脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

自分を気分良く動かすためのテクニック解説書 『しんどい心がラクになる ココロちゃんの取り扱い説明書(トリセツ)』読後感

 

 

昨日金曜日に、ようやく、ここ数ヶ月の懸案事項であった資料の作成と送付が終了した。ローデータは年初には揃っていたので、速さが尊ばれる「会社のお仕事」としては懲戒処分ものの遅い仕上がりではあったのだが、資料の前提条件が三度も変わるという「激変期」があったためか、「変化を反映させるために完成が非常に遅れてしまい、申し訳ありませんでした」という私の謝罪はストンと受け入れられ、むしろ感謝までされた。提出先もその変化に対応しようと思ったら、相当な手間がかかることを、この資料以外の業務の経験で理解してくれていたのだ。

 

ホッとした反面、ちょっと意外な気もした。遅れを大事として色々言ってくると予想していたからだ。この予想にひきづられて、特にここ数日憂鬱な気分になっていて損した気分だ(笑)。

 

私の場合は、この「根拠のないネガティブ予想」で標題の書でいうところの「ココロちゃん」を疲弊させてしまうことが多いようだ。軽度の疲弊なら会社を休んで一日好きなことをやっていれば回復するが、重い疲れを感じたらココロちゃんは仮死状態(うつ発症して長期の休職など)になってしまったりする。

 

また私のココロちゃんは非常にプライドが高く、自分が軽んじられたと感じると、怒りを沸騰させる。しかもその怒りを持続させやすいし、再発もさせやすいので、ここで浪費させられるエネルギーもバカにならない。でエネルギーの浪費が蓄積していくと先にも書いた「仮死状態」が発生する。悩んでいたり、怒っていたりしても、現実は変わらないのだから無意味であるとはわかっているのだが、ついついこうした負の感情に囚われてしまうのがココロちゃんなのだ。

 

標題の書は、この取り扱いが難しいココロちゃんを上手く転がしていくためのテクニックが44通り紹介されている。程度の差はあれ、誰にとってもココロちゃんは誇り高く、傷つきやすく、ワガママな存在だ。意志の力で一旦は抑え込むことができても、どこかでその鬱積が爆発してしまう可能性は常に抱えている。俗に「公務員は定年を過ぎるとコロッと亡くなってしまうか、認知症になる確率が高い」などというが、これなどは制度や法律と現実との間で苦しみ続けたココロちゃんの反乱そのものではないかと思う。「風邪は万病の元」などともいう。ココロちゃんが「風邪ひいたかな?」くらいの軽い不快感を感じているうちにしっかりとケアしておくこと、またそもそも風邪をひかないように予防策を講じておくことが実は最も重要なオハナシだというのがこの書の根本思想だ。

 

テクニカルな内容については是非とも本文をお読みいただきたい。何か一つくらいは自分に合った方法が出てくるだろうし、内容を参考に自分で方法を編み出しても良い。ココロちゃんが「快適」だとはどういう状態か、ココロちゃんを傷つける「内なる自分」はどんな攻撃をしてくるか、を把握するだけでも、ココロちゃんをケアする上では大いに役立つ。「勝利の方程式」ではないが、「こうすれば高い確率でココロちゃんが機嫌を直す」という方法までが確立できればしめたもの。この方法まで試してダメだったら医者に行くしかない、なんてなことの目安にもなる。

 

人間誰しも「自分が一番可愛い」という気持ちをその根底には持っている。そして、自分のことを一番可愛がれるのもまた自分自身だ。しかしながら、その具体的・効果的方法までを掴んでいる人間はあまり多くない。精々が酒を飲むとかカラオケを歌う程度のお話だろうが、ココロちゃんには良くてもカラダにはあまりよろしくないし、刹那的な憂さ晴らしにはなっても長期的なケアにはつながらない。一発逆転の必殺技よりも毎日コツコツとケアしていくことが肝要。何しろケアが一番影響してくるのは自分自身なのだ。