脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

アタマがいいだけでは渡って行けないのが世間と言うものではあるけれど 『高学歴難民』読後感

 

 

 

私の大学時代、農村の嫁不足が深刻化し、中国から女性を引っ張ってきて、農家の後継者の嫁に据えることが「流行」した時期があった。私は社会学の一分野としてカテゴライズされていた専攻に所属していたので、当時はそうした中国人妻と、日本の農村の旧弊なしきたり、人情といったものとの衝突およびその解消といったムーブメントに大いに興味をそそられていたし、同じ専攻の仲間たちとも話し合ったりもした。そんなある日の雑談時にとある院生の先輩からは苦笑混じりに「いや、農村の嫁不足も深刻ですが、僕ら大学院卒業者の嫁不足だって深刻ですよ。」という言葉が出た。

当時は、「まあ、大学院に進んじゃうと研究が忙しくて、出会いがないんだろうな」くらいにしか思わなかったが、実はもっと現実的な問題が水面下に潜んでいた。実は院卒者はなかなか「食えない」のだ。

よほど優秀でない限り、准教授や教授などの「生活が安定した」職業につくことはできないし、仮にそうした教育者、研究者としての職を得るにしても長い間、ほぼ無給の助教という立場を経なければならない。で、こうした時期はいわゆる「結婚適齢期」と重なる。

学問の場での研究者という立場を諦めたとしても、特に文系の場合、一般企業には院卒であることが逆にネックとなって就職しにくいというのが実情のようだ。たしかに、一般のメーカーなどに文系の引率者が新卒で入ってくる例は非常にまれだ。また、私が就活していた頃某シンクタンクなどは「院卒でないと一人前の仕事は任せてもらえない」などという噂が流れたことがあったし、もちろんそういう職場も存在はするのだろうが、こちらも教授などと同様狭き門だ。

それではと、いままで培ってきた「学力」を活かして学習塾などに就職してみても、今度は「教え方が悪い」という評価を生徒の方から下されてしまう例が増えているそうだ。学習塾は大学院のように、体系的、専門的な知識を身に付けることを目的とするのではなく、受験突破という目的に絞った指導が求められるため、受験突破のテクニックを効率よく教える「プロ」が必要とされるが、いかに地頭はよくても「教える」テクニックを持っていない講師は生徒から否応なくNOを突きつけられるというわけだ。

そんなこんなで、高学歴が足かせとなって、転落人生を歩んだ人の生々しい実話がいくつか紹介されているのが標題の書。

私自身も、一時は単にモラトリアムの時間を伸ばすためだけに大学院進学を考えた時期もあったのだが、「自分は大学院を出て一体何がしたいのだろう?」と考えたときに、何も答えが出てこなかったので、その道は断念した。実際は大学院に進めるような優秀な成績をとっていなかったからだが(笑)。

筆者の阿部恭子氏は主に「加害者家族」のケアに携わってきた人物。本人たちには罪がないにも関わらず、身内に犯罪者がいると言うだけで、社会から爪弾きにされ厳しい生活を強いられ、しかもその状態から脱却する手立てがほとんどないという絶望的な人々だ。「高学歴」という武器があるからいざとなりゃなんとかできるだろうと思われがちな高学歴難民たちも、数が少ないからなかなか社会から注目を浴びることがないと言う点では共通しており、なかなか苦境からの脱却が難しい。

せっかく大学院まで進める賢さがある人材たちなのだから、なんとかその頭脳を活かす工夫はないものだろうか。短兵急に結果だけを求められ、こうした人材たちを自由に研究に打ち込ませなることができない余裕のない社会からは独創的な発見は生まれてこないのではないかと思う。「普通」に生きている人々からは思いもつかないような発想や発明が出てくるのが現代の「文人墨客」たる高学歴な人々の主な役割だ。同じ文化的なことに金を使うのなら万博を開くよりも、こうした「文人墨客」たちを手厚く保護する政策の方がよほど役にたつと思うのだが、いかがだろうか?

