脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

ライター活動の現状報告 その2(若干加筆しました)

文筆活動だけで飯を食おうと決意してから1年。決意とほぼ同時に加入したランサーズで、ようやく認定ランサーを名乗れることとなりました。

加入からほぼ1か月でシルバーにまでは昇格できたのですが、そこからが長く、ほぼほぼ1年かかりました。昇格に手間取った理由は、ズバリ「過去1年間の報酬額が上位20%以内」という資格要件を満たすことができなかったため。

何しろ最初はとにかく名を売らなきゃいかんということで、できそうな仕事には片っぱしから応募しましたからねぇ。

いままでのポートフォリオを確認してもらえば、すぐさま仕事にありつけるだろうと思っていましたが、現実はそこまで甘くはなく、連戦連敗で落とされまくって、一時はすっかり自信を無くすようなこともありました。最初の依頼を獲得した時はうれしかったですね。文字単価が非常に安い案件でしたが、とりあえず0→1への踏み出しには成功したと歓喜したことを思い出します。これで書きまくればいつかは文字単価の高い仕事にありつけるはずだ、得意分野の文章書きも増えていくはずだ、とかなり根拠の薄い楽観論ではありましたが、ココロの状態の改善にはかなり役立ちました。

ところがどっこい、新しい依頼はなかなか舞い込まないし、文字単価もなかなか上がっていかない。ようやくそれなりの仕事が舞い込んできたのは昨年末あたりから。動画作品のナレーション原稿を定期的に書くようになってからです。この仕事は、主に自分の一日の執筆可能量やペース配分を測るのに役立ちました。今まで興味がなかった分野に関しての知識が得られたことも飽きっぽい私にとっては大いに刺激になりました。

で、今年に入ってから、文字単価の高い仕事にようやくありつくことができ、結果、前述した要件を満たすことができて昇格できたというわけです。しかしながら、私の1年の報酬はようやく6桁に届くか届かないかというところで、この程度の報酬で上位20%入りしてしまうというところに、ソーシャルアウトソーシングの底辺の広さと、文筆のみで食っていける「勝ち組」のレベルの高さを思い知らされました。

前途はまだまだ多難ですが、とりあえず、一つの有力なパスポートは手に入れることができたので、これを励みに精進したいと思います。

もう一つ、文筆活動上のうれしい出来事としては、ラグビー記事の外注が再開となったことです。

ワールドカップ目前にもなったし、ダメで元々という気持ちで、編集長に連絡を取ってみたところ、連載の再開に関して声をかけようと考えていた矢先だったとのこと。ジャパンのサマーシリーズの戦いぶりに関してはいろいろと書きたいことが溜まっていたので、さっそくイタリア戦後に再開後の初原稿を提出。首尾よく掲載となりました。

とりあえずワールドカップ期間中は月に2度というペースで掲載いただけるとのこと。ネタはそれこそ腐るほど湧いて出てくる状態だと思います(笑)。ワールドカップ後、そのまま掲載が続くのか否かに関しては不安で一杯ですがね。

最後にちょいとデバイスについての悩みを少々。今後の活動を考えるにあたっては、家以外の場所でもすぐに執筆にとりかかれるツールを持っておかなければならないと思い立ち、KindleFireHD10をPCに準じる形で使おうと様々なことを試しております。一応ノートPC(Windows)も一つ持ってはいるのですが、会社復帰することになれば、2台のPCを持ち歩かねばなりません。2台ともかなりの小型なので持ち歩けなくはないのですが、やはりそれも面倒なので、FireHD10を「本来の目的」である電子書籍として用いた上にモバイルPCとしても用いることを考えています。

KindleをモバイルPCとして使うとはどういうことか?簡単に言ってしまうと、GooglePlayをインストールし、各種のアプリをインストールできるようにするということです。Kindleのアプリストアではみつからないアプリってのは結構あります。前投稿で紹介した「Obsidian」などが典型です。ただし、GooglePlayをインストールするのは表向き推奨されていないお話なので、こちらのサイトなどをご参照いただき、あくまでもご自身の判断で実施ください。

