脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

初歩的な学術書としては良かったものの「消化不良」だった一冊 『うつも肥満も腸内細菌に訊け!』読後感

 

 

Kindlkeのおすすめ本にラインナップされていたものを衝動DLしてしまった一冊。何しろ私は生まれてこの方の肥満体で、かつ、20年前からうつに罹患している。しかも今現在はそのうつに苛まれて休職中という身分だ。こんな題名の本を見せられたら、買って読むしかないではないか!!

 

というわけで、私にしては珍しく、買ってすぐに読んでみた。

 

結論から言うと、題名に書いた通り。腸内の細菌たちが、摂りこまれた食品をもとに、どんな物質を作り出すのかというメカニズム、そしてその物質たちが体内、とりわけ脳に対してどんな影響力を持つのかと言うことについては、なるほど初心者にもわかりやすいよう簡潔に解説されていた。

 

しかし、私が求めていたのは、うつの寛解、肥満の解消には具体的にどんな働きかけを腸に行えばいいか、言い換えれば何食えば現状を打開できるのかということだった。そしてその答えは残念ながら本書にはなかった。唯一答えらしいことを見出したとしたら、うつにせよ、肥満にせよ、発症している人間には特定の細菌が過剰に繁殖しているという現象がみられるため、そうした細菌の偏りがなくなるよう、なるべく多種多様な食品をとるべきだということだ。この程度の結論だったら、それこそ週刊誌とかネットの記事とかに書かれていることで十分じゃねーか、というのが率直な感想。

 

まあ、個々人の腸内環境にはそれぞれ違いがあり、何を食えば、悩みの解消につながかというのは個々人によって違うので、それこそ一冊の本では語りきれないってことなんだろうなとは思う。それにこの本のコンセプトはあくまでも腸内細菌の影響について解説するもので、「改善策」までをカバーするものではないというのも理解できる。とはいえ、求めていた答えがなかったという「肩透かし感」が読後に一番強く感じられてしまったというのも事実。何より、うつにも肥満にも罹患している私が、この本に書いてあるような知識を披露したとしても、なんの信憑性もない(笑)。とりあえず、いわゆるバランスの良い食事を摂ることだけは心がけていこうとは思った。