 

支離鬱々日記Vol.190(休職日記27 お題と徒然)

今週のお題「最近おいしかったもの」

 

まずはお題を片付けてしまおう。

 

お題とは全く逆の方向性のネタだが、最近の私は消化器系が思いっきりトラブっていて、何を食っても美味くない。一昨日などは、左脇腹下部がシクシク痛み、全く食欲がなかったので固形物をほとんど口にせず1日寝床で過ごすという体たらく。食い物に対しての執着は人後に落ちないと自負しているが、空腹を感じて何かを口にすると、数十分後には吐き気を催すという状態ではまともな食事なんか摂りようがない。

 

原因はおそらく、リベルサスという食欲抑制効果のある薬の副作用、いや、食欲は見事に抑えられているのだから、作用が強すぎたというべきか。おかげで体重は確かに減ったのだが、日常生活にまで支障をきたすようになっては本末転倒もいいところ。主治医に今の状態を有体に述べて、薬剤の量を半数に減らしてもらったが、まだ吐き気等々を引きずっているので、普通の食事を摂るところにまでは回復できていない。特に大の好物だった油ものなんか、考えただけで吐き気がする。ちょっと前の悪友たちとの飲み会でも、次々と追加注文する友人たちを横目に完全なる割り勘負けに甘んじた。年を食ったってことなんだろうな。作用は少々きつすぎたものの、よい方向に向かっているのは事実なので、油ものを避けることは続けていきたい。

 

ここのところ、選手紹介の連載記事こそ書いているが、試合の結果を踏まえた即時性の高い卓球ネタに関してはちょっとご無沙汰している。知識不足を露呈して袋叩きにあってしまったからちょっと手が出しにくいというのもある。五輪代表選手のポイント付与方法とかコロコロ変わっちゃって非常にわかりにくい。いっそのこと、素人丸出しで、そのわかりにくさを糾弾する記事でも書いてやろうか(苦笑)。そんなことをすれば即座に抹殺されかねないのでしばらくはネタを温めておくことにする。ラグビーネタも今のところちょっとネタ枯れ状態。他に手を出せるとすればプロ野球くらいだが、こっちに関しちゃ大抵のネタはもう掘りつくされている状態。自分がかけそうな記事をヤホーとかで見るたびに焦燥感を感じるのだが、ネタがないから書きようがないし、ネタを探している暇があったら、今請け負っている別口の記事を先に書き上げなきゃいかんし、と「忙しい病」が発動してしまう。体調が悪いこともあるので、できることからコツコツとやっていく。結局はそれが一番の早道。

 

ブログも今月はまだこの記事含め3本しかアップできていない。全方向に触手を伸ばしているこのブログですらアップできていないのだから、文筆やら自己啓発に絞った別口の方なんか全くのネタ枯れ。自己啓発に繋がる本はもとより、楽しみのための読書もしてないし、映画も観てないし、ラグビー観戦もしてない。帝京と明治の試合だけは原稿のために観たし、それなりに満足いく原稿が書けたのでよしとしておこう。読書と言えば、Kindle Unlimitedのコミックばかりだし、TVはもっぱら過去のドラマかバラエティーしか観ていない。iPadでゲームやることで時間を浪費する毎日。ココロにもカラダにもいいことのない日々ばかりが積み重なってきている。まずはカラダを動かすことから始めようか。なにしろ何か変えていかないことにはただの引きこもりになってしまう。猶予期間にはまだ余裕があるとはいえ、本物の引きこもりになってしまっては意味がない休養になってしまう。会社に戻るか否かは別にしてQOLを高めることだけは心がけていかねばなるまい。今はあえて努力という言葉を使わず、その日その日、一番快適で、かつ健康的なことを積み上げていくことにする。

 

今回は徒然というよりは自分に対しての公開説教になってしまった。とりあえず、心の中のモノは全部吐き出したので、あとは実践あるのみ。

 

 

 

 

 

今では戦前予想が虚しいものの、前半部分はなかなか役にたつ一冊 『ラグビー質的観戦入門』読後感

 

 

毎度毎度痛感させられる金言、「本は買ったらすぐ読め」を改めて実感させてくれた一冊。

 