まだFireHD10をPCとして使うようなシーンはなかなかありませんが、とりあえず必要そうなアプリはインストールしてはみました。いまのところ得た知見としては以下の3つです。

1.はてなブログは問題なく作動するが、WordPressとは相性が悪い

ログインの時点で嫌われて、何度かやり直しているうちに、失敗の制限回数を超えてしまってログインできないという事態が何度か発生し、ちょいとイラつきました。まだ試験的な段階ですのでイラつく程度で済みましたが、いざという時に不具合が起こってしまったら一大事です。

2.SLACKはインストールできたがCHATWORKはインストールできない

インストール作業自体はちゃんと終了するのですが、いざアプリを立ち上げようとすると「起動するアプリを見つけられませんでした」という表示が出て、立ち上がりません。実質的にインストールできていません。

3.Googleplayにはランサーズのアプリがないのでランサーズの機能が使えない

ランサーズの機能といってもせいぜいプッシュ通知と、クライアント様とのDMのやり取り程度ではあるし、iPhoneでこの機能は代用できるので、支障はないのですが、All in Oneで何とかしたいとい意気込んでいたので少々肩透かしを喰らった感があります。

そんなこんなでノートPCとFireHDやめて、iPadをモバイルツールとして使うのはどうだろう?とも考えています。Kindleアプリをインストールすれば電子書籍もよめますし…。しかしiPadがにはSDカードスロットがないので自炊してPDF化した書籍を読むには専用のSDカードリーダーが必要となるのが煩わしい。本体価格、先のSDカードリーダーを始めとする周辺機器ともに高価なので二の足を踏んでいます。この程度のことで悩むことがないような収入を得ることができれば御の字なのですが、まだまだそこまで至るには長い道があるようです。今は手持ちのデバイスを最大活用することを考えていくしかありません。

いかなる理由があるにせよ暗殺は肯定できない 『近代日本暗殺史』読後感

 

安倍晋三元総理が銃撃され死亡されてから早一年余り。世界的に見て治安が安定しているとされる日本においては、近来稀に見る大事件ではあったが、狙撃者山上徹也が事件を起こした背景とされる「家庭連合被害」の問題も含め、早くも風化しつつあるという印象がある。全体的に「平和」で、明日の命をも知れぬという状況の人間がごく少数である現代の日本においては、「普通の殺人」はともかく、政治や経済の要人を狙ったテロはなかなか起こりにくい。要人とされている人の一人や二人殺したところで世の中が大きく変わるはずもないという絶望感に囚われているということもあろうが。

 

著者筒井清忠氏は、標題の書で、明治、大正期に起きた暗殺事件を取り上げ、その背景を詳しく解説することで、日本における暗殺の精神構造を読み解いている。

 

筒井氏の読み解いた、日本人が暗殺という手段に訴える精神的背景は4点ある。

 

1.判官贔屓

暗殺は、名もなき小市民が強大な権力を持つ者を倒すこと。民衆は弱い者が強い者倒すという行為を無批判を応援する気持ちに傾きやすく、こうした目に見えない精神的な支援は大きな追い風となる。

 

2.御霊信仰に由来する非業の死を遂げた若者への鎮魂文化

暗殺者は暗殺の遂行後、自ら命を断つことも多いし、生き残っても社会的生命は事実上断たれることとなる。こうした「非業の死」を遂げた人物は、後の民衆に祟りをなすと考えられてきた。菅原道真崇徳天皇が典型例である。こうした祟りを防ぐための常套手段は「神に祀りあげ」てしまうこと。筒井氏はネットに関しては言及していないが、暗殺者に対してネットに飛び交う「神」などという言葉は、軽々しくはあるものの、まさにこうした祀りあげに他ならない。

 

3.仇討ち・報復・復仇的文化

忠臣蔵を筆頭に、嫌がらせや迫害に対しての怒りを爆発させて暴力的手段に及ぶ、というストーリーは非常に日本人にはウケが良い。

 

4.暗殺による革命・変革・世直し

世を変えるための暗殺であったという理由は世間の支持を受けやすい。

 

