脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

読書

「前作」の世界観を理解していないと深く読み込めない作品 『蜘蛛の巣の罠』読後感

蜘蛛の巣の罠(上) (扶桑社BOOKSミステリー) 作者:ラーシュ・ケプレル 扶桑社 Amazon 蜘蛛の巣の罠(下) (扶桑社BOOKSミステリー) 作者:ラーシュ・ケプレル 扶桑社 Amazon Kindleの日替わりセール対象になっていたので衝動DLした一作。著者ラー…

小説としての完成度が高かった一冊 『密告はうたう 警視庁監察ファイル』読後感

密告はうたう 警視庁監察ファイル (実業之日本社文庫) 作者:伊兼 源太郎 実業之日本社 Amazon TOKIOの松岡昌宏主演で、8月末からはシーズン2が始まった↓作品の原作本。暇に任せてKindleのライブラリをのぞいていた時に「あ、こんな本も買ってたんだ」と「再…

個人的には一番身近な外国となったベトナムについて改めて学んでみた 『日本人の知らないベトナムの真実』読後感

日本人の知らないベトナムの真実 (扶桑社BOOKS新書) 作者:川島 博之 扶桑社 Amazon 何度か書いている通り、私の義姉はベトナム人だ。当家の最高権力者様、世間的にいうところの女房の兄に5年ほど前に嫁いできた。義兄が働いている工場に、彼女が技能実…

歴史の波に翻弄され続けて磨かれた魅力的な街たちのガイドブック 『フランス 26の街の物語』読後感

フランス 26の街の物語 (光文社新書 1318) 作者:池上 英洋 光文社 Amazon 個人的には、いつの間にか始まり、いつの間にか終わっていたという印象だけが残ったパリオリンピック。もっともこれは私の個人的な事情による。すなわちオリンピックがちょうど佳境…

手慣れた感じの刑事モノ小説 『トランパー 横浜みなとみらい署暴対係』読後感

トランパー 横浜みなとみらい署暴対係 作者:今野敏 徳間書店 Amazon ジムのチャリンコマシーンの上で、あまり考え込まずに済むだろうという見込みのもとに読んだ一冊。著者今野敏氏の作品は数多くの刑事ドラマの原作となっており、おそらくは劇画を読むのと…

私が私自身のご機嫌を取る方法はもう決まっている 『あなたは、あなたなりに生きれば良い。自分の無意識に気づき、それを認めれば、道は拓ける』読後感

あなたは、あなたなりに生きれば良い。: 自分の無意識に気づき、それを認めれば、道は拓ける (単行本) 作者:加藤 諦三 三笠書房 Amazon ラジオ人生相談のパーソナリティーとして知られてる加藤諦三氏が、生きづらさを感じている人々のために書き下ろした一冊…

暗澹たる気持ちにならざるを得ない現状の的確すぎる指摘 『プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」』読後感

プア・ジャパン 気がつけば「貧困大国」 (朝日新書) 作者:野口 悠紀雄 朝日新聞出版 Amazon 私にとっては、『超整理法』などの仕事術的な著作の印象が強い野口悠紀雄氏の「本分」である経済学の書。理系学部出身の学者らしく、さまざまなデータを見やすい表…

現時点での私の問題は「心」ではなく「経済」なのだとわかってはいても 『心の病気はどう治す?』読後感

心の病気はどう治す? (講談社現代新書) 作者:佐藤光展 講談社 Amazon 私がうつを「発症」してから20年以上の時が過ぎている。直接の原因は、望まない転勤を強いられ、さらに転勤先では最も望まなかった業務を担当させられてしまったことだ。会社としては、…

今の状態だと逃げ切る前に息切れすることは確実 『「知っているかいないか」で大きな差がつく!人生逃げ切り戦略』読後感

「知っているかいないか」で大きな差がつく! 人生逃げ切り戦略 作者:やまもとりゅうけん KADOKAWA Amazon 今の私の心情にぴったりマッチした題名だったので、衝動DLしてしまった一冊。 そうそう、今の私の一番の関心事は「会社を辞めてどう食っていくか?」…

殺人者たちの心理にアプローチする意義とは? 『殺人者はいかに誕生したか―「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く―』読後感

殺人者はいかに誕生したか―「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く―(新潮文庫) 作者:長谷川 博一 新潮社 Amazon 私は死刑廃止論を支持している。人道的観点とかなんとかいう高尚な理由からではなく、現行法下で死刑を宣告されるような重罪を犯した犯罪者に…

