回…

ど真ん中の実録モノ 『S霊園 怪談実話集』読後感

S霊園 怪談実話集 (角川ホラー文庫) 作者:福澤 徹三 KADOKAWA Amazon アウトロー小説と怪談の二刀流として名の通っている作家福澤徹三氏による実録怪談集。 私は「怖い小説」は好きだが、いわゆる霊感というものが皆無な鈍感体質なので狐狸妖怪の類は信じて…

女の一人もたらしこめねーやつが万人に支持されるわけゃねーだろ 『イタリア「色悪党」列伝 カエサルからムッソリーニまで』読後感

イタリア「色悪党」列伝 カエサルからムッソリーニまで (文春新書) 作者:ファブリツィオ・グラッセッリ 文藝春秋 Amazon 女性に対しては口説くのが「礼儀」とされている国、イタリア。この国の歴史を形作ってきた錚々たる面々の「業績」を集めたのが標題の一…

何もかもが正反対な異色コンビのバディもの 『逸脱捜査 キャリア警部・道定聡』読後感

逸脱捜査 キャリア警部・道定聡 (角川文庫) 作者:五十嵐 貴久 KADOKAWA Amazon 正反対のキャラを持つ二人の刑事が難事件を解決していく、いわゆるバディモノ。キャリア警部が「逸脱」した操作をするとなると、どうしても杉下右京氏の顔が浮かんできてしまう…