本書は、以前紹介した『ラグビー知的観戦のすすめ』の続編とでもいうべき一冊で、2023年のフランスワールドカップ前に上梓された。そうした背景から、後半部分はほぼフランス大会の展望に費やされている。ジャパンが首尾よくプールDを2位通過して、プールCを1位で通過するであろう豪州とエディー・ジョーンズ門下兄弟対決に及ぶと予想しており、豪州との対決の展望までが書かれている。

 

元ジャパン戦士である廣瀬氏の立場で、しかも新書として発行する書物の内容としては、ジャパンが予選敗退するという予想は書きづらかっただろうな、と同情したい。結果は周知の通り、イングランド、アルゼンチンに力負けして2勝2敗の成績で予選敗退という「順当」なものに終わった。残念ながら、イングランド、アルゼンチン両国には付け入る隙がなかった。プールCに関しても、豪州はウエールズ、フィジーに負けて、史上初の予選プール敗退という屈辱の結果に終わった。廣瀬氏の予想は完全に外れたわけだ。

 

でも少なくともジャパンは確実に勝ち星を計算できるチームにはなった。エディー以前は、ランキング上位国に勝つことはおろか、同格のチームに関しても勝手に格下に格付けして、散々「勝てる、勝てる」と煽ったはいいが、実戦したらいいところなく負けという情けない状態を続けてきていたのだ。今回の事前予想では、チリ戦には勝てる、サモアとは五分五分だがなんとか勝てそう、イングランドには勝てない、というのが大方の予想。でこの3チームとの対戦は大方の予想通りの結果となった。アルゼンチンのみ、「エディー以前」と同じく、なんとか「勝ちたい」という希望が日本列島を占拠していたが、いい勝負はしたものの残念ながら「勝機」というべきポイントはついに訪れなかった。いい意味でも悪い意味でも予想がつきやすいチームにまでは成長したのだ。ハイパフォーマンスユニオンという仰々しい名称までいただいたので、次はなんとか8強以上を実現してもらいたい。

 

さて、前半部分はワールドカップなどの大舞台の試合だけでなく「日常」ラグビー観戦の際に、注目するとより深く観戦が楽しめる、というネタが色々と散りばめてある。また、廣瀬氏が常々唱えている「キャプテンシー」の内容についても、かなりわかりやすく解説してくれている。詳細は本文に譲りたいと思うが、一試合を6つの時間帯に分けて考え、各時間帯でのチームの勢いがどうなのか、その勢いはどのようなプレーによってもたらされたのか、をみていく、という視点は大いに参考になった。今後のラグビー観戦ならびに観戦記執筆に活かしていきたいと思う。

 

昨年末に、ジャパン代表HCにエディー・ジョーンズ氏が復帰することが発表された。大学やリーグワンの試合を積極的に視察するなど、早くも次のジャパンをどう作り変えるのかについて考えていることが伺える行動で、大いに期待したい。今まで積み上げてきたジャパンの戦法や戦術を一度全部ぶっ壊すような改革を断行しないことには、次のステージには進めないという局面に差し掛かっていることは事実で、さらに言えば、トップチームは日々進化し続けてもいる。エディー氏の指導の下で「ブライトンの奇跡」再来を望みたい。

 

 

 

支離鬱々日記Vol.189(休職日記26 お題と年頭挨拶)

今週のお題「2024年にやりたいこと」

 

あまり数多くないブロ友の皆様、遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年も暇を見つけて、その時々に感じたことを節操なく書き綴っていく所存でございますので、よろしくお付き合いのほどお願いいたします。

 

年末年始にかけ、プチ同窓会やら、大掃除やら、原稿書きやら、姪っ子ちゃん一家来襲の接待やらに追われて、生活リズムがすっかり狂い、心身ともに調子が上がらず、文字通り何もできない状態が丸一週間続いた。高校ラグビー大学ラグビーたけなわ、リーグワンも世界一流のタレントが参戦して、レベルの高い戦いが見られる状態。卓球もTリーグやら五輪代表選考やら、全日本選手権やらが控えており、スポーツ系のライティングに関してはネタがそこここに転がっているのだが、どうにも気持ちがついていかない。TVerとかAmazonPrimeで昔のドラマを見つけて垂れ流しておき、それに片目を注ぎながらゲームで時間を浪費する日々が続いている。

 

