脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

支離鬱々日記110(今週の週明けもまずお題に乗っかってみる)

今週のお題「住みたい場所」

 

昨日、2ヶ月ぶりに姪っ子に逢いに行ったら、思いっきり泣かれてしまって、抱っこも高い高いもヘッタクレもなく、人生最大の失恋をした気分で、郷里から帰ってきた。

 

この駄ブログでも「家買うシリーズ」などと銘打って、転居予定の新居の建築状況などを時々投稿しているが、当家は秋に郷里にUターンする。会社を定年退職したら、郷里に帰ろうとは考えてはいたのだが、母の介護等々の関係で、思いもかけず、予定よりも10年以上早く郷里に帰ることになった。

 

新居は私の実家からも、最高権力者様のご実家からも車で15分程度の場所にある。当家のUターンに関しては私の母もさることながら、最高権力者様のご両親がことの外喜んだ。義父もそろそろ介護が必要な状態に差し掛かりつつあり、老老介護の身となっている義母は、実の娘が身近に来ることを心強く思ってくれたようだ。

 

場所は、もう、数十年放りっぱなしになっていた、田舎の造成住宅地の一角だ。つい1年前までは自分の住む場所という意識なぞ皆無だった場所で、いまだにどこの曲がり角を曲がるかで迷う(笑)。住みたい場所に住むことになったというよりは、移住せざるを得ないという事情がまず先にあって、じゃ、空いてる土地があるから、ということで無理矢理割り当てられた格好であり、立地条件は、都心部が勤務地である身としては決して恵まれてはいない。緑の多い環境下で、日常生活を営む場所としては悪くないとは思うが。最寄りのコンビニまで車でないといけない場所というのは、田舎の中でもどちらかといえば劣位置だろう。まあ、わざわざコンビニにいくより大型の商業施設に行く方が近いし、便利だという場所でもある。

なお、近所の方々からは、当家の新居建築地はちょいと駐車しておくのに便利な空き地という位置付けだったらしく、あからさまに、「車の置き場がなくなっちゃうな」みたいなことを言った方もいたようだが、じゃあ、駐車料金払え、ゴルァ!!こっちとしては何か言ってきたら一戦辞さずの気持ちではいたのだが、そこは元々地縁・血縁ネットワークのある地元である。たまたまそのヒネクレ者にとっては頭の上がらない存在が私の親戚の知り合いであったため、その方に「知り合いが引っ越してくるからよろしくな」と一声かけていただいたら、一気におとなしくなったとのことだ。家の工事の開始の際に私が直接挨拶に行ったら平身低頭という感じだった。持つべきものはいい親戚と有力な知り合いである(笑)。地元選出の議員と繋がってたりすると、こういう、無形の援護みたいなものの力が強くなるんだろうな、と住んでもいないうちから田舎暮らしの「便利さと息苦しさが同居している状態」を実感として味わった。

 

場所が望んだところではない分、家の設備には予算内で最大限の希望を盛り込んだ。私の書斎と最高権力者様の楽器部屋(当然防音設備付き)の設置である。これまでの集合住宅でも、この二つは存在していたが、私の書斎には物干台と除湿乾燥機が、最高権力者様の楽器部屋にはガラクタや飲料水などが常に付きまとう状態だった。お互いがお互いの必要とする機能のみに特化した部屋を持つのは初めてのことだ。その他、寝室にも、LDKにも納戸にもすべて我々の意向が反映されている。こういう空間に住めるというのはそれだけでワクワクする。場所が少々辺鄙だろうが、近所に住む人間が少々偏屈だろうが、今のところはそのワクワク感の方が強い。さまざまな収納に関しても、雑然とした状態が出来しないよう、最初からしっかりと方針を立てて整理整頓していく予定で、気がつくと整理だ収納だというキーワードの本やらネット上の記事やらを読んでいる。まあ、もう少したたないと、実際のスペースなどの見当がつかないからまだまだ想像の上だけのお話だが、頭の中では、整然と仕分けられ、欲しいものがすぐに見つかる納戸、本棚、クローゼットが完成している。

 

今は、住みたい場所を考えるよりは、これから住むことになる場所を「最高の場所」にするにはどうしたらいいかを考えたい気持ちが強い。周辺環境は当家だけで変えられるものではないが、家の中とか、家の使い方という意味では工夫の余地はそれこそ無限にある。この地に住んでよかった、と思いながら永眠できるような環境を整えていけば良いのだ。

 

さはさりながら、当家の現在の状況を全く考えずに、住むならどこか、という質問にも一応答えておこう。考えられる条件は幾つかあるので列記しておく。

1.海が近くいい魚が手に入ること

2.いい肉と野菜が手に入ること
3.温泉が近いこと
4.買い物が楽しい大型の商業施設があること

5.東京都心部へのアクセスが容易なこと

 

上記が主な条件であるが、当家の移住地に絶対的に不足しているのは条件1だ。何しろ、私の郷里は海なし県なのである。いい魚を手に入れることのできそうな店は幾つか心当たりはあるが、風景として楽しむことのできる海は残念ながら手に入らない。埼玉や栃木もこの条件1は満たさない。

 

海のある県で条件2,4,5を満たすのは平塚くらいまでの神奈川の沿岸地域と、千葉市のやはり沿岸部くらいまでだろう。この二つの地域に不足しているのは条件3、つまり温泉地の欠如だ。まあ、これは私が知らないだけなのかもしれないが、少なくとも全国に名が轟いているような薬効豊かな温泉はないように見受ける。

 

う〜ん、こう考えると、なかなか希望を満たす土地ってないもんなんだな。逆にいうと、当家の転居先は海がないこと以外は結構イケてんじゃん!

 

なんてなことを考えて、無理矢理どこかを選ぼうとしてみたが、実は現住所である練馬はそれこそ1.3以外はすべて満たしていることに気づいた。しかも1は都内でも有数のいい魚屋がすぐ近くにあるし、3もちょっと車を走らせれば有名どころの温泉地にすぐに行ける。離れることが決まってから、改めて現住所の周りを見渡してみると結構いい場所だったことに気付かされた。惜しくはあるが、でも生活にかかるコストを考え合わせると一生住み続けたい土地でもないし、一生住み続けられる土地でもない。

たまに「いい土地だった」と思い出すのがちょうどいいくらいの土地だったように思う。