脳内お花畑を実現するために

サラリーマン兼業ライター江良与一 プロブロガーへの道

全てはコロナに関連づけられてしまう 2020年私的十大ニュース+漢字一文字

毎年この時期になると投稿する定番ネタ。今年は初めてはてなブログ上で展開してみたい。「私的」と銘打ってはいるが、公的なお話もちょいちょい入るのでその辺はご了承をお願いします。では早速カウントダウン方式で。

 

10位 職場にマッスルバカ出現

自分のやる気のなさに対する言い訳を探してばかりのバカ。スポーツで採用されたくせに、早々に引退したのは、能力のなさもさることながら、あれこれ言い訳して努力を放棄した結果であると推測される。下手なくせに上手になるためのアドバイスを拒否し、努力もしないやつが成功するはずはないのだ。しかもこのバカは自己完結だけしてればいいのに、他のメンバーにも「こんな面倒くさいこと、やりたくないですよねぇ」という意識を蔓延させるだけの結果に終わるような行動をとり、さらにそれをリーダーシップの発露だとでも思っているところが致命的。何をやっても部署にとって厄介な結果しか生まないバカなので、私は一切の接触を断っている。このバカの姿を見なくて良い分だけコロナ禍には感謝している(笑)。


9位 巨人、セリーグ制覇も日本シリーズは2年連続の4連敗で惨敗

本当に惨めの一言。最後に少々もたついたとはいえ、シーズンに関しては独走と言っても良い状態だったために、余計にシリーズの惨めさが目立ってしまった。シリーズ制覇どころか、「なんとか1勝」がファンの望みだなんて冗談じゃない。パリーグとの差を埋めるために、なんとかしなきゃいけないよなぁ、と素人考えでも思うのに、同リーグのチーム力を削いで、リーグ全体のレベル低下に拍車をかけるだけの結果につながるとしか思えない補強戦略でDeNAの梶谷、井納を獲った。新加入の選手にはもちろん頑張って欲しいが「2年後、3年後のドラフト上位候補を軒並み攫っていった」と他球団のスカウト陣にため息をつかせるくらいの逸材揃いの育成選手からどんどん抜擢していって欲しい。FA選手の出番がなくなるくらいの活躍を見せる若手の出現を望みたい。

 

8位 過去最高の目の痛み

11月末くらいから、激しい目の痛みに襲われる日々が続いた。夜中に痛みが生じて目が覚めてしまうほどの症状だったので、たまりかねて、新しい医者に受診したところ「強膜炎」という診断。結膜炎よりも一段階深い部位での炎症だそうだ。なにしろ痛かった。医者曰くの「一番効果の高い点眼薬」を1日に6回点しても引かず、2時間に1回と頻度を増やしても芳しい結果は得られなかったので、ついに服用薬が出た。で、ようやく痛みは治ったが、まだ充血はひかない。単なる逆さまつ毛の影響かと思っていたら、尿酸値の高さだとか、糖尿の疑いとも関係があるそうだ。歳食っちゃったんだなぁ…。

 

7位 メンタルヘルスマネジメント検定受験バックレ

前回の不合格通知を受け取ってから、「今回こそ」と期するものがあったのだが、勝負の8月、9月くらいの時期に「コロナ疲れ」とでもいうべき無気力状態に襲われてしまったため、ほとんど何もできずに終わり、最終的には試験当日にも鬱の波が襲ってきて、バックれてしまった。メンタルヘルス検定に限らず、今年は自分自身の英語の学習にもあまり身が入らず、目標としていたTOEIC830点(公認TOEIC講師資格取得に必要)にも届かなかった。マッスルバカを嗤うことのできない失態だった。来年こそは全ての目標を達成する年にしてやる、と宣言し続けること早10年くらい(苦笑)。

 

6位 1試合も出場せず自分自身のラグビーシーズン終了

大学ラグビーは開催されているし、トップリーグも年明け早々から開始されるようだが、今年、私自身はオジさんチームの活動を全くやらなかった。密になること必至のスポーツであり、感染の危険性が大きいということももちろん理由の一つではあるが、一番の理由は、まともにトレーニングしておらず、カラダが戦闘態勢を取れていない上、気持ちも戦闘態勢には程遠い状態にあるということにある。ジムは感染可能性の高い場所として、閉鎖されていたり、開店休業状態だったりと使用できなかったし、家でのトレーニングにもサッパリ身が入らなかった。来年のシーズンに向け、そろそろ本格的にカラダを目覚めさせる方向に持っていかなくては、と思いつつも晩酌のボトルに手が伸びる毎日を送ってしまっている…。

 

