今の私の心情にぴったりマッチした題名だったので、衝動DLしてしまった一冊。
そうそう、今の私の一番の関心事は「会社を辞めてどう食っていくか?」だ。今の業務はお世辞にもやりがいがあるとは言えないし、仮に我慢してなんとか実績を挙げたとしても、望む未来が手に入らないことは目に見えている。従って、やりがいもあり、望む未来が手に入る可能性も、少なくとも会社生活を送るよりは高い文筆業に手を染めたのだが、残念ながら収入が全然足りない。わずかばかりの退職金と、親の遺産を合わせて、俗にいうところの「老後2000万円」に届くかどうかといったところ。もし今会社を辞めてしまえば、どれだけ節約しても年金支給が開始される65歳までに食いつぶしてしまう可能性が高い。となると、天寿を全うする前にお金がなくて息絶えてしまうなんて未来が現実味を帯びてくる。私一人が飢え死にすることで済めばよいが、最高権力者様まで巻き添え食らわせるわけにはいかない。こうしたことを考え合わせると、軽々に「仕事がいやだから会社辞~めた」とは言えないのだ。
というわけで、標題の書に思いっきりひきつけられてしまった。私の場合、仮に会社を辞めることになったとしても、なんとか年金支給年齢まで、たくわえを切り崩すことなく食いつなぐことができれば逃げ切り成功だ。そのために打つべき手は何か、ということを意識して読み進めた。
この書の対象年齢はおそらく30代半ばから40代半ばくらいの方たちだろう。まだ体力も気力もあって、なんなら起業してもいいくらいの意欲を持った方たちを対象に語られている。で、ごくごく荒っぽくまとめてしまえば、ネットへの発信で名を売り、収益が挙げられる仕組みを作って、運営を他人の手にゆだねよう、というのが主旨。他に手っ取り早く稼ぐ方法として「せどり」も推奨されていた。
残念ながら、この書のやり方は私には適していないと感じた。まず、「せどり」だがネットを通じて不特定多数の人間とお金のやり取りをすることには抵抗がある。金が払われないトラブルに見舞われそうだし、個人情報の流出にもつながりかねないという恐怖がある。ネットへの発信で名を挙げるという行動は現時点でも行ってはいるが、私はあくまでも自分の書く文章で勝負したいと考えており、有益な情報を加工して閲覧者の数を増やして広告収入を上げていくというビジネスモデルにはなじまない。ましてやそれを組織化して他人に動いてもらうなんてのは一番苦手とするところだ。私個人で完結できる作品を世に問い、受け入れてもらって、お金をいただきたいというのが最大の目的であって、お金儲けのために書きたくもないことを書くというのでは、結局今の仕事と同じになってしまう。そして有益な情報を次々と吸い上げられるだけの眼力があれば、今の会社でもっと出世していたはずだ(笑)。
少なくとも私にはこの本に書いているような方法向かないということはわかったし、自分が目指すべき方向も再認識できた。何より、「人生を逃げ切る」とは自分にとってどんな状態を指すのかを改めて考えさせてくれた一冊ではあった。