脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

犯人には被害者以上の罰を与えてほしいという遺族感情は理解できるものの… 『世界で起きた戦慄の復讐劇35-この恨み晴らさでおくべきか』読後感

 

ネットに載った、抜粋記事を読んで衝動DLしてしまったのが標題の書。題名の通り、世界を驚かせた、比較的近年の事件を35例紹介している。

 

この本で紹介されている「犯人」たちは、被害者本人、あるいは被害者遺族たちが直接制裁を加えたいと考えてもおかしくないと思わせる悪逆非道ぶりを見せた者ばかり。一応、法の名の下に罰を与えられた者たちもいるが、そのケースでも、法の裁きは軽すぎると感じさせられてしまうやつばかりが紹介されている。

 

さてそうなると、「必殺シリーズ」をこよなく愛する私としては、「(非合法な手段で)晴らせぬ恨みを晴らす」という仕事人たちの登場を期待してしまうのだが、当然のことながら、あれはあくまでも架空のお話。現実社会で復讐してしまえば、いかに報復を受けた側に非があろうが復讐した者にも厳罰が与えられてしまう。そうしないと社会秩序ってやつが崩壊してしまうからだ。

 

とは言え、例えば今現在私が最も愛情を注いでいる二人の姪っ子ちゃんに危害を加えるような輩がいたら、すぐにでもぶち殺しに行きたくなるだろうとも思っている。『相棒』の杉下右京氏に「いかなる理由があれ、人が人を殺す理由になどなりませんよ!!」と目を剥いて叱責を受けようとも、この心持ちは変わらないだろう。しかし、実際に行動に移すのか、と問われてしまうと言葉を濁さざるを得ない。なんだかんだ言っても、人を傷つけてはいけないという規範は心の中に強く存在しているし、行動後に襲ってくる厳罰のことを考えると身がすくむからだ。

 

でも世の中にはそういう規範を打ち破って復讐を果たす人物もいる。身内を殺された遺族もいれば、幼い頃受けたのいじめの相手に復讐した者も、家庭内暴力に耐えかねて家族を殺した者もいる。私自身も小学校の頃のことを思い出してみれば、確かに殺しても飽き足らないという人物には思い当たるし、母親のあまりの暴言に殺意が湧いたことだってある。多くの人はそうした衝動を飲み込むか、何か別の方向に向けるかして実際の行動にまでは至らないのだが、復讐を果たす方向にしか向かわない人がいてもおかしくはない。実際の復讐行為にまでは賛同できないが、心情的にはよく理解できる。同じようなシュチュエーションでなぜ自分は行動を起こさなかったかを突き詰めて考えると、自分の心の中がかなり整理されるのではないか。

 

事例そのもののショッキングさとは別に、自らの心の中をもう一度見直す、という予想もしなかった「副反応」を得ることができた。なかなかに読み応えのある一冊だった。