オフィシャルサイトをリンクしたら、いきなり公演場所が東京グローブ座になってたけど、前回(2019年夏)からは銀座の博品館劇場になったじゃねーかよ。情報アップデートしとけよな、とか書くと演者の皆さんのSNSで毒を吐かれそうなので、紹介するのみにとどめておく。ただし、大きく羽根を広げたハシビロコウの威嚇ポーズだけは残しておくとしよう。
というわけで、もはや観劇から1ヶ月も経ってしまったが、以前は必ず鑑賞記を書いていたよなぁ、と突如思いついたのとちょうどブログネタが切れたところだったので、鑑賞記を書いておく事にする。
博品館劇場の写真を2枚ほど。
私が友人と共に鑑賞したのは4/24(月)の回。千秋楽は関根座長をはじめ団員の方々が大暴れすることが多く、それゆえ競争率が高い。また以前の公演で初日を鑑賞したことがあったが、初日の公演はまだチームとしてこなれておらず、緊張感が目についたこともあったので、演者の肩の力が抜け、かつ比較的競争率が低いこの日の公演のチケットをゲット。
当日の物販コーナーでは初期カンコンキンの人気者山中伊知郎氏が自著の手売りに余念がなかった。
まあ、何しろ3年半ぶりだ。座長がその分歳食ってキレがなかったらどうしよう?とか心配しながら鑑賞開始。オープニング後の小休止コーナーで「森です」が復活したのは嬉しかった。
今回はタイトルにした、最近いろんな番組に引っ張りだこの飯尾和樹氏を最大限に活かすのかと思ったら、以前のカンコンキンよりも出番が減ったような気がする。稽古の時間が取れないんだろうな、と少々残念。天野ひろゆき氏が無理矢理モノボケを振る名物コーナーはそれなりの尺を取っていたが、それ以外に目立った場面はなし。
この日の舞台に限っては相方のやす氏の方が目立っていた。天野ひろゆき、井川修司両氏が徹底的にツッコミまくる記者会見ネタはここ数年の定番だが、このある種のいじめに近いようなツッコミコントは往年のコント55号を彷彿とさせる。浅井企画の伝統芸と言って良いだろう。
訓示を垂れようとした校長先生がいきなり倒れて、介抱にきたウド先生が、倒れた校長先生の体をいじくり回し倒すネタ、前回までは作家の有川氏が校長先生役だったが、今回からは岩井ジョニ男氏に代わっていた。このネタはくすぐりに弱い有川氏が堪え切れずに変な反応をしてしまうところが面白かったのだが、岩井氏はしっかり耐え切ってしまっていた。岩井氏ならではのリアクションが欲しかった。
ここ数年の公演で定番化した「井川修司の闇」、今回も毒舌満開で面白かった。彼が歯切れのいい司会を務める、公演終わりの大喜利も楽しみだったのだが、最近は時間の制約でそれも無くなって少々寂しい。
さて、肝心の座長は、いつもの評論家ネタで下ネタ満載。このネタは相手役の女子アナがコメントを言った後にいきなり変な動作をして「お前があんまり生意気だったからKGBの自白強要のポーズで脅してやったんだ」とかいう訳のわからないフレーズで締めるところが面白いのだが、今回はこの例えネタは1回だけ。もっと見たかった。
これもお約束のモノマネネタは藤岡弘、氏をフィーチャー。モノマネネタもその人物をかなり大胆にデフォルメするところが面白いのだが、そもそも藤岡弘、という人物自体、今が旬という人物ではなかったので、少々いつもに比べれば産んだ笑いは少なかったように思う。続々とタレントデビューしているご子息ご令嬢を登場させたところに、それなりに新味を加えていることは感じ取れたのだが。もうちょいマニアックな人選でマニアックなデフォルメが見たかったというのが正直なところ。まあ、これは個人的な好みの問題かもしれない。
終演時間は、博品館劇場とのせめぎ合い。前回はアンコールに応えることなく、観客は早々に退場だったが、今回は一応座長が3回登場してご挨拶してくれた。そこで「馬場コール」でも起こせばジャイアント馬場のモノマネの一つもやってくれたかもしれないが、今回は「大人の客」ばかりだったので、そういう動きもなし。
帰途についた時、全身に疲れを感じた。疲れを感じるくらい笑ったのは事実だったようだ。