脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

支離鬱々日記69(夢の話)

昨日の晩の夢。

「俺」は取引先に行く途中だ。結構重要な案件を抱えており、その日を含めた数日のうちに、その案件を解消しなければならないらしい。その日は週の半ばと言ったところか?週末までにはまだ何日か余裕がある。

「俺」はその日の朝に、会社で転勤の内示を受けたばかり。転勤先は今までの俺とは縁もゆかりもない山陰の営業所。おいおい、これじゃ、東北地方の拠点に転勤になった時と状況が一緒じゃねーかよ。そんなところ行きたくねーよ、でも…、辞めたら生活はどうなる?諦めて行くしかないのか?辞表を叩きつけるか?不思議な事に、文章で食って行く、という気持ちはこの瞬間にはなかった。ただ会社を辞めるか、都落ちを受け入れるかという二者択一の質問だけが頭の中を駆け巡っていた。

 

「俺」は電車の中で、ふと、何もかもが嫌になり、今日はこの取引先に行くのをやめようと思い立ち、次の駅で降りた。駅名は御茶ノ水だが、記憶にある御茶ノ水駅とは明らかに風景が違う。実際の駅には存在しない、広い広い地下街があると認識している。東京駅の八重洲地下街に匹敵するような、地下街が、だ。

 

「俺」は、行かなければならない、という気持ちと、もうどうでもいいから今日はサボってしまいたい、という気持ちのせめぎ合いの中、地上と、地下街を行ったり来たりしながらさまよう。エレベーターやエスカレーターなどの昇降機には乗った覚えが全くないのに、いつのまにか地下街にいたし、いつの間にか地上に戻ってたりした。そのうちに、取引先に行くほうに気持ちが固まり出したのだが、その際に自分が半袖ポロシャツ に、短パンというおよそ取引先に行く社会人として似つかわしくない格好をしている事に気づく。しかも歩き回ったせいで、半袖ポロシャツ は汗でびっしょりだ。あまりに気持ち悪いので、ポロシャツ を脱いで上半身裸で歩き回ったのだが、流石に周りの人間からは奇異な姿に映ったらしく、「みろよ、裸の大将が歩いてるぜ」みたいなヤジまで浴びたので、背負っていたリュックを探すと、長袖のTシャツがあったのでそれを着て、そのまま彷徨を続ける。ここに至ってもまだ、取引先に行く決心がつかない。

やらなければいけないという気持ちはあっても、実行する決意にまではいかないという歯痒いような、もどかしいような、焦るような気持ち。そういえば御茶ノ水ってのは某大手予備校がある場所でもある。「私」には大学浪人の経験があるが、その大手予備校とは別の大手予備校に通っていた。で、御茶ノ水には模試とか、その予備校に通う友人と会うためとか、古書店巡りをするためとかで月に数度は訪れていた。そうした際に御茶ノ水駅近辺を歩いていた時の心理状況を思い出したのだろう。ついでに言うと、今年最終のオフィシャル(会社から受験を義務付けられている)なTOEIC試験があと数日に迫っているのに、全然勉強できていないという焦りも加わっていたのだと思う。やらなければならないのに、やる気が起きない。これじゃ最も唾棄すべきマッスルバカの所業と同じじゃねーかよ、おい。「私」が「俺」にツッコむ。

 

だって、こんな状況でやる気なんか出るか?なんとか頑張ろうって、気力を奮い立たせて行った東北の拠点で受けた痛手のことはお前だってわかってるだろ!「俺」が「私」に言い返す。

「私」は、「そこで努力をやめたら負けだ。取引先に行くか行かないかという問題なんかどうでもいいんだが、努力する気持ちを捨てたら、お前は英語もやらないし、取りかかってるはずの小説も完結できないままで終わるぞ。それでもいいのか」と返した。

「俺」は「取引先に行くか行かないかは問題じゃないってどう言うことだよ、おい」って言い返した。「まあ、確かにそんなことはどうでもいいな。これは自分の中に巣食っている問題意識の発露なんだから。やらなければならぬモノがある中で、それに取り掛かることができないというもどかしさのメタファーとなっている心象で…」

 

「私」がツッコみ返す。「馬鹿野郎、そういう解説はこっちの役目だろう!!」

「俺」「んなもん、勝手に決めるな。俺が一人ノリツッコミでなんでも完結させちゃうのは知ってるだろ」

「私」「馬鹿野郎!そっちはそっちで、悩む役割演じてりゃいいんだ。解説とか連想とか、思考はこっちの役割だっつうの」

「僕」「あーあ、喧嘩始めちゃったよ。元々が同じ人格なんだから、どっちが正しいも悪いもないし、役割もへったくれもないんだけどな。結局同じことを考えて行く中での思考のプロセスで色々出てくる選択肢を、脳の中で勝手に擬人化してストーリー的に展開してるだけでしょ。要するに、会社が嫌いなんだけど、安定した収入だけは保証してくれてる会社から飛び出す勇気がなくて、それに対してうじうじ思ってる自分がいて、そういう自分が嫌いで、でも新しく志た道の方もパッとしなくて、煮詰っちゃってるなぁ、って状況を再認識してるだけだろ」

「私」「勝手にまとめるな!!まあ、その通りではあるんだけどさ…」

「俺」「ったく、ただでさえ毎日仕事でストレスだってのに、この上、自分で自分の頭の中がこんがらがらせてりゃ、世話ないわ。酒でも飲まなきゃやってらんねーよ」

「私」「だからって、酒ばっかり飲んでちゃしょうがねーだろ。そんな時間があったら、トレーニングの一つでもやって、いつラグビーチームに復帰する事になってもちゃんと活躍できるようにしとけよ。ついでに言うとな、楽譜を読めるようにするってのも自分で決めたことのはずだろ。そっちも何にもやってねーぞ、コラ」

「僕」「そんなこと言ったって、結局全てのことをサボるの認めちゃってんのも、「自分」でしょ。「自分」でなんとかしなきゃ、結局何物も達成できはしないんだから。マッスルバカのやる気のなさと責任転嫁に腹立てたんでしょ。」

「俺」「私」「僕」「そうだ、こういう憂鬱さを引き起こさせたのは、マッスルバカだ。マッスルバカが全て悪い。あいつの脳みそは腐ってるから、その腐った脳が頭皮まで浸出してきて、毛根が弱ってハゲてんだ。あんなバカと同類になりたくなきゃ、自分で努力して、その成果をあのバカに見せつけてやるしかないんだ!!」

「俺」「もっとも、あのバカのオツムの状況じゃ、例えばTOEICで俺たちが900点取って、それが努力の結果として手にした成果だってことを身をもって示しても気がつけないだろうけどな」

「私」「それには同意する。毛根腐りマッスルバカのことだけに禿同って事にしておくか」

「僕」「あんまり上手くないけど、まあいいか。それよりそろそろ起きる時間みたいだよ」

 

なんてなことで目が覚めた。なんだか、この「取引先に行かなきゃいけないんだけど、行く気がどうしても起きなくて、目的の駅の一つ前で降りて逡巡してる」みたいなシュチュエーションの夢は定期的に見ているような気がする。それだけ、今の状況が閉塞的であるってことのようだ。