5位 東京オリンピック中止

当然と言えば当然だが、7月に予定されていた東京オリンピックは中止となった。近代オリンピック始まって以降、世界大戦以外では初めての中止だそうだ。今のところ、来年夏に同じ日程で行う予定、とされているが、これもどうなるかわかったもんじゃない。日本で感染防止策を取ったって、他の国で取られないんでは、国をあげてコロナウイルスの感染源を招いているようなもの。特にスポーツ大国アメリカで感染がおさまらないのが一番大きい。競技者、観客ともに一番押し寄せてくるだろうからね。現状が続くようなら2024年のパリ五輪の開催も危ぶまれるようだから、順繰りに4年づつずらしていったらいかがだろうか?調整は大変だとは思うが、最終的に中止でも仕方ない。

 

4位 コロナ禍の日本ラグビー界への影響

前投稿とも被るが、とにかくテストマッチができないのが最大の悪影響。テストマッチに向けて調整することで、ジャパンというチームの一体感が醸成されるのだが、その機会が全くなくなったことは、2023年に向けた準備を全くの白紙に近い状態から始めなければならないということ。4年という期間は長いようで短い。2019年より更なる高みを目指すためには、今はすでにチームとして走り出していなければいけない時期なのだが、改めてコロナうらめしだ。一方で南半球の国々は対抗戦を行なっているし、欧州のシックスネーションもフィジーを加えて開催された。世界の強豪国は刻々と強化しているのに我がジャパンは…。早くも2023年が心配だ。すでに対戦が決定しているイングランド、アルゼンチンは言うに及ばず、未定とされている他二カ国(一部報道ではトンガとウルグアイが有力らしい)も対策を十分に練って臨んでくるだろうから、一歩間違えばすぐに暗黒時代に逆戻りだ。私個人の気持ちだけでなんとかなる問題ではないのだが、焦らざるを得ない。

 

3位 母親の老化が進行

親戚、知人から相次いで、母親の衰えを報告する電話が入った。母の運動神経はいい方で、ママさんバレーなどにも長く参加していたが、気づいてみれば80代目前。そりゃ衰えもするわ、という年回りになっていた、そんなこんなで、しばらくサボっていた基礎疾患の医者への通院を再開させ、脳の専門医にも定期的に通うこととなった。基礎疾患の方は投薬の効果がすぐに現れて各種の数値は改善したそうだが、問題は脳の方。まだ、薬の力で認知症にまでは至らないそうだが、加齢とともに襲ってくる衰えは防ぐことが難しい。高齢者の交通事故が増えている昨今、車の運転をさせるのにも不安がある。というわけで、時期は未定ながら、来年中には郷里へ移住することに決定した。郷里に戻るのはもう少し先のことかと思っていたのだが、人生、何が起こるか本当にわからない。

 

2位 姪っ子誕生 

緊急事態宣言発令直前に義兄夫婦に女児誕生。そんな状況下では迂闊に逢いに行くこともできず、しばらくは写真やら動画やらを眺めるしかなかった。初めて逢えたのは9月。小さい、儚い姿ではあったが、抱っこするとその柔らかさ、重みに、今まで味わったことのない感激を覚えた。つい最近三度目の面会機会を得たが、「高い高い」を飽きるまでやってやったらすっかり気に入ってもらって、だいぶ懐いてくれた。叔父という気楽な立場ゆえ、猫可愛がりしていればいいだけだが、早くも貢物にはかなりの金額を使った。しばらくは彼女中心の親戚ライフが続くことだろう。当家は夫婦して、PC•スマホは彼女の写真、動画で溢れかえり、毎日飽きもせず見続けている。立派な中毒患者だ。

 

1位 コロナ禍により生活が激変

一番の変化は、出勤せずとも仕事ができるという環境が「お墨付き」になったこと。在宅勤務が「特別」な場合ではなく「日常」に変化した。生活は楽になった。いかに今まで通勤という行動に無駄なエネルギーを奪われていたかがわかった。在宅勤務の普及は通信ソフトの質も劇的に向上させた。営業活動なども変化していくことになるだろう。
通販の利用も激増した。Amazonはいうに及ばず、生鮮品やこだわりの品などをわざわざ探し求めたり聞きつけたりして通販で購うことが多くなった。当家に限らず、全般的に通販利用の頻度が上がったことで、扱う物の品質、サービスレベルともに向上したと思う。行動がある程度自由になっても、通販の需要は減らないと思う。

世の中の様々なところで、先送りとなっていた課題が、否応なしに対応せざるを得ない日常に直面して、一気に解消の方向に向かった感がある。従来の日常を「取り戻す」のではなく、新しい日常に繋げ、良いものは習慣化していくという取り組みが必要になるだろう。キレイ事ではなくそう思う。

 

