脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

支離鬱々日記53

世は「お盆明け」。長期の夏休みを取らなかったことに加え、在宅勤務を続けているせいか、例年に比べて「また日常が始まる」という緊張感も憂鬱感も私自身にはないが、本格的に仕事に復帰した方も多いだろう。命の危険にさらされるほどの猛烈な高温が各地で観測されているが、この暑さでも死に絶えないコロナウイルスが、秋冬に向けて何度目かの猛威を振るいそうで、例年とは違う憂鬱さを感じざるを得ない。世界各国でも感染拡大が収まらない。事実上「2020東京オリンピック」は消滅したと言わざるを得ないだろう。経済云々ももちろん大切だし、準備にかけたコストが丸損になってしまうのは日本国民として残念な限りだが、ウイルスの勢いを止めないことには「普通」の国際的な往来すら制限されてしまうのだから、世界各地から多種多様な人々が集結するようなイベントなんぞ、もってのほかとしか言いようがない。せっかく女子の七人制ラグビーの決勝チケット当選してたんだけどなぁ…。

 

上述の通り、長期の夏休みは取らなかったが、8/17(月)に1日だけ休みを取って、久しぶりに郊外のアウトレットモールに買い物に出かけた。そのものずばりのお盆を外したし、コロナの影響もあったしで来客数は休日の訪問時の半分以下。ソーシャルディスタンスを保ったまま、非常に快適に買い物ができた。店に入るために手を消毒しなければならなかったため、手の皮膚がカサカサになってはしまったが(苦笑)。

 

7月からスーパー、コンビニでレジ袋が有料化されたが、アウトレットのショップにもその有料化の波は押し寄せていた。とはいえ、レジ袋が有料と言われた店は半数ほどで、ビニール製をやめて紙製の袋に入れてくれる店もあった。通信販売で買っておいたエコバッグを持参していたので、余分な金は使わずに済んだ。

 

ビニール製レジ袋が有料化されるのは世の流れとしては仕方のないところだろう。ニュース番組でインドネシアの海中にクラゲのように乱舞するビニール袋の大群の映像を見せられて、ゾッとして以来、私はレジ袋削減賛成派である。通勤用のカバンにはやや大きすぎるくらいのエコバッグを常に入れているし、コンビニでの買い物の際には家にあったレジ袋を繰り返し使用することにしている。エコバッグ万引きなどの「副作用」はあるものの、このムーヴメントが生活様式の一つとして「定着」していくことを願いたい。

 

ただしひねくれ者の私としては二つの点でちょこっとツッコミを入れておきたい。

 

一つは、買い手の利便性の低下と、売り手の経費削減という非常に難しい課題に「環境問題の解決策の一つ」というお墨付きを与えてしまったことである。今後、このお墨付きの範囲が変な方向に拡大解釈されていかないよう、注意深く見続けていくことは必要だ。そのうちビニール製のものは全て×で、商品は全て油紙にでも包んで渡されるなどという事態が出来するのかもしれない。もっと進んで、CO2排出削減のため、自動車での来店はまかりならぬ(企業にとっては駐車場を用意しなくて済むという利点あり)などということにもなりかねない。

 

もう一つは、今までビニール製の袋を作ることで生計をててていた人々への打撃である。以前の仕事で、ビニール製のレジ袋を専門に製造、販売している企業と取引する機会があったのだが、あの企業は今頃どのような策で生き残ろうとしているのだろうか?政治や経済、大衆の意識の変化によって、一つの制度が崩れる際には、その陰で泣く人々が、必ず一定数存在する。

しかもそうした人々は大抵マイノリティーで、世間の多数派の声に押されて反論もできないという状態に置かれているのだ。「そういう苦難を乗り越えるのが企業経営というもの」というド正論はあるにせよ、そうそう簡単に変化できないというのが実情だろう。今はコロナのドタバタで、とてもそんな一部分にかか煩っている状況にない、というのは言い訳に過ぎない。こういう時こそ、危機的状況にある人々に即効性のある対策を講じるのが行政の役割だろうと思うのだが、トップにいる方の今の最大の関心事は自身の健康問題だろう。個人的には同情申し上げるが、だからと言って先延ばしにして良い問題でもない。権限移譲でもなんでもして、しっかりコトに当たれる人物きちんと対応させるよう手を打つくらいはして欲しいものだ。