こんなことをしていては文筆活動一本で食うことはおろか、会社への復帰すらおぼつかない。カラダの衰えにも歯止めがかからない。というわけで、松が取れる明日からは気分を一新しようと、ブログを書くことから始めた。おりしも、お題は「2024年にやりたいこと」だ。早速書き連ねてみることにする。

 

1.「社会復帰」

これは必ずしも「会社への復帰」を意味するものではない。一人の大人として、ちゃんと飯が食える状態になんとか復帰したいということだ。文筆業者のハシクレとして飯が食えるようになりたいというのが一番の希望だが、なかなかこの道も険しい。現実的にはなんとか文筆での年収を7桁にまで乗せる、というのが目標となるだろう。2023年の年収は6桁の下の方だったので、かなり厳しめの目標とはなるが、ここをクリアしないことにはその先もない。本読んで、映画見て、ラグビーの試合も山ほど見て、知識の量を増やすとともに、文章の質も上げていかなければならない。ただ、この分野に関しては嫌悪感はないので、努力を重ねることは苦ではない。このことだけが今の望みだ。

 

2.ラグビープレーヤーへの復帰

ここ3年、コロナの影響もあって、クラブチームに全く参加していない。この歳になって3年もブランクがあると、いきなりの復帰では大怪我の恐れがある。下手すれば死んでしまう可能性だって決して低くはない。というわけで、プレーできるカラダに作り直すべく、年明け早々からトレーニングに勤しむ予定だったのだが、気持ちがついていかなかった。今秋からのゲームへの復帰を目指し、トレーニングに励むことにする。カラダを動かすことでテストステロンが分泌され、「やる気」が出てくるという効果もあるそうだから、まずはとにかくジムに行ってしまうことから始めたい

 

3.各種資格試験への合格

具体的に目指しているのは、漢字検定の2級・準1級、メンタルヘルス検定I種、TOEIC900点。これも努力あるのみ。時間があるうちにしっかり勉強して取得してしまいたい。特に英語に関しては、文筆業がダメだった時のセーフティーネットとして、塾講師などを考える際には大きな武器となるはずだ。

 

以上が今年やりたいことだ。あといくつかクリアしたい問題はあるのだが、自分自身の努力だけでなんとかなるもの三つに絞った。あとは日々努力して目標達成を目指すのみ。とりあえず、明日は必ずジムに行きます!!!

 

 

持つべきは自分を客観視する視点 『ネガティブ感情向き合い練習帳~イライラ、モヤモヤ、自己否定感がみるみる消えていく~』読後感

 

休職生活も1年を超え、「今後は文筆業で生きていく」という、自分自身の中での決意は固まったものの、まだまだココロがスッキリしない日々が続いている。特に10月、11月はココロの状態が低調な日々が結構な長さで続いた。

 

そういう状態への一つの対処方法が、私の場合はメンタルヘルス関係の本を読むこと。内容的には大同小異で、結局は自分の責任においてモノゴトに対処していくしかないというのが大まかな結論なのだが、決意をもって行動に踏み切るまでの考え方や細かな方法については、各著者独自のものがあるので、それなりに参考にはなる。

 

この本から得た新しい視点は、「過去の似たような経験の際に感じた感情が、現在の経験の際に浮かび上がってくる」というもの。確かに、例えば交通渋滞などでイラついている時などは、過去渋滞に巻き込まれて痛い目にあった時の不快感などが蘇ってきて、余計にイラつきが増す。目の前の実際の状況よりも、過去の出来事の際の感情に引っ張られて、ココロのエネルギーを空費してしまうのだ。

 

私の場合、ココロのエネルギーの空費が最もひどく起こるのは、母と接触する時だ。母は認知症の初期段階にあり、私の保護者ではなく、私に保護される立場にあるのだが、いまだに「自分は親で、子供を保護し導く立場にある。だから子供は親の言うことには無条件で従うべきだ」という態度で、私の行動、言動に対していちいち説教を垂れたがる。そういう状況そのものにも確かにイラつくのだが、「あの時、母の言葉に従って行動したが、良い結果を産まなかった」とか「こちらの都合に関係なく電話してきて、長々とどうでもいい話を散々聞かされた」などの出来事の際に感じたイラつきを思い出して怒りがどんどん増幅していく。終いには「母親が『安定が第一』という価値観を無理やり刷り込んだせいで、自分は希望した職業に就くことができず、結果として会社の仕事に適応できずにメンタルを病んだ」という半ば八つ当たりのような感情までが浮かんできて、怒りをぶつける結果を招く。で、毎回毎回喧嘩腰になって疲弊するのだ。