この4つは、いずれも日本人の精神に深く根付いている心情であり、取り除くことは不可能であると筒井氏は指摘しているが、これは実にもってその通り。映画やドラマはもとより、具に見たわけではないが、ネット上のエピソードなどでもこの4つに基づいたストーリーはウケが良いようだ。

 

筒井氏はこの4点を踏まえた上で、明治期と大正期以降の暗殺を区分けしている。

 

明治期は暗殺者も被暗殺者も士族であり、「支配階級」同士の争いの結果という色合いが強かった。これに対し大正期以降は被暗殺者は政治家や経済界の大物という支配階級だが、暗殺者は市井の名もなき者に変化していく。そして暗殺の動機も、社会的な悪を葬り去るという大義名分は持ちながらも、実行の起爆剤となるのは個人としての不満(失恋、経済的不遇)だということだ。殺人の目的に良いも悪いもないが、大正期以降は明らかに動機の「矮小化」が見られるのだ。

 

安倍晋三銃撃事件の犯人山上徹也は、まさに個人としての不満を爆発させて凶行に及んだ。自分の今の不遇があるのは母親が家庭連合に入れ上げて、経済的にも心理的にも家族を崩壊させてしまったが故。家庭連合を日本に受け入れてのさばらせたのは岸信介だが、実の孫である安倍晋三もまた、家庭連合と結びついて利得を得ている。故に安倍晋三は倒すべきだ。実に短絡的だが、筋としては間違っているとは言えない。まあこういう心情も前述した4点が私の心の中にも深く根付いている証左なのだろう。

 

例えば安倍晋三氏一人を殺したとしても、家庭連合と自民党の結びつきは簡単に揺らぐとは思えないが、狙撃事件によって、今まで「無いもの」とされていた家庭連合をめぐる様々な問題がマスコミによってクローズアップされたのは事実で、カルト規制法に関しての議論も高まったのだから、結果的に山上徹也の「大義名分」は果たせたことにはなる。

 

とは言え、いかなる理由があろうと人を「殺して良い」などということはあり得ない。筒井氏は先の4点と、格差が広がる社会において、個人的な不満が高まる人物、すなわち要人暗殺に関して「理由」を持つ人物が増えるであろうことを踏まえ、暗殺発生の未然防止の難しさを訴えている。「世に暗殺の種は尽きまじ」とでも言おうか。根本的な対策は為政者が世の不満をなるべく少なくしてくことしかないのだが、そんなことができそうな人物はどこを向いてもいそうにない。

 

 

 

 

観る側の準備は着々と進んでますよ 『ラグビー知的観戦のすすめ』読後感

 

2015年のワールドカップメンバーで最後の最後にキャプテンを外れたものの、最後までジャパンを引っ張り続けた廣瀬俊朗氏による、初心者よりちょっと上のラグビー観戦者向けのラグビー蘊蓄本。2019年の日本開催のラグビーワールドカップを前に上梓された一冊だが、4年も積ん読したままだった。

 

時期的なこともあって、各チームの大まかな戦力分析と、各プールの予想にかなりの紙幅を割いている。ジャパンを予選プール二位通過と予想していて、準々決勝でオールブラックスと当たった場合にどうなるか、というところまで書いてあったが、結果的にジャパンは予選を4戦無敗のトップで通過し、準々決勝で南アフリカに2015年のリベンジを果たされた。まあ、当時の戦前予想ではアイルランドに勝つことは難しいと考えられていた(私もそう思っていたので、アイルランド戦の勝利にはビックリしたのだが)ので、順当な予想だろう。私にとっては何度目かの「本は買ったらすぐ読むべき。情報は日々風化していく」という感想ももたらされた。

 

その他の内容には親切に、素朴な疑問に答えてくれている、という印象を持った。

 

中でも、ラグビーの起源から、どのようにサッカーと枝分かれしたか、ワールドカップの開催がサッカーよりも大幅に遅れた理由、ラグビーの「国代表」にさまざまな国出身の選手たちが存在する理由などの解説は非常にわかりやすかった。この辺、私は薄ぼんやりとした知識は持っていたものの、どういう歴史的背景で、今のラグビー界の姿になったかということについて確たる知識を持ち合わせていなかったので、大いに役に立った。

 