漢字一文字は「離」。

今年の漢字とされた「密」とはほぼ逆の意味を持つ漢字だが、個人の生活の実感としては一番しっくりくる。「会社に行く」という行動には、ほぼ意味がないという事実も露呈して、同僚たちとの繋がりが希薄になった。ラグビー、歌唱をはじめとするプライベートな人間関係もかなり制限を受けて、ほぼ断絶状態だし、飲み会すらリモートで行うようになった。郷里にいる親族にすら、今までと同じ頻度では逢えない。リモート会議システムやら、電話やら、コミュニケーションの道具は数々あるし、また今度のことで機能も進化はしたが、やはり対面での交流に勝るものはない。写真や動画で毎日見てたって、姪っ子のぬくもりや柔らかさや、細い表情の変化なんかは実際に触れていないとわからない。人間関係やら、コミュニケーションのあり方やらを色々と考えさせられた年でもあった。

ジャパンにとっては全てのグループが「死のグループ」2023年ラグビーワールドカップ1次リーグ組み合わせ抽選会結果

news.yahoo.co.jp

 

2019年秋の歓喜と感動から早一年以上経過した。優勝した南アフリカにこそ力負けしたが、アイルランドスコットランドを撃破し、1次リーグを全勝で通過したジャパンの快進撃は日本国中を熱狂させた。スローガンの「One Team」も流行語の一角に食い込んだし、ジャパンの選手がCMに起用されるなどの効果も生んだ。

 

選手諸氏、チームスタッフ、協会それぞれの努力が実を結んだのは事実だが、2019年の結果が2023年のさらなる飛躍につながるという保証はどこにもないし、ジャパンと同じような劇的な進化を見せる国だって出現しないとは限らない。強豪国の巻き返しだって怖い。何より出場各国が、ジャパンというチームに対して「本気」で対応するだろう次回W杯は文字通りジャパンの真価が問われる大会になる。タイトルにした通り、ジャパンにとっては全てのグループが全て死のグループであると言って良い。

 

現在のジャパン飛躍の基礎を作り上げたエディー•ジョーンズ率いるラグビーのルーツ国イングランドは2019年にあと一歩で逃した優勝を手にするために、それこそ必死になっていることだろう。今年の南半球トライネーションズで、初めてオールブラックスに勝利したアルゼンチンも、初の栄冠を狙いに来るのは必至。同国が初めて3位になったフランスの地での開催という「ゲンの良さ」もある。ジャパンはイングランドには未勝利、アルゼンチンには1勝5敗と過去の実績からは分の悪さは否めない。

 

2019年の予選では過去一度も勝てなかったアイルランドと、1回しか勝ててなかったスコットランドに勝っただろう!!もう一つ言えば、2015年だって、過去対戦すらしてもらえたことのなかった南アフリカにだって勝っただろう!!

 

ラグビーファンなら当然、こう反論したくなるし、私自身もこの出来事にすがりたい気持ちはヤマヤマなのだが、今回は前二回とは明らかに環境が異なる。

 

2019年のW杯以降、ジャパンはチームとして全く活動できていない。コロナのおかげで今年予定されていたテストマッチは全て中止になったし、サンウルブズが参加したスーパーラグビーも途中で中止。南半球の強豪四カ国の対抗戦に参加するというお話も立ち消えになったし、欧州のシックスネーションズにフィジーとともに特別参加するという誘いも断らざるを得なかった。どちらも、今後の強化策に繋げるために重要なお話だったが、コロナうらめしである。

 

ジャパンの不参加を尻目に、南半球は南アフリカを除く三カ国で対抗戦を行い、その中で、アルゼンチンがニュージランドに初勝利という衝撃が出来した。欧州もフィジーを加えた七ヵ国で対抗戦を実施した。自らの選択の結果でもあろうが、はからずして、島国の日本だけが取り残された状態、いわばラグビー鎖国とでもいう状態に追い込まれてしまったということだ。1995年W杯の「ブルームフォンテーンの悲劇」を生み出した日本ラグビー暗黒時代と同じ状態だ。

 

前回とは違い、トップリーグラグビー先進国から優れたプレーヤーが多数参加するようになったために日本ラグビー全体のレベルは上がったが、それだけでは世界の潮流についていけないというのも厳然たる事実。しかし、チームとしての強化を図れる状態にはないというのが現状。

 

ではどうすればいいか?方策の一つは、個々の選手の海外進出だ。アルゼンチンは、選手個々人が欧州や南半球の他国のプロチームに積極的に参加して、自身のレベルを上げる努力をまず行った上で、最終的にチームとして熟成させるという手法を用いて、強豪国の一角にのし上がってきた。フィジーサモア、トンガの選手も同様に海外での経験を積んだ選手が多数を占める。

 

