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サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

日常生活の予習復習に手帳を使おう『「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル』読後感

 

「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル

「箇条書き手帳」でうまくいく はじめてのバレットジャーナル

  • 作者:Marie
  • 発売日: 2017/10/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 コロナ禍がひきおこした緊急事態宣言の発令とそれに関連した外出自粛要請は先ごろようやく解除されたが、それでもまだまだ「お家時間」が長くなる期間は続きそうだ。

 

会社に行かなくて済む日常は非常に快適ではあるのだが、一つだけ困ったことが「やる気の喚起と持続」だ。以前読んだ本によれば「やる気」は何かをやり始めないと出たこないという。会社という「場」に行くことで自然とある種の緊張感が生じ、それがきっかけとなって作業を始め、そしてそれがいつの間にかやる気に繋がって行く、という行動様式のモデルが思いっきり崩れてしまったのだ。現在のところ、取り立てて納期の設定された業務のない私にとっては、「気合いの入れようがない」という状態が出来しているのだ。

また、以前読んだ別の本では「やったことより、やらなかったことによってより強度な疲れが生じる」という旨の記述があった。「やらなかった」ことを悔やむことに代表される、様々なネガティブ感情が疲れを引き起こし、深刻化させるという記述は、今までの私自身の経験と照らし合わせてもすんなりと納得の行くことだった。「やらねばならぬ」ことをしっかりやりきった後は疲労感はあっても「スッキリ感」の方が優っていて深刻化(私の場合はうつ症状につながる)することもなかったし、やれないことの方が多かった日は、翌日以降の仕事の「負債」を考えて、余計に疲れが増したものだ。

こうした状況を打破したいと考えて、様々な方法を試して来たのだが、その中でも「手帳」の活用については何度も挑戦し、失敗し続けて来た。

現在私が使用しているのはA5サイズの革製システム手帳で、日頃持ち歩くアイテムとしてはもっとも大きく、また重いものだ。しかしながら中身はスッカスカ。今のところは中途半端なウエイト器具程度の効果しか生んでいない。なんとか中身を充実させなければいけないと思い悩むことで、疲労感の解消どころか、増大に寄与する方が大という、笑えない状態だった。

そんな時、Kindleのオススメ本コーナーで見かけたのが標題の書。衝動DLして一気読み。結論から言ってしまうと、なかなか良さそうな方法論が展開されていたので、早速今週の週明けから実践している。

紹介されている方法とはバレットジャーナル(Bullet Journal)というもので、一昨年あたりから流行している方法だそうである。荒っぽく言ってしまえば、やることの箇条書きリスト日誌となろうか。バレットとは弾丸の意で、箇条書き項目の頭につける「・」のこと。ジャーナルは日誌だ。

 

どんなものでもいいからノートを用意し、日付を入れて、やることの頭「・」をつけて箇条書きして行く。思いついたらすぐに書き加えていく。そして完了したものの「・」の上には×をつける、先延ばしになったものには<をつけるなどして、やることの進捗状況を可視化することを毎日続けて行く、というのがこの方法の骨子である。

 

細かいテクニックについては是非とも本文を当たっていただきたいし、流行の方法論だけあって、ネット検索をすれば、山のように関連記事がヒットしたりもする。

 

私の心象に一番ヒットし、フィットしたのが、紙に無駄な空きスペースを作らず、前日の終わりのすぐ後に、今日のぶんを書き足していけば良い、とする記述だ。今まで私はスケジュールやら、TODOリストなんかが一体化した1日1シートのフォーマットを使用して来たのだが、これだとどうしても空きスペースが多くなり、行動云々の前に「紙を無駄にしてしまった」というストレスが生じてしまっていた。これが消えることだけで、実施へのハードルはグンと下がった。なお、この「紙を無駄にしてしまった」というストレスについてはオタキングこと岡田斗司夫氏がその著作の中で「1ページに割り返せばたかだか数円程度のものを惜しむほど、自分の人生の時間というのは安いものなのか」という問いかけを自分に発することで解消できると述べていて、この説にも一理ある、と感じてもいるのだが、どうしてもしみったれた心情から脱することができなかったのだ。

 

1日の始めに行動を書き出して確認し、そして終わりにはその達成、未達成を確認する…、小学校や中学校で散々言われた「予習、復習」の手法そのものである。私は幸か不幸か、小学校、中学校のレベルでは予習復習なしで学習内容が理解できていたので、それが習慣化しなかったのだ。おかげで高校以降はかなり学習に苦戦したし、50を過ぎた今になって、習慣としての重要性を再認識させられた。「親の意見と冷酒」ならぬ「教師の指導とリモート飲み会の缶チューハイ」とでも言おうか。今更ながらに身にしみているところだ。ただ見返すだけではなく、定期的にデータを集計すれば、どんなことに時間がかかっているか、実施したいのにできていないことは何か、などをあぶり出すこともできる。

さて、ひねくれ者の私としては、本に書いてあるとおり、そのまんまをやることには抵抗があるので、自分なりのアレンジを二つほど加えてみた。とはいえ、この方法もどこかからの受け売りではあるのだが…(苦笑)。

まずは、用件の種類による色分け。業務は青、プライベートは緑、健康と緊急性の高いものは赤、どれにも属さない、あるいは所属不明のものは黒を使って項目を書き出す。この本の著者は、いちいち筆記具を用意することがストレスとなり行動の妨げになるとも書いているので、どちらがいいかは個々人の判断による。とにかく始めなければ意味がないからだ。

 

もう一つは1日の終わりにつける4行日記。その日いちにちの行動から、事実、発見、教訓、宣言を書き記すというアクションだ。例としては

 

事実:オンラインのTOEICを初めて受験
発見:書き取りを重点的にやった成果かリスニングの点数が30点アップした

教訓:努力は裏切らない

宣言:次回の受験(7月)で850点突破

 

こんな感じだ。別に堅苦しく考えることなく、感じたことをそのまま書けば良い。この習慣に関しては断続的に3年ほど実施しているが、過去の記述を読み返すと、意外な発見があったり、やらねばならぬと3年前にも思っていたことがまだ実行できていないことを確認できたり、となかなか興味深い。

 

文中にも書いた通り、こういうものは実行あるのみ。まず一定期間やってみて、合わないと思ったらやめれば良い。何しろ最初の一歩を踏み出さないことにな何も始まらないのである。