その他、ラグビーではとりわけ重視される「キャプテンシー」、すなわちチームの中でキャプテンがどのような役割を果たすのかについての記述が興味深かった。このキャプテンシーという言葉も内容は曖昧模糊としている。チームの状態やメンバーの特性により、キャプテンがなすべき言動・行動は変わってくるので、「これぞキャプテンシー」というのはなかなか定義するのが難しい(というより不可能)のだが、廣瀬氏はこのキャプテンシーの「見える化」に取り組んでいくという。この試みがどのように進んでいくのかには大いに興味があるので、何かのイベントがあれば是非参加したいし、書籍が出れば買って読みたいと思う。もしかするともう出ているのかもしれないが。廣瀬氏の著作は積ん読リストにいくつかあるので探してみよう。

 

いずれにせよ、W杯を観戦する前には読んでおいて損はない一冊だと思う。2023年版のガイド本も出版されてるので、こちらも近日中に紹介したいと思う。

 

 

善悪の判断は先延ばしにするにしても「研究」の必要だけはあると思う 『世界大麻経済戦争』読後感

 

 

ここのところ世間を騒がしているのが日大アメフト部部員の大麻所持事件。もう一つ同時期に朝日大学ラグビー部にも同様の事件があり、ラグビーファンの私としてはそちらの方が気にかかっているのだが、大学の知名度とロケーションの関係か、特に関東地方ではあまり詳しく取り上げられない。

 

日大の事件の方は、大麻所持云々というよりはリスクマネジメントのまずさやら、林真理子理事長の責任問題とかの方に論点がズレていきつつある感があるが、そもそもの問題として、日本ではなぜ大麻を所持することが罪になるのだろう?という素朴な疑問を抱いていたところに、折よくKindleのおすすめ欄に標題の書が掲示されていたので、早速DL。

 

まず、大麻が禁止されていた理由。それは摂取により、人体に様々な不都合が生じるから。大麻成分の中でもテトラヒドロカンナビノール(THC)という物質には、幻覚作用や記憶への影響、学習能力の低下等をもたらす作用があり、これが一番の問題とされている。日本の薬物取り締まりの総本山厚生労働省のHPでは、まずこの危険性が大々的にアピールされている。

 

ところが、世界の潮流は大麻の使用を認める方向に大きく舵を切っている。THCの濃度を0.3%未満に抑えるなどの規制を設けた上で、様々な病気に有効とされ、またリラックス効果の高いカンナビジオール(CBD)のメリットの方に着目して合法化が進んでいるのだ。先進国の中でもカナダはすでに合法化されているし、アメリカも連邦法ではまだ非合法だが、合法化する州が続々と現れ、いずれ連邦法でも合法化すると言われている。

 

高木沙耶氏が議員に立候補した際に公約として掲げた医療用大麻の使用解禁も、CBDの薬効に着目してのものだったのだろう。「元芸能人」につきまとうある種の胡散臭さのせいで、最初から一種の「トンデモ公約」とみなされてしまったが、CBDの薬効が確かならば、あながち暴論ではなかったと言えるのかもしれない。

 

標題の書では、こうした世界の動きの他、産業用の作物としての大麻ヘンプ)の有効性の高さにも着目している。ヘンプは工業用の素材に用いられる大麻のことで、布地に利用されるほか、その繊維の強靭さから、自動車の内装などにも利用が見込まれているそうだ。古くはフォードが採用しようとしたそうだが、その際はアメリカもまだ強固な取り締まりをしていたので、使用できなかったそうだ。病害虫に強く、年間少なくとも3度ほどは収穫できる大麻は農家にとっても「おいしい」作物であるとのこと。また光合成の際に二酸化炭素を吸収するので環境にもやさしい。なんだかいいことづくめの作物で、作らないほうが罪悪なんじゃないかと思わされる(笑)。

 

ただし、THCの危険性は存在し続けるし、こういういけない成分をこっそり売買して儲けようとする輩の発生も予想されることなので、医療用、嗜好用としての大麻の解禁に及び腰な日本政府の考え方も理解はできる。

 