対して日本は、松島幸太朗選手が仏の名門クレルモンでレギュラーに定着して大活躍していたり、姫野和樹選手が来年度スーパーラグビーハイランダーズに加入するなどの例はあるものの、まだまだ選手任せになっている部分が大きい。こうした動きを日本協会のプッシュのもとに、もっと組織的に大々的に行うべきだろう。これを機に、さまざまな手段で安定したルート作りに取り組んではいかがだろうか?個人のレベルアップなくしては、チームとしてのレベルのアップも望めないのだから。

 

各国に与えられた時間は平等だが、強化の方法は平等ではない。現時点で、ジャパンは強化策の面で一歩も二歩も世界からは遅れていると自覚して、着実にリカバリーできる方策を考えて実施していただきたい。2023年にはさらなる歓喜をジャパンがもたらしてくれることを期待している。

高橋ワールド全開の超大作。スケールデカすぎ『ツリー(上下巻)』読後感

 

ツリー : 1 上 (双葉文庫)

ツリー : 1 上 (双葉文庫)

 

 

 

ツリー : 2 下 (双葉文庫)

ツリー : 2 下 (双葉文庫)

 

  久しぶりに読んだ、SF小説らしいSF小説。ついでに言うと、久しぶりに読了した「紙の本」だったりもする。

 

高橋克彦氏は、多彩なテーマを縦横に操るエンターテインメント小説の第一人者。浮世絵をモチーフにした推理小説をスタートに、SF小説、東北地方の人物に焦点を当てた歴史小説、江戸時代や明治時代初期を舞台にした時代小説など、どれを読んでも楽しめる。高橋氏の発想は月並みだが、本当に汲めどもつきぬ泉の如し。シーンの描写の中に、さりげなく、説明っぽくない状況の解説が入るのも巧みだ。ついつい、おもいっきりの説明を入れてしまう自分のテクニックのなさを思い知らされる、なかなかに残酷な筆はこびだ。

 

さて、標題の作は、岩手出身の高橋氏が、たびたび作品の舞台にし、また並々ならぬ思い入れを持つ土地、青森が「主戦場」となる、長編SF小説だ。高橋氏は、エッセイなどで、「神≒宇宙人」説を唱えており、ストーンサークルなどの数々の遺跡から彼らの集積地の一つは東北の山中にあるとも考えておられるようだ。あまり人が立ち入れない、危険地帯が数々あるところも、高橋説の後押しをしているようだ。なるほど、私の経験から言っても、彼の地に残る自然は、人々の接近を許さない峻厳さを持ち合わせており、想像を膨らます余地は十分にある。

 

物語は、書評家の「私」を狂言回しとして展開する。「私」が選考に関わった文学賞の新人賞に奇妙な作品がエントリーされたことがきっかけ。この作品のレベルは賞に値するものではないとの評価は下されたものの、ストーリー中に出てくるいくつもの数式が非常に高度なもの(大学にあるコンピューターを用いて検証するのに5分くらいかかる、という設定。私ならシステムがフリーズしたと判断して、強制終了してしまうレベルだ)であることに着目した一人の評論家が激賞したため、編集者の頼みで「私」は著者を探すことになる。新人賞に応募してきた風森なる人物は、なぜか、応募後連絡が取れなくなっていたのだ。

 

手がかりとなるのは、風森がプロレスラーであったこと。彼の所属していた団体の仲間からの情報などから、八甲田山の近くの村が本籍地であるとつきためた「私」はその村に行ってみるが、本籍地を示す場所には人家が全くないという状態。それでは、と次に関係のありそうな手島という人物が住むという弘前の邸宅を訪ねていく。「私」は一人ではなく、本籍地の村近くの住人である青年、政夫をともなうが、結局収穫なし。そこで「私」は一旦帰京するが、興味をもった政夫は監視を続ける。で、いきなり政夫は事故死。これはいよいよ怪しいということで、「私」は改めて弘前を訪れて風森を本格的に調査しようとするが…。ということで、ほんのさわりだけだが、今回のストーリー紹介はこれで終わり。本の分量的には全体の10分の1にも到達していない。この後は読み進めていけば、勝手にドキドキしてくる。なにしろストーリーの前提条件が荒唐無稽なのに、リアリティーってやつが否応なしに常識の枠をはめてくるが、常にその常識の枠を上回る出来事が出現し続けるのだ。そんなこんなで、結構な厚さの二冊の本、ほとんど一気読みに近かった。腰巻に踊る「徹夜注意!」の文字がちっとも大袈裟ではない。

 