 

つらつら考えてみると、母に関することだけでなく、何かを決断する際には常にまず最悪の状態を想定してしまっていた。しかも想定するだけならまだしも、最悪の状態に追い込まれた際の状況だけは細部まで鮮明に想像してしまうので、勝手に身動き取れない状況に自分を置いてしまい、結局はストレスに満ち満ちた日常に甘んじるしかないという状態をずっと続けていたことに改めて気づいた。

 

今は、とにかく、最悪の状態にまで勝手にネガティブ思考を走らせる癖だけはなんとか治そうと努力し、それなりに回避できるようにはなってきた。文筆業に本格的に取り組む決意が固まったのも、この改善のおかげだ。ただし、まだ日常のホンのちょっとした綻びから、悪い方悪い方に考えてしまう考え方から完全に自由になれたわけではない。

 

そんな状況の改善について一つの示唆を与えてくれたのは、この本の「ネガティブ感情が生じそうになったら、まず、その状況の『事実』を客観的に眺めてみること」という考え方だ。

 

例えば、書いた文章が採用されなかった時に「ああ、もうだめだ。俺は文筆業者として失格だ。もう二度と依頼が来ないかもしれない」という感情にとらわれるのではなく、「採用されなかったことによって、自分はショックを受けて落ち込んでいる」という事実を冷静に見つめ直してみるということだ。前者の状態だと、ただ落ち込むだけで何もアクションを起こすことはできないが、後者ならば「なぜ落ちたのだろう?どの部分が悪かったのか?次はどこをどう改善すれば採用されるだろう?」とネガティブ感情に引きずり回されず、「現実」への対処の方にココロが向く。エネルギーを空費せずに有効活用できるというわけだ。

 

今は休職中でストレスが著しく低い状態なので、ちょうどいいトレーニング期間として、冷静さを身につける訓練をしていこうと思う。

 

2023年私的十大ニュース+漢字一文字

今週のお題「書いてよかった2023」

 

毎年この時期恒例のこの企画。例年ならそれこそ12/30とか大みそかとかに書くのだが、今年は少し早めに書いてしまおうと思う。ありがたいことに、年末年始に向け、いろいろと文筆の仕事が入ってきそうだからだ。改めて振り返ってみると、今年もいろいろあった。会社を1年丸々お休みしたことで、会社の仕事から受けるストレスがなかった分だけ、楽に暮らせた一年だったのだとは思う。とはいえ、気持ち的にはまだまだ苦しくもある。

 

10.巨人2年連続のBクラス

国内FAの選手からは嫌われ、外国人選手も総じてハズレ。菅野、坂本に往年の力はなく、中田もケガで離脱した期間が長かった。岡本の本塁打王奪還と、門脇の台頭、戸郷の安定、山崎の1本立ち、などの好材料もあったが、あまりにもマイナス要素が多すぎた結果、2年連続の4位に沈み、原監督は契約任期を1年残して辞任。後任は球史に残る「打てる捕手」だった阿部慎之助。就任早々、トレードを2件成立させ、投手陣の立て直しに着手。現役ドラフトでも阪神の元ドラ1馬場投手を獲得するなど活発に動いている。来年即優勝してくれとは言わないから、一度勝ち始めたら3年間は覇権を渡さないような強力なチームを作り上げて欲しいものだ。

 

9.お題

「今年書いてよかった記事はどれ?」という質問の答えは、「ひたすら好きなモノを100個挙げてみる」というお題について書いた記事。項目一つ一つにいろいろ注釈を加えた結果、1回で100個挙げ切ることなど到底できず、10項目を10回にわたって書いた。リンクするのも面倒臭いので、読みたい方は過去ログを拾ってください(笑)。

 

