脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

支離鬱々日記94(健康のお話)

先日、人間ドックの結果が返ってきた。脂肪肝と糖尿の疑いありで、要再検査という通知。

 

この分野に関しては大いに心当たりありだ。元々が超肥満体(身長170cm、体重112kg、体脂肪率は35%)であることに加え、昨年1年間は、コロナのおかげでジムも休みだったし、外出自体を忌まわしむ風潮もあったりで、汗を思いっきりかくようなトレーニングは全くできなかった。おまけに暇を持て余して散々酒をかっくらってしまった。若い時ならいざ知らず、人生も半世紀を過ぎ、あちこちが傷み出してきた頃合いでもあった。まあ、出されるべくして出された再検査通知だったということになる。

 

で、かかりつけの内科医で血液と尿の検査を受けたら、ものの見事に初期の糖尿病と診断されてしまい、大学病院の糖尿病専門外来を紹介されてしまった。

 

大学病院ってのは建物からして物々しいが、予約を取るのも一苦労だ。何しろ四月の頭に予約を申し込んだのに、実際に受診できるのは7月の頭なのだ。おいおい、3ヶ月もあれば、病気が進行して重篤化しちまうんじゃねーのかよ、と心の中では突っ込んでいたが、その辺を見透かしたように受付のおねーさんからは「糖尿病外来の前に、循環器の外来を受診してもらい、まずは血管の状態を調べることになります。こちらは来週の中頃なら予約できます」とのこと。否も応もないとはこのことだ。その場で予約し、早速受診してきた。

 

でかい病院の中を、散々移動させられて、一時間半ほどの間に採尿、採血、心電図、胸部レントゲンを済ませ、それから30分ほど待って、ようやく受診。おかげで読書が進んだ。

 

医師は開口一番「はい、明白な糖尿病です。まずは、この病気について知りたいことがあったら質問してください。全部答えます」との発言。では、ということで初歩の初歩から色々聞いてみた。結果について下記にまとめておく。

 

○まずは体重を落とすことが必須条件。体重は運動では落ちないので食事を注意深く摂っていくしかない。

 

食事と運動は減量の両輪では?という重ねての問いに関しては「減量を目的とした運動だと、どうしてもオーバーワークになる。となると体重の重さから膝や腰を痛めやすいし、単純にキツくもあるので長続きしない」という回答。「適度な運動は体内の代謝を促進するので是非やってほしい。1番のおすすめは水中歩行です」という返事もいただいた。「体重は1ヶ月に1kg程度落とすのが最良の落とし方です。」とも。私の逡巡に間髪を入れずに言葉を挟み込んでくるこの医師はなかなかユニークな方である。

 

○手っ取り早い食餌療法としては「果物断ち」と「夕食抜き」を推奨

 

果物は、糖尿の大敵、糖分を多分に含む。ビタミンや繊維質などを摂取できるメリットよりも糖質を取り過ぎてしまうデメリットの方が多いし、他の食物に比べて我慢しやすいというのも理由の一つ。夕食抜きはカロリーの総量を抑えるのにことになるし、睡眠時に内臓を休めることにもつながる。昼飯の時間をなるべく遅くして、通常の夕食時間帯に空腹を感じないようにするという策が有効。医師お得意の追加豆知識として「空腹感を誤魔化すためには生野菜を齧ってるのが一番です」との言。明日から、冷蔵庫にキャベツでも常備しとくか…。

 

○何かを極端に制限する、あるいは何かだけを食べ続けるという食餌療法は推奨しない

 

「だいたいこういう方法は長続きしないんですよ」というのが最初の言。確かにこれは私も思い当たる節あり。結婚直後の一時期、りんごしか食わないという「りんごダイエット」をやってみたりしたのだが、文字通りの三日坊主で、三日もしたら飽きてしまった。それ以後しばらくはりんごを見るのもイヤというくらいに飽きた。最近では「金森式」という、それこそ脂分しか食わない減量法などもあるそうだが?という問いには「それもおそらくは長続きしないでしょう。何しろ摂取の総カロリーを抑えることしか道はありません」との答え。楽してできる方法なんぞないんだよ、ってのは痛いほどに伝わってきた。

 