一つだけ、物足りなかったのは、結局いわゆる必殺技が『総門谷』の初期作品と同じものだったということ。これ、どこかで一回読んだよな、という意識は純粋なドキドキ感みたいなものをやや阻害する要因となった。まあ、その必殺技は、さまざまにややこしい設定が重ならないと使えないところが、一捻りしてある。その必殺技は、必ずしも味方の有利になるようにばかり働くわけではないので、敵もその力を利用するために様々な策を巡らすのだ。さらにいうと、この必殺技は、最後の最後で、とてつもなく大きな場面で使うことを想定して、ものすごく長い年月を使って編み出されたことがわかる仕掛けになっている。あまりに壮大な使われ方すぎて、今までのストーリーが一気にどっかに飛んでしまうようなショックを受けた。

 

とにかく、一度読み始めたら、最後まで読まないことには絶対に気の済まなくなる作品であることは事実だ。そして、読後しばらくは、何かちょっと人とは変わっている人物に対して、「もしかしたら、風森の仲間みたいなやつなのかも…」という思いを持たざるを得ない作品である。

支離鬱々日記74(消えない目の痛みと充血、母親の容体)

目の痛みが消えない。ずっと充血したままでもある。

 

医者は「一番強力な薬を処方します」と言ってくれ、実際に薬を点すとしばらくの間痛みは去るのだが、またぞろ痛み出す、というのを繰り返してはや一週間。

一番痛いのは、PCやTVの画面など1m以内の距離くらいにあるものを見ていて次の瞬間に急に手元を見るときだ。例えば、TV画面を見ながら抜いた鼻毛を詳細に観察しようとするような時だと思ってもらえば良い。最近では、無意識に鼻毛を抜こうとすると、目の痛みの方が先に想起されてしまい、手を止めることがしばしばだ。条件反射としての痛みが定着してしまったのだ。おかげで、チラホラと白髪の混じる鼻毛は伸び放題だ。

 

以前にもチラっと触れたが、とにかく、目が痛いというのは思った以上に行動を制限される。TVを見るのも、電子書籍の画面を見るのも、仕事のためにPCの画面を見るのも、全て目を使わざるを得ない。日頃の生活の中で「視覚」に頼る場面のなんと多いことか、に改めて気付かされた。目が痛いということは、日常生活のほぼ全ての瞬間に不快感を感じているということだ。のみならず、先日は就寝中に目の痛みで目覚め、翌日仕事を休む羽目にも陥った。炎症への悪影響を考えて、飲酒は控えなければならないから憂さ晴らしもままならない。傷んでいる部位は高々数センチ平方程度だが、制限の幅はだだっ広い。

 

これだけ症状が長引くと、目の表面というよりは、例えば糖尿病のような障害のせいで、目の先にまで栄養が行き渡っていないせいなのかとも勘ぐりたくなってしまう。残念ながら、そういうことも十分に考えられる年回りになってきてしまっているのだ。とりあえずは、医者の言う通り、最高強度の薬の点眼頻度を上げて、痛みを抑えるしかない。

 

年回りといえば、私の実母だ。まだ80手前なのだが、コロナ禍で我々夫婦の帰省頻度が下がったせいか、老いの進行が一気に進んでしまったようだ。2軒の親戚から衰えを指摘する声をもらったことをきっかけに、医者に診てもらったら、認知症の入り口にいるという診断が下された。ただし、まだ、適正な投薬治療で、進行を食い止めることは可能だとのこと。自動車の運転もまだ大丈夫だとは言われたのだが、そろそろ本気で、身の回りの世話を焼くことを考えないといけない状況下にはある。

 

本人は「至って元気で、全然心配ない」とはいうものの、本人の自覚と、実際の能力に乖離が生じているのは事実であり、こうした乖離は往々にして悲劇を生む。典型的な例が、池袋の暴走事故死事件だ。あれも運転者本人の「大丈夫」という認識と、実際の身体の作動の鈍さが招いた惨劇である。うちの母親だって、いつ同じような状態になるかわかったものではない。被害者はもちろんのこと、事故を起こした本人にとっても大きなダメージが残る。

 

というわけで、真剣に故郷への移住を考えざるを得なくなった。今週末に帰省し、移住(と自宅建築)について、少し突っ込んだお話をしてくる予定だ。家ができるのは半分嬉しい話だし、最終的には、地元には帰るつもりでいたので、その時期が少し早まっただけと考えることもできる。コロナのおかげで在宅ワークに対する社会的、心理的な壁も低くなったことだし、新しい生活様式謳歌して、そのうちTVにでも出てやるか(笑)。やけっぱちで、そんなことでも考えていないと、考えが悪い方悪い方にハマってしまいそうな気がする。

2020〜2021シーズンラグビー観戦記2(明治大学vs早稲田大学 TV観戦)