8.母が終の棲家へ

昨年末に2度目の特殊詐欺に遭い、いよいよ独居させておくことができなくなったため、有料老人ホームに入居させることにした。同居という選択肢もあったのだが、母はこの点だけはガンとして拒否した。コロナ禍のおかげで2度の入居延期というアクシデントはあったが、2月にようやく入居。おそらくは今のホームが彼女の終の棲家となるだろう。一応、ほぼ毎週面会に行ってはいるものの、口だけ達者で、私のやることなすことに一々口をはさんでくるため、ほぼ毎回口喧嘩となり、疲労感だけが残る。同居してたらおそらく殺し合いになっていたと思うので、良い選択だったという気がしている(笑)。

 

7.祖母の遺産整理ゴタつく

祖母の遺産である土地の相続をめぐり、結構ゴタついた。一応、その土地に家を建てて住んでいた一家の長男、私にとっては従弟が相続人となり、司法書士などにも依頼して話を進めていたのだが、その長男の二人いる姉のうちの一人は分配の割合について文句を言い始めたし、もう一人の姉は司法書士の話の進め方にいろいろと思うところがあったようでひと悶着起こし、ついにはその長男が私に泣きついてきた。直接会って顔を見て話さないといろいろと齟齬が生じるという貴重な見識をいただいた出来事だった。その後、分配割合等々の問題も解決して、少しづつお話は前に進んでいるようだ。ただ、菩提寺が火事を起こし、かなりのダメージを負ったため、その回復の費用でまたふんだくられることが予想され、そうなると、遺産から墓仕舞の費用などをねん出しようとしていたために、また取り分云々の問題が出てくることが予想され…、しばらく頭が痛い。

 

6.三度の新潟訪問

最高権力者様のご用事で、三度ほど新潟に泊まりがけで出かけた。定番訪問スポットである「いっぺこ〜と」には当然全回訪問。豊富な野菜、特に訪問時期が旬だった枝豆やとうもろこしをしっかりと買い求め、堪能した。1回は少し骨休めも兼ねてゆっくり静養しようと、ちょっと値の張る「湯あそび宿 曙」に宿泊し、温泉と新潟米を満喫した。来年の3月にも訪問予定だが、まだ雪が残っているかもしれないので、どの交通手段で行くか、検討中。日本海側の地域は長く住みたいとは思わないが、たまに行って、いいところだけつまみ食いしてくるくらいがちょうどいい。

 

5.姪っ子ちゃんの成長

早いもので、もう3歳半。去年は保育園のお遊戯発表会の舞台上で大泣きして、お遊戯もへったくれもない状態だったが、今年はややぎこちない動きながらきちんと最後まで踊りきって、バカ叔父ちゃんと叔母ちゃんを感涙にむせばすという成長ぶりを見せた。だんだんはっきりと言葉も出るようになってきたし、ちゃんと意味の通じる使い方もできるようになってきた。まだまだ無邪気にじゃれついてきてくれるが、いつまでバカ叔父ちゃんを相手にしてくれることやら。そろそろ可愛い可愛いとばかり言っていればいい年齢でもなくなるので、今後の付き合い方を検討中。とはいえ、抱っこなんぞせがまれた日にゃ有頂天になっちまっていつまでも抱きしめていたくなるバカ叔父ちゃんなのであった。

 

4.最高権力者様手術

秋口に、一週間ほど入院して、脳の血管の手術を受けた。そもそものきっかけは、春頃ひどい頭痛に襲われたこと。医者に診察を受けたら、その頭痛自体は緊張性頭痛というやつでいわゆる筋肉痛みたいなものだったのだが、念のためにCTを撮ってみたら動脈瘤ができていたのだ。大して大きい瘤でもなく、緊急性もあまり高くはないという診断だったのだが、それでも破裂の可能性は残るということで、私が手術をお勧めした。私の明日だってどうなるかわからないのだから、生活の中の不安要素はできるだけ消しておきたいと判断したためだ。手術は無事成功し、瘤にコイルを埋め込んだままだが、最高権力者様は現世に復帰した。特に術後問題が残ることなく、支障なく日常生活をお送りになっている。もうそういう歳になってしまったんだな、ということを改めて感じた一件だった。

