脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

「Excel使える?」って聞かれたらどう答えますか?『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』読後感

 

たった1日で即戦力になるExcelの教科書【増強完全版】

たった1日で即戦力になるExcelの教科書【増強完全版】

  • 作者:吉田 拳
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

今を去る事30数年前、少しまとまったバイトをして得た金で買い求めたのが、富士通ワープロ「オアシス」。幼少時より、字が汚いことがコンプレックスであった私は、字を書かずに済む事にひかれ、この機器を買い求め、レポートその他で使いまくり、そこそこ使えるようになった。

 

数年後、とある企業に就職し、営業職に配属された。ある日得意先に持っていくための資料をワープロ(偶然、この時部署にあったのがオアシスだった)で作っていたら、先輩の女性社員が近寄ってきて、

「アンタ一体何やってんの?」

「…、得意先に持っていく資料を作ってるんですが、何かまずいですか?あ、それともこの機械使います?」

「いや、何でアンタそんなもの使えるの?」

私は点になった目を作り笑顔でごまかし、「たまたま自分で使ってた機種と同じものだからです」と答えるしかなかった。

 

つい30年くらいまでは一般の企業なんてこんなものだったのだ。ちなみにその時の直属上司は販売予算を決める会議の際に算盤を持参していた。

 

そんな風潮のおかげで、ほんの少しワープロ操作に慣れていただけの私は「OA機器に強い」と見なされるようになり、営業職の次は事務職に異動した。そこで出会ったのがMacであり、Excelであった。1990年代初頭のその時期、Macは「Excelを使うための機械」であったと言って良い。それまで電卓を使ってセコセコとやっていたデータ処理が手早く、しかも正確にできるようになったのだから、飛びつく人々が数多現れ、あっという間に「伝染」した。私は「先駆者」として、他部署から導入する機器の相談まで受けるようになってしまっていた。

 

しかしそのアドヴァンテージがあったのはほんの数年。マイクロソフト社がGUIを取り入れたWindows95を発売すると、一気に事務機器としてPCが普及し、それに伴って「Excelくらいはできて当たり前」という風潮となり、多数の人々が日々の業務でExcelを使うようになり、その中から、かなり高度なテクニックを使いこなす人々が増えていった。私もちょこちょことは使用していたが、自分が教えることより、他人から教わることのほうが多くなってから随分と長い時間が経つ。近年では「デジタルネイティブ」なる世代が登場し、私が「上級者」であると認識するような使い方をする若者のほうが多数派となっている。いやはや。おじさんはついていけないよ。

 

というわけで、自分の身近なOA環境の変遷を述べていくうちに前置きが非常に長くなってしまったが、社会一般の汎用スキルとなったExcelの学び直しのために買い求めたのが標題の書。特に、日頃の作業を一気に効率化してくれる機能である「関数」を重点的に学び、学んだそばから即使うことを目的として読み始めた。

 

単純に、まあとにかくいろんな関数があるもんだ、と感じた。おそらく面倒な作業の内容を入れれば大抵の解決策は見つかるのだろうが、それを探すことのほうが面倒だと感じるくらいに…。そんなもん探すよりは作業しちまったほうが速い、と思ってしまったら、この本を読んだ価値がないし、スキルの上達も望めない。

 

まずはこの書に書いてある67通りの関数を覚え、それを使いこなすことから始めれば良い。67も関数があれば、大抵の作業は網羅できるはずだ。さらにいうと、複数の関数を組み合わせれば、通常のデータ加工くらいならお釣りがくるほどの効果が期待できる。それでも足りない複雑な作業なら、とっとと専門家に外注でもしなさい!もっとも、我々が手詰まりになって、いざ外注しようとする前に、ちょっと詳しい若者に聞いたらちょいちょいと解決してしまうような事象であることのほうが多いように思うがね(苦笑)。

 

とにかく、この本にある関数とショートカットキー、それに基本的な機能をマスターできれば、堂々と「Excelは使えます!」と言い切って良い。なお、ショートカットキーに関しては、↓のような便利グッズもある。私は、「覚える」という効果を考えてよく使いそうなものを抜き書きしたが。

 

エレコム マウスパッド EXCEL入力支援 MP-SCE

エレコム マウスパッド EXCEL入力支援 MP-SCE

  • 発売日: 2014/08/08
  • メディア: Personal Computers
 

 

とにかく、Excelは一つのツールに過ぎないのだから、ツールの使い方なんかで無用なストレスと時間の浪費を生まないことが肝要。「働き方改革」とやらの基本理念にも通じるものがあるが、なるべく作業を効率化して、浮いたエネルギーを創造的な仕事に振り向けることが根本的な目的である。そのための「ショーカットキー」となる一冊だったように思う。