家トレ実施時録り溜め腐りかけ映画鑑賞の一環として観たのが標題の作。
ちょっとググって調べてみたら、この作品はラナルフ・ファインズという方の、自身の実体験をもとにした小説が原作であるらしい。ファインズ氏は元英国SAS(Special Air Service 特殊空挺部隊)に所属していた経験があり、中東での特殊工作や小規模な戦闘に携わっていたらしい。そんな任務に携わっていれば、当然現地の人々の恨みを買うようなこともある。劇中では、オマーンの王族の一員が息子を殺されたことを恨んで、SASの元隊員たちの暗殺を依頼する。
その依頼を受けたのが、我らがジェイソン・ステイサム演じるダニー。彼は腕ききの傭兵兼殺し屋として斯界では知られた存在だったが、とある「仕事」の際に暗殺対象だった人物の子供の目の前で、その人物を射殺してしまったことで、ヤバい仕事を引退していた。しかし、彼の師匠であるハンター(ロバート・デ・ニーロ)が、元SAS隊員の暗殺を請け負ったものの、失敗して囚われの身となっており、ハンターを救出するためにやむなく”現役復帰”するという筋立てだ。
しかもダニーには、ただの暗殺でなく困難なミッションまで課せられる。すなわち、暗殺対象の人物たちから確かに王族の息子の暗殺に関わったことを自白させ、しかも事故死に見えるように殺害するという難事だ。で、物語はこの難しいミッションをダニーとその仲間たちがどのようにクリアしていくかを描いて進行していく。この作品の最大の見どころはこのミッション遂行過程であり、この辺については本編をご覧いただいて味わっていただくしかない。
ただし、暗殺対象の人物を全て始末して、はいおしまい、とはならないようなひねりは効かせてある。一応辻褄はあっているし、勧善懲悪にもなっている。多くの人々には受け入れられやすいエンディングではある。私のようなメデタシメデタシエンディングには一言物申してしまいたくなるようなヒネクレモノにとっては、エンディングがいかにもとってつけたような幸せな終わり方なのが気に食わないんだが。オマーンの王族にしろSASにしろ、復讐に燃えてとことんダニーを追っかけるんじゃねーの?って疑問はどうしても残ってしまう。