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サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

支離鬱々日記116(中田翔の移籍について考える)

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正直、この一件には驚いた。選手に「紳士たれ」を求める巨人にとっては、金髪髭ヅラで金のアクセサリーをチャラチャラさせてる中田は最も忌み嫌うべき外見を備えた存在。なおかつ、直前に同僚選手への暴行事件ですったもんだして、無期限の謹慎処分を受けたばかり。入団前から、「私はコンプライアンス違反を犯しました」ってプラカードを掲げた人物を、良くもまあ獲得したな、ってのがその次の率直な感情。

 

問題行動さえなければ、中田は今の巨人に欠けているピースにズバリ当てはまる。長打力があり、打点の稼げる一塁手または左翼手であるからだ。家庭の問題とやらでスモークが抜けちまった後、固定できていない五番打者としてはまさにうってつけ。ただし、繰り返しになるが、素行面に問題がなければというお話。

 

巨人は球界随一の規律の厳しさで知られているし、ハムではお山の大将だった中田にモノ申せる指導者、同僚選手も多数いる。野球の実績で中田を凌駕しているプレーヤーも少なからずいるし、抑えのきくベテランも多い。再教育の場としてはこの上ない環境だとは思う。

 

ただし、ちゃんと例外もいる。引用文のタイトルにも名が出ている清原氏はスキンヘッドに金のピアスで試合に出場し、個人でのキャリア晩年の指導者であった堀内恒夫氏には堂々と反抗していた。そうした姿が周りに与えた悪影響は、素直にチームの成績に反映し、2年ほど低迷が続いたと記憶している。

 

清原氏の場合は、自分から恋焦がれて巨人入りを熱望し、球団側もその熱意に応えて獲得したということもあったし、ドラフト指名時のゴタゴタもあったし、周りにモノ申せる人もいなかったという条件が重なった上でのことなので、今回の中田選手のケースとはかなり状況が違うが、両者ともに「野球に対しては純粋」、「親分肌で慕ってくる後輩を可愛がる」という点は共通している。引用記事の筆者も、多くの巨人ファンも「清原化」への恐怖は否定し得ないだろう。

 

そうした不安を払拭させるには「野球に対しては純粋」の部分を全面に押し出していく他なかろう。繁華街に後輩を連れ回す暇があったらバットを振る時間に充てる。誰よりも早く練習に顔を出す、など。まずは日常生活で浮ついたような姿勢を見せないこと。ただし、中田ほどの選手であれば、実績も残す必要がある。まあ、そもそも実績のある選手なのだから、真摯に野球に向き合って、それこそ寝食を忘れるくらいまで打ち込めば自ずとついてくるだろうと勝手に期待はしている。

 

移籍そのものにも賛否両論あろうし、移籍と同時に謹慎処分もとけてしまったことや、日本ハムの選手としてきちんと謝罪する場を持たなかったことに関しては、私も釈然とはしていない。高給取りの問題児を放出したかった日本ハムと、阪神追撃に向けての起爆剤が欲しかった巨人の思惑が一致したことで、お互いに都合の良い強引な解釈(新天地に来たら過去の罪科はご破算、被害選手とも口頭レベルではあるが和解が成立)で横車を通したという感はどうしても否めない。アンチ巨人の皆様からは「読売ファイターズ」と揶揄されているが、その印象もより一層強まった。中田の一軍昇格によって、売り出し中の北村が一軍から弾き出されてもしまった。

 

こうした、全てのネガティブな要素を勘案しても、「中田を獲ってよかった」とファンを納得させるためには、1に実績2に実績、3、4がなくて5に品行方正な私生活ということになろうか。今年のシーズン中は、球場や練習場にいく以外は宿舎を出ないくらいの覚悟を持って努力する姿と、その努力に裏打ちされたグラウンド上での活躍を見せて欲しいものだ。