 

3.ラグビーワールドカップ南アフリカ2連覇で幕を閉じる

9月の頭から10月の終わりにかけて、4年に一度のラグビーの祭典、ワールドカップが開催され、南アフリカが2019年日本大会に続いて2連覇を果たし、通算優勝回数を世界最多の4回に伸ばした。南アフリカのフィジカルの強さとそれに起因した守備力の堅さ、キックの正確性などには大いに感銘を受けたものの、トライの取り合いこそがラグビーの醍醐味であるという思いを持つ私にとっては、今後のラグビーというスポーツの方向性に少し不安を持たされる結果だった。我がジャパンは2勝2敗で予選プール敗退。優勝を目指し、最低でも8強以上という目標は果たせなかった。ただし、「エディー以降」のジャパンは勝てる相手には必ず勝つという確実性を持つチームには成長した。つい最近、件のエディー氏がジャパンのHCに再任されるというニュースが飛び込んできた。期待も不安も両方ともあるが、まずはエディー氏が作り上げる新しいジャパンを虚心坦懐に観てみたいと思う。

 

2文筆活動が軌道に乗り始めた?

昨年の春頃、自分の中では「文筆一本で食っていく。そのための努力を最優先とする。会社の仕事なんざ二の次三の次」という決意を固め、いろんなサイトの求人募集に応募したり、ソーシャルアウトソーシングのサイトに登録したり、テストライティングに挑戦したりしていた。しかしながら、現実の壁は高く、厚く、採用されない案件ばかりが増えていった。ようやくなんとか定期的な仕事が入り始めたのが、昨年末から、今年頭にかけて。で、その仕事自体は春までに消えてしまったのだが、その仕事で実績を摘んだことが評価されて、卓球のサイトの連載が決まり、ソーシャルアウトソーシングの方でも単価の高い仕事が入り始め、ラグビー記事も復活し、とそれなりにライター稼業が回り始めたのだ。今年の収入は6桁と、まだまだ筆一本で食えるほどのものにはなっていないが、何より実践の場が増え、続いていることが大きい。とにかく量をこなして、文章の質を上げ、名を売って仕事を引っ張ってくるしかない。幸いなことに単価の高い案件はしばらく続きそうなので、この仕事を続けている間に安定した執筆先を確保してしまいたい。そして基盤ができたところで、自分の本当に書きたいことにも挑戦していく。会社の仕事なんぞやってる場合じゃねーわ(笑)。

 

1.まさかのラジオ生出演

私は早朝から起きて、文筆の仕事をしたり、ブログを書いたり、資格試験の勉強をしたりという、いわゆる知的作業に励んでいる。その際にBGM代わりに聴いているのが、地元のFM局のラジオ番組。この番組は毎朝、ちょっとしたテーマを出して、そのテーマに対して興味深いメッセージを送ってきた人物に生電話をするというコーナーがある。とある日、たまたまテーマを聞いたらラグビーに関するものだったので、「今ジジイチームでラグビーやってますよ(ここ数年さサボってるけど 笑)」という内容のメッセージを初投稿として送ってみた。で、そのコーナーを待ってて、いざ電話となったら、ラジオのコール音と、スマホのバイブが連動し始めた。「えっ?えっ?まさか」と思いながら電話に出てみると、思いっきりDJ氏の挨拶が聞こえた。というわけで5分弱DJ氏とラグビー談義。普段聴いている分には全く意識していなかったが、いざ自分が電話に出てしまうと、手は震えてるし、言ってることはほとんど覚えていないしで、いわゆる、「思いっきりアガッた」状態で出演を終えた。地元でのマスコミデビューである(笑)。このラジオ番組にはその後も何度かメッセージを送り、週に1回くらいの割合で読んでもらっている。遅ればせながらの「ハガキ職人」デビューも果たしたことになる。地元に帰ってきて一番の出来事だった。

 

今年を表す一文字の漢字は「転」だ。会社の仕事は休んでいる状態だが、私の中ではさまざまな転機が起こり、概ね自分の思う方向に転がってきている。来年はこの転がりをもっと大きなムーブメントにし、新しい生活を始められるようにしたいと思う。

