アメリカ製作の超おバカ映画。
題名にも書いた通り、この作品は『8時だヨ全員集合』のロングコントと同じで、ストーリーもヘッタクレもなく、シーンシーンに盛り込まれたパロディーの元ネタを探すのが「正しい鑑賞法」。
まずは登場人物。主人公は超能力の全てを失って、単なるダメ親父と化しているスーパーバット。言わずと知れたDCレーベルの二大ヒーローの合体。その妻はワンダーウーマンのパロディーだし、娘はハーレイ•クイン。オタクの息子だけが誰のパロディーか、私にはわからなかったが、誰か元ネタの人物はいるはずだ。
その他にも、キャプテンサウスアメリカとか、ソーバッカとかビーヴァリンとか、マスターヨーガなんてキャラが出てくるが、ほとんど「出オチ」。見た瞬間にあ、こいつはあのキャラのパロディーだなってわかればそれだけでニヤリとはできるが、もう本当にそれだけの作品。
『アイアンマン』のトニー•スタークをもじった人物の胸に洗濯物に用いる「アイロン」があるって設定に少し笑った。名前がトニー•スターチ、つまり洗濯糊に使われるデンプンだってことできちんと完結してるってところには変に感心したね。
一応悪キャラも出てきて、家族崩壊の危機と、地球が氷の星と化してしまうよな危機を引き起こそうとして、それの阻止にヒーロー軍団たちが立ち上がるってのがストーリー。その前段階として、スーパーバットは、マスターヨーガの下で文字通りヨガと筋トレに励み、往年の力を回復してたって設定にはなってる。この修行シーンには細かなくすぐりが多々入っているのだが、実に見事に私の笑いのツボを外していてくれたので全く笑えなかった。
鑑賞中に、こういう、どう考えても、大したヒットに結びつかないと考えられる作品を作る人、出演する人ってのはどんな神経をしているんだろうと、ストーリーに全く関係ない考えまでが浮かんできてしまったが、鑑賞には全く支障なし。キャラが出オチで終わっている上、ストーリーはと取るに足らないものだから、せめて見ている状態から喚起された考えでもひねくり回さないことには単なる時間の無駄。こういうパロディー作品を臆面もなく世に問うことができるアメリカ映画界というのは称賛に値するとは思うのだが、もうちょいと画面に集中できる作品に仕上げて欲しかった、というのが正直なところ。