脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

2023-01-01から1年間の記事一覧

秩序と平安を取り戻した後に街を去る保安官は正統派のトリックスター 『ワーロック』鑑賞

ワーロック [DVD] リチャード・ウィドマーク Amazon リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、アンソニー・クインという当時の三大スター競演という謳い文句が躍る西部劇。1959年の作品だ。 題名の『ワーロック』とは舞台となる街の名前である。この…

生きていれば日本を変えたかもしれない人物の評伝 『夢顔さんによろしく 最後の貴公子・近衛文隆の生涯』読後感

夢顔さんによろしく(上) 最後の貴公子・近衛文隆の生涯 (集英社文庫) 作者:西木正明 集英社 Amazon 夢顔さんによろしく(下) 最後の貴公子・近衛文隆の生涯 (集英社文庫) 作者:西木正明 集英社 Amazon だいぶ前に買って積ん読、それも上下巻別々に本棚に…

イギリス、一度行ってみたくなったなぁ 『夫婦で行く意外とおいしいイギリス』読後感

【カラー版】夫婦で行く意外とおいしいイギリス 夫婦で行く旅シリーズ (集英社文庫) 作者:清水義範 集英社 Amazon 清水義範氏が奥様と共に海外旅行に赴き、その土地土地の、主に食事を紹介する「夫婦で行く旅」シリーズの中の一冊。 今回の旅行先はイギリス…

日本人の文章の「均一性」は没個性の象徴か?それとも基礎教育力の高さか? 『嘘みたいな本当の話』読後感

嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト 作者:内田樹,高橋源一郎,ほしよりこ イースト・プレス Amazon 仏文学者にして武道家でもある内田樹氏と作家高橋源一郎氏のセレクトによる題名通りに「嘘みたいな本当の話」を集めた一冊。…

支離鬱々日記Vol.167(休職日記4とちょっとお題にひっかけ)

今週のお題「マメ」 今週頭、二つの懸案事項に片がついた。 一つは義父の四十九日法要。まあ、これは婿の身としては何もやることがなく、幼い姪っ子ちゃんの面倒を見るという名目で体良く遊びに行っているようなものではあったが。一応、寺の住職が読経して…

支離鬱々日記Vol.166(休職日記3)

休職してから1ヶ月強が過ぎたが、まだ全然休んでいるという気分にはならない。母親の介護問題やら、伯父の相続の問題やらが全然片付いていないし、その他の雑用も一つ片付けるそばから新しいものが二つ湧き出てくるような状態で、常に何かしらに追われてい…

ナルな著者の意外な日常を垣間見た 『ひなびたごちそう』読後感

ひなびたごちそう (ポプラ文庫) 作者:島田雅彦 ポプラ社 Amazon 作家島田雅彦氏の職に関するエッセイ集。朝日新聞の日曜版に掲載されたものを集めた一冊。 島田氏の作品との出会いは私の高校時代。処女作でもあり、芥川賞の候補ともなった「優しいサヨクのた…

現在の音楽シーンの大元を作り上げた人物たちのエピソード集 『「ヒットソング」の作りかた 大滝詠一と日本ポップスの開拓者たち』読後感

「ヒットソング」の作りかた 大滝詠一と日本ポップスの開拓者たち (NHK出版新書) 作者:牧村 憲一 NHK出版 Amazon この駄ブログの読者の皆様には耳タコのお話だが、私は現在終の住処と考えている場所に住んでいる。終の住処と思い定めたことで、少々集めてみ…

超一流フレンチシェフの原点は「ど根性」 『三流シェフ』読後感

三流シェフ (幻冬舎単行本) 作者:三國清三 幻冬舎 Amazon 問題発言で、コメンテーターから現場リポーターに配置転換させられた玉川徹氏が、三國清三シェフ本人にインタビューを行い、その模様をモーニングショー内で放映していたことで、知ったのが標題の一…

町田康氏へのオマージュ 『つるつるの壺』読後感(ついでにチョイとお題にも乗っかってみる)

今週のお題「あったかくなったら」 つるつるの壺 (講談社文庫) 作者:町田康 講談社 Amazon 標題の書は町田康氏が小説家として名が売れ出した頃のエッセイ集であり、いろんな作家の文庫本の巻末に付いている「解説」もいくつか収められてもいる。 この作品集…

ふた昔前くらいのジャパンと外国チームの試合を見ているかのような錯覚を覚えた一戦 全国大学ラグビー選手権決勝(帝京大学vs早稲田大学)観戦記

www.sanspo.com 2022-23シーズンの大学No.1を決める一戦は関東大学ラグビー対抗戦優勝の帝京大学と同3位の早稲田大学との対戦となった。 この両チームは春、夏合宿、そして対抗戦での試合と今シーズン3回対戦して、3回とも帝京が勝利している。春はダブルス…

まだまだ活躍して欲しかった人物 改めてご冥福をお祈りいたします 『強い組織をつくる 上田昭夫のプライド』 読後感

強い組織をつくる 上田昭夫のプライド 作者:大元 よしき 株式会社ウェッジ Amazon 故上田昭夫氏の早すぎる晩年を記したルポルタージュ。 上田氏といえば、低迷していた母校慶應義塾大学を二度に渡って大学日本一(うち一回は社会人チームを破っての日本一も…

これはバックスの視点 『脱・筋トレ思考』読後感

脱・筋トレ思考 作者:平尾剛 ミシマ社 Amazon ラグビー元日本代表にして、現役引退後は合気道などを深く学び、カラダの有効な使い方を研究し続けている平尾剛氏の、トレーニングに関する「哲学」を記した一冊。 平尾氏の解くところは明快だ。筋トレをガンガ…