脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

あくまでも「最初の一歩」を示したのみ。努力に勝る天才なし 『ランサーズでウェブライターになろう!』読後感

ライター募集に応募し、面接やテストライティングまでには進むものの、採用には至らないことを繰り返していた時期に、クラウド・ソーシングにも手を出してみようと思って、Kindle Unlimitedから借り受けたのが標題の書

ここ数場所の、特に序盤戦の正代、または今夏のジャイアンツ、大谷が打っても投げても勝てずに球団ワーストの14連敗を喫したエンゼルス、くらいの落ち込みの中で、どんなか細い糸でもいいから、未来につながる手掛かりが欲しいという思いで手にした一冊です。

クラウド・ソーシングって何?ランサーズって何?

クラウド・ソーシングとは、不特定多数の方に作業を委託することです。簡単に言ってしまうと、ネット上で「この仕事を、こんな金額でやりたい人いますか~?」と呼びかけて、それに応募してきた人の中から、優秀な方を選ぶという方法のことです。

ランサーズというサイトは、これまたごく粗っぽく言ってしまうと、依頼主が募集をかける案件を集めた、掲示板のようなもの。日本国内ではランサーズとクラウド・ワークスがこの分野の二強です。

ただの掲示板と違うのは

  • 募集・応募の対象となるのはサイトに登録したクライアントと会員のみ
  • 契約までのやり取りはすべてランサーズサイト内
  • クライアントからの集金をランサーズが代行(もちろんいくばくかの手数料は引かれます…)

クライアント側からすれば、ランサーズというフィルターをかけることで、有象無象がうじゃうじゃ集まりすぎるのを防げるというメリットがあります。

ランサーと呼ばれる業務の受け手にとっても、ランサーズというサイトがクライアントの身分をある程度(すべてというわけではありません)保証してくれるし、代金のとりっぱぐれもないというメリットがあります。

前半は登録までのマニュアル

さて、標題の書の前半は、どうやってサイトにアクセスして、登録するか、について事細かに解説してくれています。

私自身は、読む前に登録そのものはすでに完了していたので、この辺は飛ばし読みでしたが、履歴書や自身のセールスポイントの書き方などは結構参考になりました。すでに実績を積んだ強者たちの市場に殴り込みをかけようってんですから、最初の武器である、業務経験、資格、得意分野、過去のライティング実績などはきちっと書いておきましょう。日本人の美徳の一つである謙虚は文字面だけのPRの場ではマイナスでしかありません。「盛れ」とまでは言わないまでも、ここで何らかの引っ掛かりがないと、ハナもひっかけられないって状態で長々過ごすことになります。

途中でちょいちょい、著者ご自身が運営されているライター講座へのお誘いが入るのはご愛敬。私自身はすでに別のライタースクールに通った経験があるので、講座に参加することには興味はありませんでしたが、より詳しく学びたい方はご検討いただいてもよいかもしれません。

後半部分こそがこの書の真髄

後半はWebライターとして仕事をスタートさせる上で重要なことがいくつか書かれていました。

仕事のコスパ

その中で、私が一番印象的だったのは「1文字1円以上の仕事を選べ」という部分です。

速い人なら2000字くらいの原稿を1時間くらいで仕上げてしまえるでしょう。1文字1円とすると2000円のギャラを得る計算となります。時給2000円なら、このご時世大手を振って「俺は高給取りだ!!」と宣言できそうですが、その原稿を書くための資料集めや、構想などの準備に3時間かけていれば、総労働時間は4時間ですから、時給500円にしかなりません。「コンビニでバイトでもしている方がまだ金になる」状態だと、当然長続きはしませんね。

ですから、文字単価はなるべく高い方がいい。当たり前のお話です。

最初から単価の高い仕事にありつけるわけではない

しかしこれも当然のお話ながら、文字単価の高い仕事を得ることは非常に難しい。案件そのものが少ないし、競合相手も「経験・実績」という強力アイテムを備えたキャラになってきます。ランサーズでは、経験・実績を勘案した「ランク」が設定されており、案件によっては上位のランクでないと応募(ランサーズでは「提案」という言葉を使っています)すらできません。画面上ではねつけられてしまいます。

そこで心に突き刺さるのが「ランクが上がるまでは文字単価0.3円の仕事でもどんどん受けろ」という著者の言葉です。最上級ランクである認定ランサーに上り詰めるためにとにかく書け!!実績を積め!!ということです。

私はこの教えだけは早速実践しています。単価のことは二の次で、自分が書けそうな案件にはすべてチャレンジした結果、二週間後に2件案件が決まりました。ちなみに「提案」したのは15件。打率にすれば、セリーグの投手のものよりまだ低いくらいです。

楕円球は努力した者の前に転がる

現時点では、なる早で認定ランサーになるための修行だと思って、どんどん書いていくことにします。本書にはランサー登録後数か月で認定ランサーに上り詰め、ライター1本で食えるようになった方の体験談も記されていました。この方も、やはり応募して、書いて、ということで地道に実績を積んでいくのが一番の早道だと述べています。いついかなる時でも、無意識に同じ反応ができるようになるまでに、基本的な技を反復練習することこそが上達の唯一の道だ、と教え込まれた50過ぎのおじさんにとっては、部活に明け暮れた青春時代に回帰したという、妙な懐かしさのある体験談でした。

また、実際に文章を書く、そして許可が出るまで修正し続ける、という作業は実に良い勉強となります。

例えば、今回の案件で私は「まとめサイト」的なサイトの文章の「文法」と、WordPressの使い方をいくつか覚えることができました。

お金をもらって、自分の今後の仕事に役立ちそうな知識や技能が身につけられる……。卒業後に自衛隊に入隊しない防衛大学校の学生みたいです(笑)。

こうして得た知識や技術も「報酬」のうちだ、という気持ちを持って努力し続けていこうと思います。この章の見出しにした格言のように「楕円球が自分の前に転がってくる」まで。そんな気持ちにさせてくれた一冊でした。