中国やイスラエルは工業用の素材としてのヘンプについての研究を随分と進めているようだし、生産のみならず、販路についても確立を目指しているようだ。一旦販路が確定してしまえば、いざ医療用、嗜好用の大麻が解禁になった場合にその仕組みを用いて流通させられるという目論見を持っての施策。この辺、実にしたたかだ。

 

日本も薬効の研究もさることながら、こうした栽培から販売に至る仕組みについては今から研究を進めておくべきではないだろうか。著者矢部氏も危機感を滲ませているが、今のままでは、いざ全世界的に解禁という流れになった時に日本だけ完全に乗り遅れることが明白だからである。政治家のセンセイ方も目先の選挙のことばかり考えていないで、こういう、少し先に生じてくるであろうと考えられる問題に取り組んでいただきたいものだ。まあ、今は福島の汚染水放水問題でそれどころではないんだろうけどね。

 

 

 

 

読書から得る情報を残しておくためには有効な方法『Kindle Unlimited を最大限に活かすための読書ノートの作り方と活用術』読後感

Kindle Unlimited を最大限に活かすための読書ノートの作り方と活用術

私は読書が大好きです。一行も本を読まずに終わる日はありません。年間200冊読むことを目標にしており、大体150冊くらいは読むようにしています。

しかし、読むには読んでも、その内容が頭の中に残っていないというのが大きな悩みでした。このブログも別口のブログも、読んだ本について書くことが一番多いのですが、もともとブログを始めた動機の一つは、読んだ本の内容を忘れないようにするためでした。しかし、忘れてしまう(苦笑)。読んだ本の感想を書き終わって投稿し、過去ログを検索してみたら、実は以前にすでに読んで読後感まで投稿していたなどという例も何度かあります。

まあ、この程度の二度手間で済んでいればよいのですが、何かを得ようと思って読んだ本の内容を忘れてしまうというのは実に惜しいオハナシです。時間も手間もお金もかけたのに何も残らないというのは悔しいし、むなしいことでもあります。

そんな中、日課であるKindleストアページチェックの際に見かけたのが標題の書。とりあえず、私のニーズには合致してそうだし、Kindle Unlimitedのラインナップにも入っているのでサブスクの料金内で読めるし、ということで即座にDLして衝動読みしました。

具体的には、気になったところをハイライトしておき、後でその部分を抜き出して何らかのテキストにコピーし、そこに気になった点を書き加えて取っておくという方法が紹介されていました。この方法なら手軽に気になったところを記録しておけるし、デジタル媒体に記録しておけば、後々気になった際に検索が容易だというメリットが理解できたので、さっそくこの本からその方法を使って読書ノートを作ることにしました。

しかしながら、ここから結構手がかかっちゃいました。

標題の書では読書ノート作成には「Obsidian」というアプリを推奨しているのですが、これは作者の小田やかた氏がiPadをモバイルデバイスとして使っているがためでした。私の持つモバイルデバイスはKindleFireHD8とKindleFireHD10。一応iPhoneにもKindleはインストールしてありますが、私にとっては画面が小さすぎて、Kindleを忘れたとかいう緊急事態時以外は読書デバイスとして使う気にはなりません。しかし、KindleのアプリストアからはObsidianはダウンロード出来ないんです。

なんとかKindleFireHD上でObsidianを使うために、どうしたらよいかをネット検索した結果、出て来たのが↓の方法。

FireタブレットにGoogle Playをインストールする方法【2023年版】

この方法はAmazonでは認められていない方法だそうですので、くれぐれも慎重にご検討いただいた上で、自己責任で実施ください。

で、GooglePlayを導入して、Obsidianを無事インストールし、ついでにWindowsPCとmacminiにもObsdianを導入しました。基本的に、データの貼り付けはKindle上で行い、ファイルを共有化して、自分自身の気づきメモはPC上で書こうと目論んだためです。

ところが、ここでまた問題発生。Kindleにはいわば「無理矢理に」Obsidianを導入したせいか、ネットで検索したマニュアルには出ている言語変更のオプションが表示されないのです。つまり、いろんな表示が英語のまま。しかも、他のデバイスとファイルを共有化するには、なにがしかの料金を払わないといけないらしいのです。この辺、使い方がよくわからず、もしかしたらものすごく初歩的なミスを犯しているかも知れないので、もし詳しい方がいたら、コメント欄でご教示いただければ幸いです。