久しぶりに本気で観たいと思える早明戦が帰ってきた。12月の第一日曜日に行われる、関東大学ラグビー対抗戦随一の大一番であり、首都圏にいなかった大学時代は、それこそTVにかじりついてリアルタイムの中継を観たのち、ビデオで何回も繰り返し見たものだ。1987年の雪の早明戦、特に最後の数分の早稲田ゴール前での攻防などは、今見ても体が震える。そして、その後、筋トレでもやらないことには気が済まなくなる(笑)。ラグビーファンならカラダが熱くならざるを得ない何かがそこにはある対戦なのだ。

しかしながら、ここ10年くらいは、そんな熱さをもたらすとは思えない対戦が続いていた。早明戦が極上のコンテンツ足り得ていたのは、ここでの勝者が、大学日本一、あるいは日本選手権の覇者と≒だったからだが、帝京が圧倒的な強さを誇っていた時代は、両校とも早々に帝京にそれも圧倒的な点数さをつけられて負け、「全勝対決」とか「買った方が優勝」などという枕詞がつかない、単なる日程消化の試合と化してしまっていたシーズンが大半だったのだ。

 

今年は、早稲田が全勝、明治は伝統校の一つ慶應に不覚をとって1敗ながら、この対戦で勝利すれば優勝という状態での文字通りの頂上決戦。隙のない早稲田を明治がどう崩すのか?時にツメが甘くなる明治を早稲田がどう切り返すのか、に興味を持って観戦開始。

案に反して、試合は明治が終始、攻守共に圧倒した。ボールポゼッションこそ、早稲田45%明治55%とさほどの差ではなかったが、どの局面においても「前へ」という明治ラグビーを貫く哲学に基づいたプレッシャーが常に早稲田を圧倒していた。しかもこの日は、攻めている時に見せる脇の甘さ(攻め込んでおいてのノックオン、密集のこぼれ球を敵に取られてしまう、一人が突出しすぎてフォローのメンバーが足りずターンオーバーを食う)もなく、ディフェンス網にも破綻がほとんど生じなかった。高校日本代表クラスがずらりと揃うタレント集団が、隙を見せなければ、点数的にはともかく内容的には一方的になるのだという好例中の好例と言って良いゲームだった。

 

スクラムは常に強力プッシュで早稲田の球出しを乱すとともにFWのスタミナと闘志を奪う。接点の攻防では常に優位、そしてボールを持った個々の選手は必ず前進する。早稲田は厳しいタックルを連発してはいたが、強い時にみられるような、せめている方が徐々に後退させられる、そして相手のフォローが少しでも遅滞を起こせばターンオーバーする、という場面がほとんどなかった。前半2本目の明治箸本主将の密集脇をついての大幅ゲインなど、いつも早稲田なら考えられない「大穴」だった。そして全員が「前に」を体現した時の明治は本当に強い。次々と走り込む選手一人一人が早稲田のディフェンス陣を文字通り一人一人弾き飛ばしてのトライゲット。これで完全に試合の流れが決まってしまい、その後も早稲田が優位に立てた局面、時間ともわずかなもの。その中で2トライを奪ったのはさすがではあるが…。

 

とにかく、この試合早稲田は、モメンタムな場面、すなわち試合の流れ自体を変えてしまうようなビッグプレーがほとんどできなかった。大学時代の試合中に脊髄損傷という重傷を負い車椅子生活を送る身となりながらも医師を務める雪下岳彦氏によれば、モメンタムが起こる場面はスクラム、タックル、キックオフという三つの場面だとのことだが、前述の通り、スクラムは終始劣勢、突き刺さるタックルは健在ではあったものの、明治の分厚いフォローがそのタックルの効果を最低限にとどめてしまっていた。キックオフに関しても、例えば相手のド肝を抜くようなリターンはなし。その上、確実に獲得して、その後の展開に繋げることが最低条件であるはずのラインアウトでもミス連発で、半分しか確保できなかった。これでは早稲田は攻め手がほとんどなかったとしか言いようがない。

 

シーズンはこれで終わりではなく、大学選手権の高いレベルで両雄が再戦する可能性は限りなく高い。昨シーズンも、対抗戦では明治が勝ったが、大学選手権では早稲田が雪辱を果たした。シーズンの深まりとともに、チーム力を上げてくるのは早稲田というチームの伝統でもある。

 

明治が現状の力の差を維持して返り討ちにするのか?早稲田のリベンジなるか?はたまた慶應、帝京の巻き返しはあるのか?流経や東海(コロナ感染で試合どころではないというお話もあるが…)といった関東大学リーグ戦の強豪はどう仕上げてくるのか?関西を制した天理大は悲願の日本一まで届くのか?など、早明の再戦以外にも見どころの多い大学選手権にはなりそうだ。今シーズンは自分の試合ができてない分、観戦に熱が入りそうでもある。

支離鬱々日記73(目の痛みとプロ野球と記者会見と眞子さま)