トランプの対立候補が女性になりそうな今だからこそ読んでおきたい一冊 『世界史の中のヤバい女たち』読後感

世界史の中のヤバい女たち (新潮新書) 作者:黒澤 はゆま 新潮社 Amazon こんな本買ってたっけ?と思いながらKindleのライブラリーから引っ張り出した一冊。題名の通り、世界の歴史の中で「戦う女」として名を馳せた人物10名を紹介している。 恥を忍んで告白…

「仕組みを作った者が一番強い」ってどこかで聞いた話だな 『五輪汚職-記者たちが迫った祭典の闇』読後感

五輪汚職-記者たちが迫った祭典の闇 (単行本) 作者:読売新聞社会部取材班 中央公論新社 Amazon コロナの影響で、1年開催が延期された上、大半の競技が無観客で行われたため、五輪見たさに海外から大挙して押し寄せる客から金を踏んだくろうとしていた日本経…

歴史は人間の「業と欲」の集積 『日本の歴史人物高座 フムフムなるほど人間がわかる』読後感

日本の歴史人物高座 フムフムなるほど人間がわかる (PHP文庫) 作者:桂文珍 PHP研究所 Amazon 大御所として関西の落語界にデンと腰を据えている桂文珍師匠。その師匠が落語のみならず、さまざまなタレント活動を行い、メディアへの露出量が最大であった頃合い…

日々心がけておきたいことが満載 『一瞬で気持ちを切り替える脳内ひとりごと--「イライラ」「クヨクヨ」「モヤモヤ」このワンフレーズが効く!』読後感

一瞬で気持ちを切り替える脳内ひとりごと――「イライラ」「クヨクヨ」「モヤモヤ」このワンフレーズが効く! (王様文庫) 作者:吉村 園子 三笠書房 Amazon 私の最も克服したい悪癖が、ネガティブ自動思考だ。何か悪いこと、傷つくこと、嫌なことがあると、一気…

自分自身が職場を腐らせていないかが心配 『職場を腐らせる人たち』読後感

職場を腐らせる人たち (講談社現代新書) 作者:片田珠美 講談社 Amazon どこかのサイトが小出しに内容を紹介していたのをつまみ読みしてみたら結構面白かったんで買い求めた一冊。 標題の書、かなりの勢いで売れてるベストセラーらしい。どこの職場にも「腐ら…

地味ながら高度なインテリジェンスの世界 『警視庁公安部外事課」読後感

警視庁公安部外事課 作者:勝丸 円覚 光文社 Amazon 「公安」と言えば、刑事ドラマなどでは主人公たちと対立する「内なる敵」の典型。いかにもエリート然とした雰囲気で現れ、現場の捜査方針を「大義」のためとしてひっくり返した上に、「お前らは我々の言う…

脳を休ませる必要性の高さは実体験からも認識済み 『脳をしっかり休ませる方法 イライラ・不安の原因は脳の疲労!?』読後感

脳をしっかり休ませる方法 イライラ・不安の原因は脳の疲労!? (知的生きかた文庫) 作者:茂木 健一郎 三笠書房 Amazon 脳科学者として最も人口に膾炙しているであろう茂木健一郎氏による、脳機能を最高に高めるためのHow to本。書の題名にもある通り、どの…

橋上秀樹氏はなかなか調子が上向かない今の巨人にこそ必要な人材ではないか? 『だから、野球は難しい』読後感

だから、野球は難しい (扶桑社新書) 作者:橋上 秀樹 扶桑社 Amazon 今年からイースタンリーグに参戦したオイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブの監督を勤めているのが標題の書の著者橋上秀樹氏。橋上氏は1983年に捕手としてドラフト3位でヤ…

低迷する埼玉西武ライオンズをどう改革するのかについての意見を聞いてみたい 『最後の名将論』読後感

最後の名将論 (SB新書 650) 作者:広岡達朗 SBクリエイティブ Amazon 選手、指導者として堂々たる実績を持ち、野に下ってからは鋭い論点でズバリと球界に物申してきた広岡氏の直言集とでもいうべき一冊。氏のプロ野球人としての原点となった巨人軍に対する厳…

重要なのは「今」が安全な状態だと自覚すること 『今すぐ使える 誰でもつかえる フラッシュバック対処と予防: アメリカ発 トラウマのプロが教えるフラッシュバックのすべて』読後感

今すぐ使える 誰でもつかえる フラッシュバック対処と予防: アメリカ発 トラウマのプロが教えるフラッシュバックのすべて 作者:服部信子 Amazon 私の日常において一番悩まされているのが「過去の出来事に引きずられて、精神的なエネルギーを浪費してしまう」…