仕方がないので、Googleドキュメントに記録して、Googleドライブに収納してデバイス間で共有化しようとしたのですが、Amazonのアカウントとは違うGoogleアカウントでドライブにアクセスしようとしたせいか、何度やってもドライブにもアクセスできないし、ドキュメントも立ち上がりません。

最後の最後、MicrosoftWordに記録した上で、OneDriveに保存することで、ようやくデバイス間での共有がかないました。

いろいろ勉強にはなりましたが、本をもう1冊は優に読めるであろう時間を費やす結果となりました。

とにかく、読書ノートを作成する下準備は完了しましたので、後は本を読んでノートを作成していこうと思います。

作者小田氏は、時折ノートを見直して関連している事項をまとめていくと、情報の整理もできるし、新しい思いつきも浮かびやすくなるというアドバイスも残してくれています。ただのデータストックではなく、自分なりのデータベースとしての読書ノートを作っていくというのは楽しみでもあります。

【追記】

お恥ずかしいミスに気付いてしまったので追記します。

私は、ハイライトは都度都度コピーしてWordに貼り付けるという方法しかないと誤読しておりました。Kindleにはハイライトした文章をPC上でいっぺんで確認できる方法があったのです。そして、この確認画面から全部をコピーすることもできます。ここで全部をコピーしてWordなりGoogleドキュメントなりにペーストすれば一発で抜き書きは完成です。

よくよく読み直したら、ちゃんと標題の書でもこの方法は紹介していました。途中で適当に読み飛ばしてしまったのでしょう。こうした気づきも読書ノート作成の一つの効用だと言い訳しておきます。

 

バナナ食って整腸剤飲んでぬいぐるみ抱いて寝ろ! 『しつこい不安感が必ず消える セロトニン復活ストレス解消法』読後感

しつこい不安感が必ず消える セロトニン復活ストレス解消法

休職生活も9か月を過ぎ、いろんな懸案事項の解消に関してある程度道筋もついたので、そろそろ会社復帰に向けて具体的に動いていこうと考えています。会社にいても私の望む未来はつかめないことは明白ですが、最低限の礼儀として、最後の挨拶ができるくらいまでには会社への嫌悪感を軽減するための対策は練っておかねばなりません。その第一歩として、私が行動を起こすときの常とう手段、関連書籍の多読に励もうと手にしたのが標題の一冊。

ちょっと前の大ベストセラー『嫌われる勇気』に倣ってか、カウンセラーと悩み多き青年との対話という形式をとって、題名ともなっているストレス解消法を解説しています。

で、結論は題名にもした通り。「バナナ食って整腸剤飲んでぬいぐるみ抱いて寝ろ!」

本書はこの行為を為すべき理由を、簡潔にしてコミカルに解説しています。詳しくは是非とも本文をお読みください。若者とカウンセラーとの会話は単純な読み物としてもなかなか楽しくできています。

とは言え、ざっと内容だけは紹介しておきましょう。

まず、ストレスを感じた時に人間の体内ではどんなことが起こるのか?

アドレナリンとコルチゾールという二つのホルモンが分泌されます。前者は精神を興奮状態にする作用を持つストレスに立ち向かう攻撃的ホルモンであり、後者は脳の機能低下を防いだり、免疫効果を高める作用を持つ防御的ホルモンです。この二つのホルモンはかなりの優れもので、ストレスのダメージをかなり大幅に削減してはくれているのですが、長期間にわたってストレスを受け続けると、効果が薄れていってしまうのです。

深刻なストレスを抱えた際に、この二つのホルモンに十分に働いてもらうためには、日ごろからストレスを軽減しておくことが必要。それには、セロトニンオキシトシンという「幸福ホルモン」の分泌を促すことが有効です。この二つは、分泌されただけで幸福感を感じるというシロモノではありません。ストレスでダメージを受けたメンタルをニュートラルな状態に回復させる効果があります。メンタルが±0になって、はじめて様々な幸福ホルモンが本来の威力を発揮できるようになるので、この二つの分泌を促すことは重要です。