左眼の痛みと充血が一向に解消しない。

 

いつもの眼医者に行ってもおそらく、「眼球が傷ついてますね。お薬出しておきます」で終わってしまうと思ったので、今回は別の医者に行ってみた。

 

で、診断の結果は「強膜炎」。なんでも、結膜よりは一段階深い位置にある、カメラでいうところのレンズのフレームに当たる部位に炎症が生じているそうで、「『逆さまつ毛』で傷がついた、で済む話ではない」とは医師の弁。そこそこ深刻な事態なのだが、きちんと診断してくれたことで安心はできた。

 

今回も2種類の薬が出たが、副作用として眼圧が高まる恐れがあるというほど強力なものらしい。点眼の方法についてもかなり丁寧に説明してくれた。

 

1.目薬は確実に眼の中に入るように一滴だけ点すこと。大量に点しても薬液が無駄になるだけ。

2.2種類以上の薬が出た場合、必ず5分以上の間隔を空けて点すこと。5分待たないと、薬液が体に吸収されず、2種類の薬がお互いに効果を打ち消しあってしまう。

眼科だけに、目からウロコが落ちた、などというくだらない話はさておいて、薬は効いているようだ。1日に6回も点しているのだから効いてもらわないと困る。まだまだ、急に近くの物体にピントを合わせようとすると痛みはあるが、通常の生活に支障はなくなってきた。まあ、オンラインゲームをやる時間を減らすのが一番効果的なんだろう。

 

巨人が屈辱の2年連続4連敗を喫してからはや二週間。ストーブリーグが活発化してきた。とはいえ、今年は目玉になりそうな選手がほぼほぼ残留を表明している。はっきりとFA宣言したのはロッテの松永、DeNAの梶谷、井納、それにヤクルトのライアン小川くらいだ。日ハムの西川、有原は米移籍第一優先で国内での移籍の目はなさそうだから、セリーグの3選手が我が巨人軍のターゲットということになろう。

 

多くの人が、セリーグの選手を奪ったんでは、移籍元の球団の弱体化を招くだけで、結局はリーグ全体の地盤沈下につながるという警鐘を鳴らしているが、私もこの考えに賛同したい。リーグ優勝しなければ、日本シリーズもへったくれもないのだから、まずはリーグ優勝のために他の球団の戦力を削ぐ、というのは一つの考え方ではあるが、結果として8年連続して、セリーグ球団は日本シリーズで勝てていない。球界の盟主を自認するのであれば、パリーグに偏った「日本一」の称号をセリーグに取り戻す努力も必要なはずだが、率先してセリーグの戦力削ってりゃ世話はない。同じ獲るならパリーグからとか、強力な外国人とか、セリーグ全体のレベルが下がらないよう配慮すべきであろう。

 

さらに言えば、せっかく三軍制を採用して、毎年育成選手をどこよりも多く獲るんだから、もっとそこから引っ張り上げる努力をしないと。千賀、甲斐を筆頭にソフトバンクは、ドラフトの上位選手よりも育成出身の選手の方が活躍している。巨人はせいぜい松原くらい。他球団のスカウトに言わすと「数年後にドラフト上位指名がかかりそうな選手を軒並みさらってしまっている」のだから、もっと育成選手からのし上がってくる選手がいても良さそうなものだが…。育成の手法をもう一度見直してみる必要があるだろう。V9時代の巨人はドジャースの戦法をいち早く取り入れるなどの革新性があった。育成選手の鍛錬方法についてもソフトバンクや米球界はいうに及ばす、他のスポーツからでも良いところは吸収して、着実に戦力化することを望みたい。今のままではいわゆる「宝の持ち腐れ」の範囲を広げただけになりかねない。

 

アンジャッシュの渡部が、今更ながら、という謝罪会見を開いた。おみそかダウンタウンの番組で芸能界復帰させるための禊の場としたいようだったが、失敗とは言わないまでも、バッシングの空気感を完全撤去というわけにはいかないような言葉がネット上を飛び回っている。

 

まあこれは渡部側も想定内だろう。ということで世間からの注目を浴び、大晦日の番組の宣伝になることまで考えた上での会見だったように見受ける。マスコミも含め、見ている側は見事にそれにノセられてしまったのだ。渡部が出るのか、出ないのか、を確認するためだけに番組を見る人も当然いるだろうし、TV局としては、視聴率が取れれば渡部の評価が上ろうが下がろうが、知ったこっちゃないわ、というのが本音だろうから。私は出ることを期待してみてしまうクチだ。フェイスブックのコメントともカブるのだが、原田、袴田両先輩を凌ぐような開き直った演出での笑いを期待したい。両先輩の本業は俳優だが、渡部はお笑い芸人であり、大きな笑いを獲ることが、結局は禊につながる。「タレント」には主にスポンサーから「コンプライアンス」圧力とでもいうものがかかるが、お笑い芸人に徹すればむしろそうした圧力に負けないことが価値となる。この状況を打破するもしないも、放映時の笑いの大きさにかかっているわけだ。一旦はグルメ評論家、とか好感度とかいうものを無視して臨むしかないだろう。