謎解きの結果ではなく過程を味わうべき記者ど根性物語 『ある行旅死亡人の物語』読後感

ある行旅死亡人の物語 作者:武田 惇志,伊藤 亜衣 毎日新聞出版 Amazon 行旅死亡人とは、身元がハッキリしなかったり、身寄りがなく遺体の引き取り手がなかったりする死人のこと。字面からは、あてもなく彷徨った末に、見知らぬ土地で行き倒れて死んでしまっ…

野球にとことんこだわった「働くおじさん」の半生記 『92歳、広岡達朗の正体』読後感

92歳、広岡達朗の正体 作者:松永 多佳倫 扶桑社 Amazon 大好きなプロ野球蘊蓄モノ。本書は常にプロ野球に対して鋭い視線を送り、現役プレーヤーや首脳陣たちを舌鋒鋭く批判し続けている広岡達朗氏の半生を、彼に関わった様々な人々へのインタビューを中心に…

思い出を出来事として客観視することが全て 『毒親育ちさんがネガティブ思考で「しんどい」と思ったら読む本: 過干渉で、過保護な親に育てられた私も変われた!』読後感

毒親育ちさんがネガティブ思考で「しんどい」と思ったら読む本: 過干渉で、過保護な親に育てられた私も変われた! 作者:有栖 もみぢ Amazon 長い題名だな、しかし。ブログのタイトルにするのに制限字数超えないかと心配した。 などという薄っぺらな感想はさ…

だが、男の運命なんて一寸先はどうなるか分からない…… 『起死回生-逆転プロ野球人生-』読後感

起死回生―逆転プロ野球人生―(新潮新書) 作者:中溝康隆 新潮社 Amazon 私の好きなプロ野球蘊蓄モノ。 FA制度や現役ドラフトの導入、さらには人気、実力を兼ね備えた選手が続々とMLBに出ていってしまうドライな昨今においては、トレードに関してのネガティブ…

アタマがいいだけでは渡って行けないのが世間と言うものではあるけれど 『高学歴難民』読後感

高学歴難民 (講談社現代新書) 作者:阿部恭子 講談社 Amazon 私の大学時代、農村の嫁不足が深刻化し、中国から女性を引っ張ってきて、農家の後継者の嫁に据えることが「流行」した時期があった。私は社会学の一分野としてカテゴライズされていた専攻に所属し…

今では戦前予想が虚しいものの、前半部分はなかなか役にたつ一冊 『ラグビー質的観戦入門』読後感

ラグビー質的観戦入門 (角川新書) 作者:廣瀬 俊朗 KADOKAWA Amazon 毎度毎度痛感させられる金言、「本は買ったらすぐ読め」を改めて実感させてくれた一冊。 本書は、以前紹介した『ラグビー知的観戦のすすめ』の続編とでもいうべき一冊で、2023年のフランス…

持つべきは自分を客観視する視点 『ネガティブ感情向き合い練習帳~イライラ、モヤモヤ、自己否定感がみるみる消えていく~』読後感

ネガティブ感情向き合い練習帳~イライラ、モヤモヤ、自己否定感がみるみる消えていく~ 作者:吉武 大輔 光文社 Amazon 休職生活も1年を超え、「今後は文筆業で生きていく」という、自分自身の中での決意は固まったものの、まだまだココロがスッキリしない…

思わぬ拾い物をしたシリーズ作品 『強制除霊師・斎』シリーズ(全14冊 読んだのはうち13冊)読後感

強制除霊師・斎 1-10巻 新品セット 作者:小林 薫,斎 ぶんか社 Amazon ここのところ、小説やらエッセイやら、新書なんかの「活字」を読むほどの気力が湧かないため、コミックを読み漁っている。読み続けている作品の過去巻を読み返したりもするが、特に最近で…

卓球とは100m走をしながらチェスをするようなスポーツ 『卓球超観戦術 0.3秒間のラリーから戦術を読み解く』読後感

卓球超観戦術 0.3秒間のラリーから戦術を読み解く 作者:松下 浩二 カンゼン Amazon ここのところ、私は↓のサイトで週1回「ツギクルTリーガー」という記事を書かせてもらっている。 tleague.sponity.jp 私には今まで卓球を競技として行った経験はない。せいぜ…

いかなる理由があるにせよ暗殺は肯定できない 『近代日本暗殺史』読後感

近代日本暗殺史 (PHP新書) 作者:筒井 清忠 PHP研究所 Amazon 安倍晋三元総理が銃撃され死亡されてから早一年余り。世界的に見て治安が安定しているとされる日本においては、近来稀に見る大事件ではあったが、狙撃者山上徹也が事件を起こした背景とされる「家…