で、セロトニンオキシトシンを分泌するための方策を端的に表すと「バナナ食って整腸剤飲んでぬいぐるみ抱いて寝ろ!」になるわけです。

セロトニンは80%が腸内で生成されるので、腸内の環境を整えることが大切。そのために整腸剤を飲んで、善玉菌が繁殖しやすい状態を作り出したうえで、善玉菌のいい餌となるバナナを食べるとよいのです。

一方のオキシトシンは、人と触れ合ったり、心地よい布地などに触れると分泌されやすくなります。大きなぬいぐるみなどはまさにオキシトシン分泌に効果があります。抱き枕や、毛布を丸めただけのモノでも十分に効果があるそうです。もちろん、恋人やパートナー、子供などと寝る前にハグすることも効果ありです。

私も今夜寝る前に女房殿とハグでもしますかね。精神が癒される前に、張り倒されて肉体的にダメージを負いそうですが(笑)。

 

興行的に大コケしたのが納得できる作品 『バビロン』鑑賞記

 

 

主演にブラッド・ピッドを配し、『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルが監督を務め、アカデミー賞狙いで製作されたのが標題の作。人気者とヒット作の監督とのコンビは大いに期待を持たせたが、興行的に大コケし、制作費を回収することができないという体たらくに終わった。

 

原因ははっきりしている。とにかく面白くなかったのだ。

 

描いているのは、サイレント映画の晩年と言って良い時代。いわゆるトーキーが出現し、時代の趨勢はそちら側に移りつつあった時代だ。

 

ブラピが演じたのは、無声映画で絶大な人気を誇ったジャック・コンラッド。彼は観衆からの支持を背景に、撮影所で絶対の権力を誇り、毎晩毎晩それこそ酒池肉林の乱痴気騒ぎを繰り広げる。

 

そこに一枚噛んでくるのは野心家の「女優見習い」ネリー・ラロイ(マーゴット・ロビー)。彼女も、セクシーさと物おじしない行動を武器にスターの座にのし上がっていく。

 

絶好調の彼らの前に立ちはだかるのが「時代の波」、すなわち、トーキーの登場だ。

「黙って」動作だけしていれば良い無声映画と違って、トーキーではセリフを含めた「総合的」な演技が要求される。俳優の声というのも重要な要素だ。無声映画では観衆が勝手に「理想の声」を設定して字幕の言葉に当てはめることができたが、トーキーは当然のことながら俳優の生の声が観衆に届いてしまう。「理想の声」とのギャップが、どうしても生じてしまうというわけだ。

 

というわけで、「総合的な演技」を要求されることになったジャックは、今までとはあまりにも違う環境に大いに悩む。妻に、ブロードウエイのミュージカル女優を迎え、彼女の指導でセリフの特訓に臨むが、うまくいかない。イラついて妻に八つ当たりするものだから、夫婦関係もギクシャクしていき、その憂さを晴らすためにジャックは荒れた生活を続け…、というふうにストーリーは展開していく。

 

ネリーはそんな時代の波になんとかキャッチアップし、それなりの成功を掴むのだが、酒やら薬、そして賭博に溺れて多大な借金を背負い、にっちもさっちも行かない状態に追い込まれる。自業自得とはいえ、人間の弱さみたいなものはそれなりに体現できていたように思う。また、彼女が主役となって演じられる、トーキー初期の、映像と音声を一致させるための、スタッフの涙ぐましくも馬鹿馬鹿しい「努力」を描いたシーンがこの作品の中では一番印象に残った。

 

同じような時代を描いた作品としては、10年前の『アーティスト』がある。こちらは作品賞をはじめとして5部門でアカデミー賞を獲得したが、確かに『アーティスト』の方がよくできた作品だった。主人公の苦悩に絞ったストーリーの方が素直に心に刺さったと思う。『バビロン』の方はいろんな要素を盛り込もうとした結果、余計なノイズが増えすぎて、論点がぼやけてしまった感がある。その辺のもどかしさが端的に現れたのが興行成績の不振だったと言えよう。