 

思わぬ拾い物をしたシリーズ作品 『強制除霊師・斎』シリーズ(全14冊 読んだのはうち13冊)読後感

 

 

ここのところ、小説やらエッセイやら、新書なんかの「活字」を読むほどの気力が湧かないため、コミックを読み漁っている。読み続けている作品の過去巻を読み返したりもするが、特に最近ではKindle Unlimitedで適当なワードで検索をかけ、第一印象で面白そうだと感じたものを片っ端から読んでいる状態だ。

 

そんな渉猟生活の中でちょいと目に止まったのが標題のシリーズ。全14巻のうち、13巻までがKindle Unlimitedにラインアップされていたので、13巻まで読み切った。

 

私には「霊感」というものは全くない。度を越したネガティブ思考に陥りがちな脳みそのクセがあるために、暗闇や墓場、廃墟などに勝手に増幅した恐怖を感じることはあっても、実際に霊やら妖怪やらの存在を感じたことはないし、被害に遭ったこともない。実はいろんな被害を受けているのかもしれないが、何しろ「霊感」がないのだから、そうした不可思議な存在がもたらした障害なのか判断のしようがないのだ(苦笑)。

 

でも、昔からいわゆる「合理的な判断」だけでは説明のつかない怪奇現象は数多存在しており、そんな怪奇現象のおかげで、怪しげな霊能者たちが跳梁跋扈してきた。霊感商法などはその最たるもので、霊などの障害以上に深刻な経済的打撃を与えたりしてきた。おかげで、現実的なことに関しては超ネガティブ思考が働く私は、霊感商法には一切近づかないという自衛策をとってくることが出来たとも言えるのだが。

 

さて、標題のシリーズは霊的な存在を強制的に排除できる実力を持った霊能者・斎(いつき)氏の実際の除霊を記した作品集である。斎氏の活躍を拝見する限り、世の中には得体のしれない存在がウヨウヨしていてさまざまな障害を人間にもたらしているらしい。単独の霊が個人に祟る場合もあれば、「悪い気」がたまりやすい場所に住んでいる家族全体に害を及ぼす場合もあるようだ。斎氏は、全ての事例で的確な判断を下し、障害を取り除いていく。小林薫氏のトゲのない画風と、キャラ設定で全編にコミカルさが伴って、おどろおどろしさのようなものがなく、夜中に読んでいても恐怖で眠れないなどの障害はなかった。

 

このシリーズの中では思わぬ貰い物をした。俗に「霊に取り憑かれやすい体質の人」などというが確かにそういう人はいるらしい。だがそれよりも大切なのは日頃の心の持ち様だそうだ。恨みや怒りなどに囚われていると、悪質な霊が取り憑きやすいのだとのこと。このへんのお話を読んだ時、私には思い当たる節が思いっ切りあった。

 

鬱による休職が1年になろうとする今現在の状況は、理不尽な左遷人事を喰らわせた会社への恨み、腐り脳筋弱り毛根バカへの怒り、過干渉な母への苛立ち、同僚や上司から受けた冷たい仕打ちへの絶望感、遡れば小学校時代に受けたいじめへの悲しみなどに囚われた状態に他ならない。忘れようとしても忘れられないこうした思いにがんじがらめにされているのだ。

 

悪い霊が憑いているかいないかは別にして、こんな状態では、気持ちが晴れるはずもなく、元気も湧いてこないのは事実だ。エンターテインメント性以外にこのシリーズはこんな気づきをくれた。

 

ちなみに悪霊が取り憑きにくい状況というのは、何かに没頭している状態だとも書かれていた。私の場合は、書くことに集中していれば、気持ちが盛り上がり、変な考えに囚われることもないということではないか!!!

 

まさに拾い物。こういう気づきをくれるような巡り合わせになったことも、何か人智を超えた存在がもたらしたものなのではないかという、都合の良い解釈をしておくことにする。

 

斎氏は残念なことに、乳がんを罹患し、すでにこの世を去っておられた。その辺の経緯は↓のコミックに詳しいのでご参考まで。

 

 

ご存命であれば、ぜひ一度霊視していただきたかったと思った。合掌。