ロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマン、という主役級の俳優三名をフィーチャーしたのが標題の一作。1982年に製作された『The Comeback Trail』という作品のリメイク作。
ロバート・デ・ニーロの役柄は映画プロデューサー、マックス。彼はレジー(モーガン・フリーマン)という映画好きのマフィアから金を借りて『尼僧は殺し屋』という作品を製作するが、カソリック信者たちからの猛反発を食って、映画館の前で上映中止を求めるデモまで起こるという体たらくで、興行収入はほとんどゼロ。
とはいえ、そんな事情を斟酌しないのがマフィア、レジーのマフィアたる所以。とにかく「借りたカネは返せ。さもなきゃ、保険金かけて殺すぞゴルァー!!」とばかりマックスに追い込みをかけてくる。
困り果てたマックスは映画プロデューサーとしては弟子にあたるも、現在のハリウッドでは羽振りの良いジェームズに金を借りようとするが、ジェームズは首を縦にはふらず、マックスが長年温めてきた傑作『パラダイス』の脚本を売り渡すことを提案してくる。製作者の意地としてこれだけは譲れないと頑張るマックスだったが、マフィアのプレッシャーと甥でもあり、制作会社の共同経営者であるウォルターの説得にも負けて、泣く泣く脚本を売り渡すことを決意。
上機嫌のジェームズは、自分が現在製作しているアクション映画の現場にマックスとウォルターを招待するが、撮影の最中に、主役の俳優が転落死してしまう。しかし、保険をかけていたジェームズには大金が転がり込む。いわゆる焼け太りという状態を見たマックスが思いついたのは、俳優に保険金をかけ、撮影時の事故で死なせてしまうことで保険金を得、レジーへの借金を返すとともに『パラダイス』を製作するための資金とすること。
というわけで、殺されるために主役に起用されるのは往年の西部劇のヒーローでありながら、現在は落ちぶれ果てているデューク(トミー・リー・ジョーンズ)。
ここからが、ドタバタコメディーの本番。マックスはあの手この手で事故を「演出」するのだが、デュークはことごとくその仕掛けを掻い潜り、生還を果たしてしまう上に、却ってその迫真のシーンが映画に予想もし得なかった迫力を与えていく、という筋立ては、俳優に保険金をかけるという展開になった時点で薄々見当がついた。あとは、この筋立てをどう面白く演出していくか、が勝負になるのだが、この作品概ね全てのシーン面白かったように思う。企てがことごとく失敗して、仕掛け人たるマックスに思いっきり跳ね返ってくるという展開はベタだが、ハマれば強力だ。この辺のシーンに関しては下手にストーリーを説明するよりは実際に観ていただくしかない。
最後のちょっとした人情噺的なハッピーエンドシーンまで含めて、良い仕上がりであったように思う。この作品には流石にバッドエンドは似合わない。メイン三人のギャラが莫大で、セットその他にはあまりカネがかけられなかったんだろうな、っていう画面の貧弱さが少々残念だったが、マックスのしみったれた感じを出すための演出の一環だったと好意的に解釈しておく。