 

眞子さまは、どうやら、さまざまな反対意見を押し切って小室圭氏との結婚に踏み切るようだ。普通の家庭であれば、一見爽やかイケメンだが身辺がゴタゴタしている彼氏との結婚を本人の強い意志で承諾させる、なんてなお話はいくらでも転がっているのだが、何しろ立場が立場だ。秋篠宮が「多くの人が納得して祝福してくれる結婚でないと認められない」という趣旨の発言をされていたが、多くの人は「納得して祝福」してはくれないだろう。

 

言葉は少々きついが、たかだか400万程度のカネを用意できないで、いつまでもゴタゴタともめてるような親を持つ男に、大事な自分の娘を嫁がせたい親はいるだろうか?せっかく、海外留学なんていう、「奥の手」まで出して解決のための時間まで与えたというのに、母親本人には「自分で金を返して問題を解決する」という意思は全くみられず、結局どこからどう圧力がかかったのかわからないが、債権者が債権を放棄するということで問題を終息させようとしている。とてもじゃないが親戚付き合いどころか、一切関わり合いになりたくない類の人物だ。こういう人物が皇室の縁続になってしまうと考えたら…、某国の元皇太子妃みたいな事件が起こってもおかしくない。

 

日本国憲法には「婚姻は両性の同意にのみ基づいて成立」とあり、二人の決意が変わらないのであれば、なにものも、この婚姻を押し留めることはできないが、前途は多難なような気がする。まあ、最終的には本人たちが幸せであれば外野が口を挟む問題ではないのだが。

 

 

 

支離鬱々日記72(情けねぇぞ、巨人)

巨人が3連敗で文字通り後がなくなった。

 

何しろ負け方が悪すぎる。元々が先行逃げ切り型の「チーム体質」だ。個々の試合もそうだし、シーズン全体の流れとしても、序盤に圧倒的な大差をつけて、その差を守り切って勝利というパターンが巨人の「型」なのだが、3試合ともに、早々に先制点を取られて、必死に追いかけるも、焦りからか、主軸も脇役も全く打てず完全に力負け。

 

2戦目は投手陣が壊滅状態、3戦目は打線が9回までノーヒットで最終的に1安打で不名誉な記録を免れるのが精一杯の体たらくでは、どうしようもないとしか言いようがない。シーズン終盤の不調をひきづってるとか、東京ドームが使えないとか、クライマックスシリーズがなかったせいで試合感が鈍ったとか、言い訳はいくつもあるんだろうが、こんな言い訳が通用するのは、僅差の試合を落とした場合だけだ。ことこの3戦をみる限りは、こんなオハナシ以前の問題として、圧倒的な実力差があるとしか思えない悲惨な状態だ。

 

選手が一所懸命やっているというのはわかるが、一所懸命やりましたが言い訳として通用するのはマチュアレベルまで。プロなんだから、勝利という結果に結び付けなければ、いかなる批判を浴びても仕方がない。

 

それにしても、このシリーズの巨人には「勝つ」というイメージが湧かない。例えば、菅野が7回までピシャリと押さえて、その間に岡本がホームランを打って、坂本や丸がタイムリーを放って、みたいなイメージに、とにかく現実味がないのだ。菅野は第1戦で打ち崩されたし、クリーンアップは一向に打てない。孤軍奮闘と言えるのは現時点で全ての打点を叩き出しているウィーラーだけ。戦前から苦戦は予想されてはいたが、ここまでの圧倒的な差を見せつけられると、浮かんでくるのは恥ずかしいとか情けないという言葉ばかりだ。

 

こと、ここに至っては、もう勝つしかない。投手は一人一殺レベルまでどんどん注ぎ込み、打者も見逃しの三振したら罰金取るくらいに振っていくしかない。本当に土俵際で、しかも踵がすでに土俵外にある状態であると言って良い状態だ。1989年に近鉄と対戦した巨人は近鉄の加藤投手の「巨人打線はロッテより怖くない」の言葉に奮起して、3連敗の後4連勝してシリーズを制覇したが、今回は加藤投手のみならず、ほぼ全国のプロ野球観戦者から、「巨人はオリックスより弱い」、「セリーグパリーグの二軍レベル」くらいの屈辱的なコメントを一斉に浴びている状態なのだ。これで奮起しなきゃ、野球やめる、くらいの覚悟で、とにかく今日の試合を勝ち切ってほしい。