最後に二週間後に最高権力者様(世間的にいうと女房)を伴って来院し、食事についてのレクチャーを受けるようにという言葉と、予約票をもらって診察終了。その日から、果物断ちは実施、夕食はまだ完全に抜くまでには至らないが、炭水化物の類を食わないことと、量そのものを従来の半分程度にまでは減らした。酒もほぼ毎日だったものを、週に2回程度までには控えるようにした。ちなみに受診した医師は大の酒好きだとのことで「まあ、量さえ過ごさなければ、ほどほどに嗜んでもいいですよ。これも我慢は長続きしませんし、ストレスを解消している部分もあるでしょうから」とのことだった。

 

受診後、ほぼ毎朝、近所の公園を三周(約3km)ほどウォーキングしている。花粉もそろそろおさまる頃合いだし、盛りを過ぎた桜を眺めるのも一興。いろんなところが澱んでいたカラダの中が動き始めるのを感じられた気がする。まだまだラグビーだって辞めたくはないし、新しい家を使い倒すまでは簡単には死ねない。姪っ子ちゃんの成人した姿だってみてみたいし、なんなら結婚式に出て披露宴で『娘よ』を歌って号泣するくらいのことだってしてみたい(笑)。できるだけ健康寿命を伸ばして、ある日、トイレで踏ん張っている最中にでもコロリと死んでしまうのが一番だ、と毒蝮三太夫師匠だって言っている。間違っても失明したり、脚を切断などという糖尿病の合併症になんぞかかりたくない。

 

閑話休題

 

本日は思いたって、以前から気になっていた新宿の誠眼鏡店に行ってきた。以前に紹介した書籍の中で述べられていた、この店の社長星野氏の「自分に最も似合わないと思われるような眼鏡こそが人生を変える」という言葉がずっと頭の片隅に引っかかっていたのだ。で、早速、店員の方に「思いっきりイメージを変えるための眼鏡を選んでください」とお願いして、いくつか候補をあげてもらい、その中から1本選んで作ってもらうことにした。まあ、確かに自分一人で行ったのではおそらく選ばないだろうな、という形ではあった。今後は、執筆活動をするときにこのメガネをかけることにする。誰が会社の仕事になんぞ使うもんか、と言いながら、すっかり忘れて会社にかけて行ってしまいそうな気もするが…。まあ「メガネは顔の一部です」から仕方がない。

 

で、店からは練馬某所の自宅まで徒歩で帰ることにした。どうせ、近所の公園を歩くのなら、歩いて帰れば交通費の節約にもなるし、道々の変化のある風景に触れ続けることはいい刺激にもなると考えたからだ。ちょうど天気も良かったし、午後の一番暖かくなる時間帯でもあった。

 

眼鏡店は大ガードのすぐ近くだったので、すぐに甲州街道に歩みを進めて、山手通りまでは自分なりにかなりの速いペースで歩いた。山手通りを池袋方面に折れて大久保通りまで。で大久保通りを中野方面に向かう。この辺には以前の営業職時代に足繁く通った得意先があったので、その日々を懐かしく思いながら歩く。普段は記憶の淵に沈んでいる思い出たちを愛でながら、もみじやま通りを右折して、住宅地の中のゴミゴミとした通りを歩く。その昔はここも車で通ってたんだから無茶したもんだ。今ならこんなゴミゴミしてて人通りも多い道なんぞ怖くて車なんか乗り入れられねーよ、などと思いながら、汗ばんできたので羽織っていたジャンパーを脱ぎ、ついでに自販機で無糖のお茶を買って水分補給。ところがこのあたりから少し体調がおかしくなった。考えてみたら、朝におかゆ一杯と野菜ジュース、ヨーグルトを口にしてから何も食べていない。流石に腹が減った上に、血糖の上昇を抑える薬も飲んでおり、その薬の注意書きには、低血糖の症状が出る場合がありますとも書いてあった。少々やばいと思ったので、手近なコンビニに飛び込んで、無糖のチョコレートと、ロカボの素煎りアーモンドを買って食いながら歩いた。これは結構効果があった。脳が糖を摂ったと勘違いしたのかどうかはわからないが、体調が持ち直したのだ。その後、適宜、小休止をとり、アーモンドとチョコレートを齧りながら、なんとか一時間半ほどかけて10km強の道を歩き通した。何事もやり過ぎは良くないし、適当な休養と栄養補給は効果的だということを学んだ一時間半だった。